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「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウムに参加してきました!

約6ヘクタールもの広大な敷地に誕生する“健康”を意識した多世代型の住宅地「ウェルネスシティつくば桜」。“スマート・ウェルネス・コミュニティ”という新たな提案の背景にはいったいどんな工夫や地域への想いが込められているのでしょうか。今回は記念すべき第1回となる多世代型健康住宅について考えるシンポジウムに参加してきました。

第1部:後世に受け継ぎたい街とは?

つくば国際会議場
つくば国際会議場

筑波の山並みがはっきりと見渡せるほどの晴天に恵まれた11月16日(日)午後1時。これから誕生する新たな街への期待を胸に、会場となった「つくば国際会議場1F多目的ホール」には地元の方をはじめ多くの人が集まりました。

「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム
「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム

2部構成になった今回のシンポジウムでは、開発にあたって中心的な役割を担っている設計担当者、研究者など5名の登壇者による発表と、第2部では「テクノパーク桜まちづくりを考える会」の代表者や学生による学習支援活動についてなど、地域の現状についての具体的な報告がありました。

「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム
「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム

“後世に受け継ぎたい本当に暮らしやすい街ってどんなまち?”をテーマに、問題提起型のシンポジウムとして開始された第1部。まちづくりにおける環境デザインを専門とする筑波大学の渡和由先生の発表からはじまりました。つくばという地域が大学を中心に大通りと街とが接続する世界的にも稀な地域であること、商業エリアと住まいとが徒歩圏に混在し、コンパクトなライフスタイルが可能であること取り上げました。

「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム
「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム

また街をひとつの家と仮定して、食事をする場所、会話をする場所、ほっとひと息つく場所など“7つの場”を設けることが、より良い街づくりへの手がかりになることについても触れました。欧米の事例や大学の敷地内で実際に行った活動など、多くの写真とともに紹介されたまちづくりの提案には、生活環境に恵まれたテクノパーク桜ならではのおだやかな街並が眼に浮かぶようでした。

「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム
「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム

続いては、(株)ツクバ・インフォメーション・ラボの社長であり、クリエイティブディレクターとしてまちをデザインする佐山剛勇さんの発表です。“近説遠来(きんせつえんらい)”という孔子の論語を引用し、近所の人たちが仲良く楽しそうにしているのを見て、遠くの人が一緒に遊びたい、暮らしたいと集まってくることでより良いまちづくりができるという大きな命題を取り上げました。

「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム
「ウェルネスシティつくば桜」のシンポジウム

また「テクノパーク桜」がコンパクトにまとまった住みやすい環境であることと、商店街にある魅力的なお店の可能性を“てくぱくさくら”と表現し、“てくてく歩いて楽しい、パクパク食べて美味しい、そして出会いの花が咲く街”とテクノパーク桜の魅力を語りました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!

続いて登壇したのは、つくば市の教育委員であり、ラジオつくばのパーソナリティーを務めるマルチな才能を発揮する鷲田美加さん。2児の母として自身の子育て経験を活かした発表は、豊かな自然環境と充実した教育機会に恵まれたつくば市の魅力に、改めて気づかせてくれるものでした。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!

つくば市内には研究機関が多く最先端の科学に触れられることや、身近な場所で農業体験ができること、また世界中から多様な人々が訪れるため、子どもの頃からの国際交流といった点でも恵まれている環境だということが分かりました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!

立場のまったく異なる登壇者による発表は、それぞれの視点や専門性が活かされた内容で、多面的に語られるまちづくりの様子がよく分かります。
続いての発表は、まちづくりの中心的な役割を担う「テクノパーク桜まちづくりを考える会」代表の水谷浩子さんです。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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1997(平成9)年に誕生した「テクノパーク桜」についての紹介にはじまり、「テクノパーク桜まちづくりを考える会」の発足の経緯、住み良い街をつくるために開催した「テクノパーク桜まつり」についての紹介がありました。また、お祭りをきっかけに2012(平成24)年3月には、地元の商店15軒による「テクノパーク桜商店会」が誕生したことにも触れ、写真とともに賑やかな街の様子を垣間見ることができました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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そして最後に第1部5人目の登壇者として発表したのは、設計を担当する積水ハウス(株)設計部の上井一哉さん。積水ハウス(株)、ミサワホーム(株)、パナホーム(株)、住友林業(株)の4社による共同のプロジェクトであること、約6haもの広大な敷地に“微気候デザイン”を採用し、快適なまちづくりを進めていくことなどが紹介されました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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また街の中心部にシンボルツリーを植樹して、その周りに公園やクラブハウスを設けることで地域の人々の交流の場となることへの期待感にも触れました。また、「まちなみガイドライン」を制定して景観を維持し続けることなど、20年以上にわたって茨城県の住環境を見つめてきたからこそ分かる熱い想いを語りました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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それぞれの発表が終わったところで、登壇者5人がふたたび壇上に戻り、発表者同士による質疑応答の時間も設けられました。中でも印象的だったのは、水谷さんから上井さんへの質問で、「なぜテクノパーク桜で宅地開発をするようになったのか?」という素朴な疑問について、人工的につくられた都市の機能と、桜川のあたりから広がる自然の緑、それと子育てにおける教育水準が高いというのが街のバランスとして見たときに魅力があったと語っていました。

第2部:テクノパーク桜の“今”と明るい未来

 

