スポーツに特化した児童館

乳幼児から中高生まで、様々な年代の子どもがみんなで混ざり合って楽しむ場所に/西東京市立ひばりが丘児童センター センター長 佐藤文俊さん

西東京市立ひばりが丘児童センター
センター長 佐藤文俊 さん

乳幼児から中高生まで、様々な年代の子どもが
みんなで混ざり合って楽しむ場所に

「西東京市立ひばりヶ丘児童センター」は平成23(2011)年に西東京市に開館した児童センター。学校にあるような大きな体育館やダンススタジオ、さらには人工芝のフットサル場が完備されており、無料で利用することが可能です。このような児童センターが、地域にもたらす役割などについて、今回は運営責任者である、NPO法人「子どもアミーゴ西東京」の佐藤文俊さんにお話し伺いました。

こちらの「西東京市立ひばりが丘児童センター」は西東京市の公共施設ですが、こちらの運営を佐藤さんが所属する「子どもアミーゴ西東京」が行うことになった経緯を教えてください。

西東京市では平成19(2007)年より、親が就労している小学生をお預かりする「学童クラブ」の運営を民間委託することができるようになりました。私どもが所属する「子どもアミーゴ西東京」は、その受け皿となるべく発足したNPO団体です。現在西東京市では31か所の学童クラブがありますが、そのうち7か所が民間委託で、うち6か所が私どもの運営になります。

ひばりヶ丘児童センター

こちらの「ひばりが丘児童センター」には3階に「ひばりが丘第一学童クラブ」と「ひばりが丘第二学童クラブ」が併設されていますが、この2つの学童の開校にあたり、これまでの流れがあって委託運営を申し出ました。すると、こちらの「児童センター」も一緒にセットで委託という形となり、ここ全体の業務を請け負うことになった。というのが経緯ですね。

「児童センター」はいわゆる「児童館」とどのような違いがあるのでしょうか?

一番の違いは施設の規模です。体育館などの運動施設がついているのが児童センター。定義としては「大きい児童館」といったところでしょうか。これまでの児童館ですと規模も大きくないですし、運動施設の充実には主眼が置かれていませんでしたが、「ひばりが丘児童センター」は「スポーツ特化型児童センター」となっています。これは西東京市の施設としての役割の1つです。

市の施設としての大きな役割はあと2つあって、1つは乳幼児の親を対象とした子育て支援。児童センターは0歳から18歳未満という、法律的に「子供」と言われている年代が対象ですが、乳幼児は親も利用の対象になります。そしてもう1つは「中高生特化型児童館」としての役割です。ここは9時15分から21時までオープンしている夜間開館ですが、18時以降は中高生専用の時間帯となっています。

なぜ夜間開館が必要なのでしょうか?

夜の19時から20時くらいの時間に、居場所がない中高生がコンビニや公園に溜まってしまう光景はどこでもありますよね。そういった光景は大人からみると、ちょっと「怖い」という印象を持たれてしまいます。例えば小学生の場合は夜にコンビニに溜まっていても「塾の帰りかな?」とか、周囲の大人の目は比較的やさしいです。でも中高生だと、怖いので場合によっては警察を呼ばれることもある。つまり中高生と地域の大人は、お互いうまくコミュニケーションがとれていない問題があります。その子たちの居場所を確保するために、中高生に特化した児童館ができたというのが流れなんです。

放課後の中高生にとって、重要な存在なのですね。

放課後に来る中高生は複雑な年代です。部活が終わり、「もっと体を動かしたい!」という理由で来ることもあります。部活はないけれど公園で練習したいとか。あと、思春期の子供なら「なんとなく家にいたくない」ということって、誰にでもありますよね。そういった子はこれまでなら、公園やコンビニで集まるしかなかったんですが、ここなら安全な居場所にもなるし、悩みがあれば第三者である大人が話を聞いてあげることもできます。

実際私たちも児童センターの運営はこちらが初めてでしたが、当初はスポーツをしたくて利用する中高生が多いという予想していました。もちろんそれはその通りで、毎日利用される頻度は高いです。でも実はやってみて初めてわかりましたが、入口にあるロビーのラウンジスペースがとても機能するんです。あそこの場所は先ほど言いました通り、どこにも行く場所がない子が集まる。くだらない話しをしたり、携帯電話をいじったりしながら、だんだんそういった子たちがラウンジスペースで知り合いになっていくんです。学校でも家庭でもない、中間領域としての居場所ですね。そういったニーズが予想以上に高いことは驚きました。

児童センターを利用する年代のボリュームゾーンはどこになるのでしょうか?

ここの施設には合計で約180人の小学生が利用している学童がありますので、ボリュームゾーンとしてはその子たちが小学生の利用度を上げている部分はあります。それも含めこちらの利用者は年間で約8万人。そのうち6割が小学生ですね。この周辺は小学校がたくさんありますし、西東京市と東久留米市の市境でもありますので、東久留米の小学生もたくさん利用します。残り4割のうち、2割が中高校生でもう2割が乳幼児ですね。

子供たちの親にとってこちらの施設はどのような存在だと思いますか?

