HOME >  埼玉県で暮らそう!  >  川越市 レポート  >  「西武本川越ペペ」から「菓子屋横町」まで趣深い街をふらりと歩いてみました!

「西武本川越ペペ」から「菓子屋横町」まで趣深い街をふらりと歩いてみました!

江戸時代から川越藩の城下町として栄えた川越は、震災や空襲からも奇跡的に免がれ、今なお多くの歴史的建造物や蔵造りの建物が立ち並ぶ美しい街。「小江戸」と呼ばれる観光都市・川越は、国から歴史都市として認定された埼玉県唯一の街でもあります。美しい街並もさることながら、おいしい食べ歩きも楽しめるという嬉しさいっぱいの川越を、本川越駅から菓子屋横丁まで歩いてみました。

蔵造りの街は火事から生まれた知恵だった
蔵造りの街は火事から生まれた知恵だった

西武新宿線「本川越」駅の改札を出ると、駅に直結した「西武新宿ペペ」が目の前に。

地下1階にある「ブルーミングブルーミー」は、いなげや系列の地域密着型スーパー。地元の野菜なども多く陳列され、地産地消にも力を入れています。5階には落ち着いた雰囲気のフィットネスクラブ「エポレッシュ」もあり、豊富なスタジオメニューが人気です。施設内には、セルフエステとホットヨガが融合した女性専用サロンスタジオも併設されています。夜11時までオープンしているので、会社帰りに気軽に立ち寄れるのはもちろん、リモートワークで運動不足が気になる人にもおすすめです。

ペペの店舗前に広がるペペ広場では、地元農家たちによるファーマーズマーケットや青空手作り市などが随時開催され、地域の人たちの憩いの場になっています。

「西武本川越ぺぺ」
「西武本川越ぺぺ」
ブルーミングブルーミー
ブルーミングブルーミー

駅前のスクランブル交差点を渡り、中央通り(県道229号)沿いに北上します。

観光スポットはまだまだ先ですが、このあたりは地元の住民が日常的に利用するレストランや老舗和食店、ドラッグストアなどが立ち並ぶ静かな地域。

川越で唯一の台湾料理「一六八」
川越で唯一の台湾料理「一六八」

川越周辺で唯一、本格台湾料理を提供している「一六八(いろは)」は、2020(令和2)年11月にリニューアルして可愛らしい外観に。台湾のB級グルメ「ルーロー飯」や台湾のハンバーガー「台湾角煮サンド」など、本格的な味が手軽に楽しめるお店です。少し先にある「割烹 福登美」は、1909(明治42)年創業の伝統ある割烹料理店。個室も充実しているので、七五三や記念日などのあらたまった食事会にも利用できて便利です。


通りの向こう側には、「朝から夜までパンケーキが楽しめる」がコンセプトのパンケーキ専門店「カフェ マチルダ」もあります。甘いデザート系から食事系パンケーキまで充実したメニューが自慢のカフェは、朝7時30分からのモーニングメニューも人気の行列のできる店。アメリカンポップなインテリアや店構えは、地元でもちょっと目を引くおしゃれなレストランです。

さらに通りを北上すると、角に趣深い昭和レトロな建物が現れます。店内にはランプやステンドグラス、キャンドルなどが所狭しと並んだ、らんぷ屋「フウキドウ」です。カップや猫の置物など雑貨も充実しているので、いつ遊びに行っても新たな発見がありますよ。

アメリカンポップな店「カフェ マチルダ」
アメリカンポップな店「カフェ マチルダ」
レトロな店構えの「フウキドウ 」
レトロな店構えの「フウキドウ 」

川越日高線(県道15号)にぶつかったら、右手に見えてくるのは、地元の人たちに「おくまんさま」と呼ばれて愛される「川越 熊野神社」。開運・縁結びの神様として有名なこの神社には、手相や生年月日から運勢や開運ポイントを指南士が教えてくれる開運指南のサービス(有料)もあります。また大正浪漫夢通り側の鳥居下には、足踏み開運ロードと呼ばれる短い参道も。形違いの小石が敷き詰められた地面の上を裸足で歩けば、足裏が刺激されて健康へのご利益になるというユニークな小径です。木造の本堂を過ぎて奥へと進むと、タイムスリップしたような広い御影石の石畳の道「大正浪漫夢通り」が現れます。