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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続いて開催された第2部は「テクノパーク桜」で実際にまちづくりに関わる8名の登壇者による発表です。「テクノパーク桜まちづくりを考える会」代表の水谷浩子さんは、第1部に引き続き「テクノパーク桜まつり」の活動報告を中心に街の紹介を行いました。住民や学生、地元の小・中学校の交流の場として開催した「テクノパーク桜まつり」は、2日間でのべ6,000人もの来場者が集まるほどの賑わいだったようです。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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このお祭りには震災をきっかけとした“防災意識の啓発”というもうひとつの大きな目的があったことにも触れ、地元の消防署の協力を得て2011(平成23)年はAED講習会、2012(平成24)年は救急処置講習会、2013(平成25)年は起震車による地震体験とさまざまな企画も行われていたようです。

また冒頭に紹介された街のPR動画は、茨城県が運営するインターネットテレビの「いばキラTV」に投稿されたもののようで、商店会で活躍するお店や人が写真とともに紹介されていました。ウェブサイトでは「地域発信44ch」の中で映像を見られるので、街の様子に興味がある人はぜひ覗いてみてはいかがでしょう。
http://www.ibakira.tv/movie/post-11638/

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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続いての発表者は、創立より10年を迎えた「さくら学園保育園」の園長、永沼真由美さんです。これから「ウェルネスシティつくば桜」へと移り住む子育てファミリーに向けて、保育園の紹介を中心に「テクノパーク桜」の子育て事情についても触れました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!

「さくら学園保育園」の特徴として県内初のオール電化保育園であること、太陽光発電パネルを設置して省エネにも配慮していること、カラーコーディネーターによる配色が活かされた快適な空間であることなど、写真とともに紹介された内容は「うちの子どもも通わせたい!」と思えるような理想的な環境でした。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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また「さくら学園保育園」では「一時預かり保育」や「病後児保育」のほか、入園前の子どもとその親を対象にした「子育て支援センター」や小学校に通う子どもたちのための「学童クラブ」と4つの保育事業も実施していることにも触れ、地域にとっての子育ての拠点として大きな役割を担っていることを知りました。

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続いては、つくば市で社会教育指導員として子どもたちの学習支援をしている岩村一代さんの発表です。社会教育指導員とは“家庭教育の推進”を目的として行政と家庭の橋渡しをするコーディネーターとしての役割を担っていること、市内に17カ所ある交流センターのうち10ヵ所で「乳幼児家庭教育学級」という場を設けて、保護者を対象に子育てについてあらためて考えてもらう機会を提供していることを知りました。

「テクノパーク桜」の近くにある「栗原交流センター」でも、子育てに関する情報交換をはじめ、ご近所の仲間を作ったり、子育てに関する勉強を参加者みずからが行ったりと、30組もの親子が参加していたことにも触れ、行政サービスが利用しやすい恵まれた環境であることも分かりました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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教育に関する発表として続いたのは、筑波大生が中心となって活動している「学び場さくら塾」です。代表を務めた筑波大学3年生の岩井雄佑さんと2年生の田崎智也さんの2名による発表となりましたが、「テクノパーク桜」で生活している子どもたちを対象とした“無償”の学習支援活動が行われていることにまず驚かされました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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また学習支援活動を通して地域の子どもたちと関わることで、学生と地域住民との理解を深めることに貢献していることも知りました。2010(平成22)年に活動を開始した筑波大学公認のサークルであること、テクノパーク桜を含め市内に3つの校舎があること、桜校舎では毎週金曜日の午後7時30分から9時30分まで小中高校生を対象にしていることなど、塾の概要については公式のウェブサイトもあるようなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
http://manabiba-sakura.org/

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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子育てや教育環境に関する発表が続いた後、「テクノパーク桜商店会」にお店を構える3名の代表者による発表へと移りました。まず発表したのは、洋服や服飾雑貨を扱うセレクトショップ「Neutral Closet(ニュートラルクローゼット)」の経営者であり、商店会会長を務める中川達也さん。古くから住む地元の方と学生がいることで“古くならない循環する街”であること、商店会の発足から3年が経ち、住民参加型のあたらしい試みとしてウェブサイトを立ち上げたことなどについて触れました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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続いての発表は美容室「Mebius」の代表であり、1985(昭和60)年の開業よりつくばの街並を見つめてきた岩瀬孝司さんです。美容室の紹介を中心に、テクノパーク桜の魅力についても触れました。街の魅力として挙げたのは、“人と人とのつながり”のある市内でも特色のある街であるということ、「テクノパーク桜まつり」への参加をはじめ、地域への貢献活動にも積極的に関わっていくことを明言しました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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そして最後となる発表者はハンバーガー専門店「HI5(ハイファイブ)」のクリエイティブディレクター駒形守昭さんです。つくばの実際の街並を背景とした自主制作動画が話題となっているようで、軽快な音楽とともにYoutubeの映像が流れました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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“いいね、楽しそう♪”という想いが人を動かし、アポなしで訪れた企業やはじめて顔を合わせた一般の方々の協力も得られたようで、“楽しそう”という想いに人が惹き寄せられ集まってくるまちづくりにも通じる大切な気づきとなりました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!

シンポジウムの最後には、花びらにメッセージを託した満開の桜をまちづくりの応援旗として掲げるセレモニーや、「明日があるさ」のメロディーにのせて「テクノパーク桜」の明るいまちづくりを誓う合唱も行い、4時間に及んだシンポジウムも盛況のうちに閉幕しました。

「ウェルネスシティつくば桜」の<br />シンポジウムに参加してきました!
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「テクノパーク桜」の街の魅力として語られていた豊かな自然環境、人とのつながりは、これから新たに住まいを構えるご家族にも安心して過ごせる環境だということが分かりました。登壇者として発表したまちづくりに実際に関わる方々もみな熱心で、2015(平成27)年の夏に入居が始まった新しい街に期待で胸がふくらみます。




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