新しく住む人も古くから住む人も、住民同士が顔馴染みになれるような街づくりに取り組む/桑園地区連合町内会(北海道)
JR「札幌」駅から小樽方面に1駅の場所に、中央区桑園エリアがある。桑園は元々、JR北海道が社宅として利用していたエリア。近年、商業施設や病院などの施設ができたことで利便性が高まっており、JR北海道が社宅用地にマンションを建設するなどの再開発が進んでいる。そんな桑園の魅力を知るために、桑園地区連合町内会の塩田副会長にお話を伺った。
大人も子どもも多くの住民が参加する町内会の行事
――桑園地区の歴史について教えてください。
塩田副会長:明治8年に山形の鶴岡藩(庄内藩)から開拓使が来て、半年間、春~秋にかけて4万本の桑の実を植え、開墾しました。冬になる前に開拓使は全員帰ってしまったのですが、この桑畑のある地域を「桑園」と呼ぶようになったのがこの地の由来です。
――桑園地区連合町内会の概要について教えてください。
塩田副会長:桑園地区には第1~18の町内会があり、このすべてを合わせて「桑園地区連合町内会」と呼んでいます。私は桑園地区連合町内会の副会長であり、また第11町内会の会長も兼任しています。
桑園地区連合町内会は、18の町内会が集まっていますが、実際の運営は目的や役割ごとに分けられた“部”が行っています。桑園地区連合町内会には「文化部」や「交通部」、「体育部」など12の機関が設置されており、各部が立案・計画して行事などを進めています。
――日頃、どのような活動をされているのかお聞かせください。
塩田副会長:桑園地区連合町内会では、例年8月7日に「七夕ローソクもらい」を実施しています。「ローソクもらい」というのは、北海道各地で古くから続くハロウィンに似た習わしで、提灯を持った小学生とその親が「ローソク出せ♪」と歌いながら歩き、地区内に7カ所ぐらいの指定した場所に来たらローソクじゃなくてお菓子を配るんです。この祭りには、およそ600人ほど集まります。
また、毎年8月14日・15日に、地域振興部主導で「盆踊り大会」を開催しています。「桑園公園」の中にやぐらを立てて、夕方から子どもの部、20時から大人の部で開催しています。参加者にはお土産を用意していて、子どもにはビスコのようなお菓子を、大人には味噌や醤油などをお渡ししています。周りには屋台もあって、子どもは綿あめを食べたり、大人はビールを飲んだりして楽しんでいます。2日間で、およそ2,000人が集まる夏のイベントです。
他にも、9月第一日曜日には「桑園地区大運動会」も開催し、幼児から大人までたくさんの方にご参加いただいています。桑園地区を4つのブロックに分け、対抗で玉入れや綱引き、輪投げなどを行い多世代の交流ができるイベントです。最後に抽選会が行われ、参加者には必ず賞品も出るんですよ。
新しく桑園に住む方に向けても積極的に情報を発信
――YouTubeチャンネル「桑園チャンネル」を立ち上げ、積極的に情報発信を行っていらっしゃいますが、どのような経緯で発信を始めたのか教えてください。
塩田副会長:札幌市が地域の課題解決やまちづくり活動に取り組む団体を各地区で募集し、その取り組みに助成金を出しています。この助成金を利用して、桑園に新しく来られる方はもちろん、古くからいる人にも地域の活動や魅力を伝えるために、YouTubeチャンネルを立ち上げました。
――これまでにどのような内容を発信されていらっしゃいますか。
塩田副会長:桑園チャンネルは現在第8回まで動画を投稿しており、そのうち第2回と第4回に私が出演しています。
第2回では、桑園地区連合町内会の交通部長として出演し、交通部の活動について話しました。たとえば7月初めには、「桑園自動車学校」の協力のもと、ご高齢の方に自転車の講習会を実施しました。ほかにも、春夏秋冬の交通安全週間には、街頭での交通安全の呼びかけなどの活動を行っています。
第4回では、副会長として桑園地区連合町内会の概要や運営について紹介しました。中でも毎年春には「定期総会」があり、新年度の予算や事業計画の審議など、詳しい活動内容についてYouTubeで情報発信しています。
桑園エリア内で生活が完結するほど利便性の高い住環境
――桑園駅周辺では近年再開発が進んでいますね。街の変化をどのように感じていらっしゃいますか。
塩田副会長:私が最初に来たときはなかったのですが、「市立札幌病院」ができたことで安心して医療を受けられたり、「イオン札幌桑園ショッピングセンター」ができていつでも買い物できたりするようになりました。ほかにも「北海道知事公館」や「北海道立近代美術館」などの文化施設もできています。このように、短い距離で買い物や医療などの生活が完結するため、桑園が生活圏として安定してきたように思います。そういったことも背景にあると思うのですが、桑園は人口が伸び続けている街です。マンションの多さもそれを物語っていると思います。
桑園に住む人同士が顔馴染みになる街にしたい
――病院や商業施設、マンションが新たに建設され、新しい住民の方も増えてきているかと思います。そのような中で、町内会として今後どのような街づくりをしていきたいと考えていますか。
塩田副会長:桑園に住む人同士が顔馴染みになる街にしたいと思っています。桑園に人は増えていますが、一方で例えば、災害時に地域内で十分な対応できるかといったことが課題の一つだと考えております。「災害が起きるとすぐに対策本部ができて、その指示のもと迅速に動けばいい」と考える人もいますが、それは違うと思っているんです。災害時に役員が集まれればいいですが、昼間は勤務していて動けないかもしれません。いざというときに知らない人同士が集まって行動できないよりは、市民同士が顔馴染みになり、電話1本で連携できるような関係づくりを、普段から行っていきたいと考えています。
――改めて、札幌市桑園エリアの魅力を教えてください。
塩田副会長:商業施設や病院、文化施設が整っており、住みやすい環境が作られていることです。街の中心にJR「桑園」駅があり、南には札幌市営地下鉄東西線「西18丁目」駅もあります。バスの本数も多く、桑園は利便性の高い街です。子育て世帯の方なら、休みの日には「北海道知事公館」の庭や植物園で子どもと遊ぶのがおすすめですよ。
――これから新しく桑園に住まわれる方々に向けて、メッセージをお願いします。
塩田副会長:桑園は生活環境が整っていて住まう場として非常によい街です。恵まれた環境を利用して、ぜひ生活を楽しんでください。桑園にたくさんの人が来て、住んでいただきたいと思っています。
桑園地区連合町内会
副会長 塩田越波さん
所在地:札幌市中央区北7条西15丁目 桑園ふれあいセンター内
電話番号:011-621-3405
URL:https://sooen.jimdofree.com/
※この情報は2021(令和3)年10月時点のものです。
新しく住む人も古くから住む人も、住民同士が顔馴染みになれるような街づくりに取り組む/桑園地区連合町内会(北海道)
所在地:北海道札幌市中央区北七条西15丁目 桑園ふれあいセンター内
電話番号:011-621-3405
https://sooen.jimdofree.com/