大正浪漫夢通りは、大正から昭和にかけてのレトロな建物が立ち並ぶ全長約200mの商店街。ゆるやかなカーブを描いているのは川越城の城下町の名残で、敵の侵入を防ぐための造りなのだそう。商店街は大正〜昭和初期にかけて最盛期を迎え、一度は衰退したものの、昭和レトロな建物や雰囲気を活かし、再び脚光を浴びています。テレビや映画の撮影にも頻繁に利用されているので、人気の俳優さんたちに会えるチャンスがあるかもしれません。

開運・縁結びの神様「川越 熊野神社」
開運・縁結びの神様「川越 熊野神社」
大正ロマンにどっぷり浸る「大正浪漫夢通り」
大正ロマンにどっぷり浸る「大正浪漫夢通り」

アーチのデザインが可愛い「大野屋洋品店」
アーチのデザインが可愛い「大野屋洋品店」

なかでも「大野屋洋品店」は1930(昭和5)年竣工の、石造りの洋風建築。ウィンドウや入り口の上には美しいアーチや装飾が施され、古き良き時代の看板建築の手法を見ることができます。川越の街が素晴らしいのは、こういった建築物が今なお活かされ、現在進行形で商いが行われているところ。ただの観光だけではなく、生きた商店街としての大正浪漫夢通りの散策を存分に楽しむことができます。


車通りのほとんどないゆったりした石畳を進むと、歴史ある老舗から比較的新しいレストランまで、さまざまなお店が軒を連ねます。和菓子や洋菓子、えびせんなどのテイクアウトも充実しているので、ゆっくり食べ歩きしながらお店を見て回るのも楽しい過ごし方。

ひときわ目を引く「シマノコーヒー大正館」は、意外にも1996(平成8)年オープンのお店。昔懐かしいガラス張りのドアを開け、柱時計が時を刻むレトロな店内で、サフォンコーヒーや直焙煎のヤキサンドをゆっくり味わえます。朝8時〜のモーニングや、昼12時から夜19時まで注文できるランチが充実していて、地元の人たちの人気も集めています。

隣に建つ和菓子店「いせや」には、昔ながらの製法で手作りした焼きだんごや豆大福などが並びます。店舗正面には、女性や子どもの幸せを願う「姥尊・おんばさま」が祀られているので、訪れた際にはぜひご拝顔を。川越に店舗を出店した際、新潟から勧請したものだそうです。

さらに先へ行くと、モダンなお店も続々と出店しています。「HILL PINE’S ESPRESSO」は、“温もりある小さな山小屋”がコンセプトのエスプレッソ専門店。ブラジルから直輸入したスペシャリティコーヒーを、バリスタが毎日微妙に配合を変え、提供しているのだとか。隣の「ウッドベイカーズ川越店」は、本格ピザやステーキを提供するレストラン。川越市指定有形文化財の指定を受けた加藤家住宅を改装した店内は、上品かつ趣深い雰囲気です。開け放たれた2階の窓の厚さからも、蔵の頑健さが伝わってきます。

「シマノコーヒー大正館」(左)と和菓子店「いせや」
「シマノコーヒー大正館」(左)と和菓子店「いせや」
「HILL PINE'S ESPRESSO」と蔵造りの「ウッドベイカーズ川越店」
「HILL PINE'S ESPRESSO」と蔵造りの「ウッドベイカーズ川越店」