乳幼児の親ですと、夏でも冬でも快適ですし、子供も安心して遊ばせられる場所。そして他のお母さんと知り合ってコミュニティを形成する場所として利用されることが多いと思います。小学校以降でも、やはり「子供が安心して遊べるので助かる」という声は一番聞きますね。あとは親御さんからよく電話がかかってきますよ。「うちの子そちらにいますか?」とか「塾があるから早く帰るように言ってください」とか(笑)。

こちらは定期的にイベントも企画していますが、人気や反響があったイベントはありますか?

人気があるのは年代によって違いますが、乳幼児世代ですと「芋ほり」のような外に出るイベントが人気です。あとは「ハロウィン」とか「ひなまつり」とか、子供たちがコスプレっぽくイベントに参加できるものも人気ですね。小学生ですと12月に開催しているセンターのお祭り。自分たちでお店を企画して出店するんです。関わっている子供たちは「自分たちでやれる」という気持ちがあるのだと思います。もともと「ひばりが丘児童センター」は自分たちが委託を受ける前から、児童館としてそういったイベントを盛んにやっていたそうです。児童館時代から数えますと30年以上の歴史があるので、ベースができているんですね。

中高生たちが盛り上がるのは、バスケ大会やサッカー大会などのスポーツイベントですね。あとは中高生を対象に「児童館キャンプ」という、児童館で一泊する企画がありますが、こちらも人気ですよ。自分たちでご飯をつくり、途中でスポーツ大会などのイベントがあって、ここで布団を敷いて寝るんです。

イベントを企画するうえで重視していることはありますか?

今は職員が企画して子供たちを巻き込んでいく形ですが、本当は子供たちが率先して「こういったイベントをやりたい」と企画して実行委員会を立ち上げてくれるようになってほしい、という願いはあります。そのために今種まきをしている状態ですね。あとは来てくれる子供だけではなく、周りの大人も「ここを使って何か子供が喜ぶことがしたい」という声が出てくればいいなという気持ちもあるんです。やはり地域の関わりはすごく大切な部分ですから。

こちらは佐藤さんを含め、何人で運営していますか?

正社員は私を含め6名で、非常勤職員が7名です。平均年齢は30歳以下と、みんな若いですね。私を抜かせばですが(笑)。高校生にとっては自分とそれほど年齢が変わらないので、話がしやすいと思います。若い彼らに私がよく話すのは「ここはスポーツ施設とは違う」ということです。本格的にスポーツをしたい子が集まって、レベルの高い練習をずっとしている状態になってはいけないんです。

ここはあくまで児童センターですから。大きいお兄さんもいれば小さい子供もいて、みんなが共存していく必要がある。もちろん時には揉めることもあるわけですが、そこで話し合って一緒に遊ぶのか、それとも交代で使うのか。そんなやり取りがあってみんなが利用できる場所でなくてはいけない。どこかのグループが独占して、他を排除するところじゃないんです。ですから予約は一切受け付けていません。児童センターはみんなが話し合って混ざり合ってやる場所なんです。

そのほか、これからの課題や願いがあれば教えてください。

こちらでは学童クラブと保育園が併設されていますが、理想としては0歳から18歳までずっとここで過ごして、その子たちが卒業して大人になり、今度は子供を産んだ親としてまたここに戻ってくる。それができればステキだなと思うんです。

例えば新しいマンションに若いお母さんと赤ちゃんが引越して、ここに遊ばせにきてくれるとします。その子がもう少し大きくなって、今度は施設内の保育園に通って、小学生になったら学童にいって、学童が終わったら高校生まで2階で遊ぶ。つまりずっと子供たちと関わることができるんです。そういう意味ではこの施設の環境はとても素晴らしいと思いますし、これからの願いですね。

保谷エリアの魅力はどんなところだと思いますか?

保谷エリアは近年マンション建設が進んでいるので、ここ数年は子供の数が増えるエリアなのは間違いありませんが、この地域に住む大人の子供への関心は高いと思います。お祭りの実行委員会を立ち上げても、地域の民生委員の方やPTAの方が手伝ってくれます。普通こういった活動にお父さんはあまり積極的でないケースが多いですが、保谷ではお父さんだけの活動というのも盛んですね。地域として、子育て世代に優しいエリアだといえると思いますよ。

今回、話を聞いた人

西東京市立ひばりが丘児童センター
センター長 佐藤文俊 さん

住所:東京都西東京市ひばりが丘3-1-25
電話番号:042-465-4540
URL:http://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu/itiran/zidokan/hibarigaoka.html

※記事内容は2014(平成26)年3月時点の情報です。

乳幼児から中高生まで、様々な年代の子どもがみんなで混ざり合って楽しむ場所に/西東京市立ひばりが丘児童センター センター長 佐藤文俊さん
所在地:東京都西東京市ひばりが丘3-1-25 
電話番号:042-465-4540
開館時間:9:15~21:00(第1・3・5日曜日は9:30~17:00)※18:00以降は中学・高校生年代対象(小学生以下は利用不可)
休館日:第2・4日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.nishitokyo.lg.jp/sisetu/..