秘伝のタレが絶品のうなぎ専門店「小川菊」
秘伝のタレが絶品のうなぎ専門店「小川菊」

大正浪漫夢通りには、古くから営業を続ける老舗も数多く残っています。例えば江戸時代後期、1807(文化4)年創業のうなぎ専門店「小川菊」。創業から代々受け継いだ、秘伝のタレで焼いたうなぎは絶品です。木造3階建ての店舗は大正初期の建築で、夏の暑さをしのぐため四方に窓が取り付けられ、通気性を確保できる造り。2012(平成24)年には耐震補強工事を行い、バリアフリー化もされているので、こう見えて車椅子やベビーカーの入店が楽々です。

通りの突き当たりまで来ると、右手には川越市商工会議所の建物が見えてきます。1927(昭和2)年に武州銀行川越支店として建築されたこの建物は、日本橋高島屋や京都市美術館も手掛けた建築家・前田健二郎氏によるもので、文化庁の登録文化財にもなっています。その後1970(昭和45)年に商工会議所が譲り受け、今に至っています。

道を挟んで向かい側には「仲町観光案内所」もあり、観光パンフレットの配布や手荷物の預かりなどのサービスも行っています。案内所内では無料Wi-Fiも使用可能。案内所裏手には、小さな公園「鍛冶町広場」があり、ちょっとした休憩場・遊び場になっています。緑もたっぷりなこの広場には人工の小川も流れており、昭和初期建築の「旧山吉デパート」の建物を見ながら、一休みするにはもってこいの場所です。

重厚感のある「川越市商工会議所」
重厚感のある「川越市商工会議所」
観光で困ったらここへ「仲町観光案内所」
観光で困ったらここへ「仲町観光案内所」

いよいよ小江戸川越のメインストリート、蔵造りの町並「一番街商店街」へと足を踏み入れます。まるで江戸時代にタイムスリップしたような、趣深い蔵造りの建物が400mほど続く景色は圧巻です。

1893(明治26)年の川越の大火で街の3分の1を焼失した川越。焼け残った建物のほとんどが伝統的な蔵造りだったことから、その後、街を再建した川越商人たちは、防火対策として蔵造り建築の店舗を建てました。今なお残るの川越の美しい景観は、火事から街を守ろうとする気持ちから生まれたものだったのです。

川越の蔵造りの特徴は、単なる倉庫ではなく保管庫と店舗を兼ね備えた店蔵であること、そして江戸黒と呼ばれる深みのある黒漆喰仕上げの壁です。この黒漆喰と瓦屋根の建物がずらりと並ぶ威厳ある通りは、まるで映画やドラマのセットのようで、そぞろ歩きには最適です。

川越のシンボルタワーでもある「時の鐘」は、木造3層で高さ16mのやぐら造りで、江戸時代初頭から川越城下の人々に時を知らせてきた歴史遺構です。時計がなく、時間経過を知る術がなかった江戸時代、時の鐘は人々の規則正しい生活になくてはならないものでした。現在は、午前6時・正午・午後3時・午後6時と1日4回、鐘が鳴らされます。

黒漆喰の建物がズラリ「一番街 蔵造りの町並」
黒漆喰の建物がズラリ「一番街 蔵造りの町並」
地元の人たちに時を知らせる「時の鐘」
地元の人たちに時を知らせる「時の鐘」

だんご、プリン、まんじゅう、アイスクリームなどのスイーツから、焼きおにぎりにかつおぶしをまぶした「ねこまんま焼おにぎり」まで、食べ歩きグルメが次から次へと軒を連ねる小江戸・川越の街は、お腹が空く暇がないほどにぎやかです。また、おしゃれな雑貨店や伝統工芸品を扱う店、ガラス細工や手染め体験などができる工房などもあり、行けども行けども続くエンターテイメントのように、とにかく飽きません。

ちょっと横道に逸れて、寄り道をしてみましょう。突き当たりに行傳寺があるこの道は、幕末〜明治にかけてこの通りの商人たちから成功者が多く出たことから、「出世横丁」と呼ばれるようになりました。路地裏にひっそり佇む「Sunny Side Terrace」は、ベトナムを中心としたアジアの手仕事雑貨や天然素材の洋服を扱うお店。洗練されたシンプル&ナチュラルな雑貨は、地元の人たちからも人気を集めています。

その先にある「ユヌブリーズ」は、2020(令和2)年8月にオープンしたドライフラワーとカフェが融合したロマンチックな場所。1900(明治33)年に建った土蔵をリノベーションした店舗は、前面がガラス張りで明るく、カフェスペース奥はしっとりと落ち着いた空間になっています。

川越の街の懐深さを感じるのは、歴史ある老舗とおしゃれな新店舗が共存し、街の景観を守っているところ。和菓子屋さんやスポーツ洋品店など、普段使いのお店でも蔵造りの店舗が多く、日常生活でも歴史が感じられます。

アジアン雑貨に出会える「Sunny Side Terrace」
アジアン雑貨に出会える「Sunny Side Terrace」
ドライフラワーの美しさにうっとり「ユヌブリーズ」
ドライフラワーの美しさにうっとり「ユヌブリーズ」

小江戸川越といえば「菓子屋横丁」
小江戸川越といえば「菓子屋横丁」

蔵造りの街を進むと、「門前横丁」の道標がひょっこりと顔を出します。横道に入り、石畳の道をくねくね進むと、川越の街のもう一つのシンボル「菓子屋横丁」に出ます。横丁の名前にふさわしく、狭い小径の両側にひしめき合うのは、大人もつい夢中になっていまうお菓子屋さん。昭和初期には70軒あった店舗も、今では20軒と少なくなりましたが、ニッキ飴や団子、昔懐かしい駄菓子から、川越の代名詞・さつまいもを使ったテイクアウトのスイーツなど、どれにしようか迷ってしまう品揃えです。

江戸時代、飢饉対策として植えられた川越の「さつまいも」は、その品質の高さから「栗(九里)より(四里)うまい十三里」という言葉遊びにもなり(江戸から川越は約十三里)、人気を博しました。今でも焼き芋スイーツやお芋パイ、いもけんぴなどのさつまいものお菓子は、川越を訪れる人を楽しませています。

多くの店が軒を連ねるなか、「川越ベーカリー楽楽」のパンは地元住民のみならず、電車でわざわざ買いに来る人がいるほどの人気ぶり。毎日のように行列ができ、売り切れて買えないパンも続出するそうです。地元に住んでいれば、観光客が来る前にお目当てのパンを買うこともできます! 外にはイートインスペースが用意されているので、小さい子ども連れでも気兼ねなく一休み&おやつタイムを楽しむことができます。

向かいにある系列店「サンドイッチパーラー楽楽」は、「厚切り三元豚のおろしポン酢カツ」や「ハワイアンロコモコ」など、ユニークで美味しいサンドイッチが店頭に並びます。2階にはイートインスペース、3階はペットと一緒にひと息つける屋上テラスも。土日休日は朝7時30分〜モーニングセットもあるので、休日の朝の楽しみが増える予感です。

味わい深いパンがずらり「川越ベーカリー楽楽」
味わい深いパンがずらり「川越ベーカリー楽楽」
豊富な種類が自慢「サンドイッチパーラー楽楽」
豊富な種類が自慢「サンドイッチパーラー楽楽」

発見ポイント!

生活道路に文化財級の家々が並ぶ
生活道路に文化財級の家々が並ぶ
  • (1)蔵造りの情緒溢れる街並みは散策にぴったり
  • (2)美味しいものがギュッと集まった一番街〜菓子屋横丁
  • (3)地元の地の利を活かして人気店の人気メニューもゲット!
 

「西武本川越ペペ」から「菓子屋横町」まで趣深い街をふらりと歩いてみました!
所在地:埼玉県川越市 




PAGE
TOP