桜上水を知るーー桜並木が彩る閑静な住宅地
東京23区の南西部に広がる世田谷区は関東大震災をきっかけに都心部から多くの人々が移住し、住宅地として発展した。緑豊かな環境から邸宅街が多いことでも知られている。
世田谷区の北部を走る京王線の「桜上水」駅と「上北沢」駅の南側に広がる上北沢一丁目も治安が良く、落ち着いた雰囲気の住宅地が広がっている。一方、「桜上水」駅近くには「日本大学文理学部」のキャンパスがあることから、文教の街としても知られ、活気にある。エリアの南には小田急小田原線の「経堂」駅もあり、交通アクセスの利便性に恵まれた街だ。エリア周辺はおおむねフラットな地形で、自転車を使いやすいことも魅力になる。
桜の名所として知られる街
「桜上水」駅の名は、「桜上水」駅の北側に「玉川上水」が流れており、周辺に桜並木があったことから付けられている。
とくに「桜上水」駅の隣、「上北沢」駅から南に延びる肋骨通りの桜並木は有名で、せたがや百景のひとつにも選ばれている。この肋骨通りは関東大震災後に行われた区画整理で、桜並木から斜めに道が整備されたことから名付けられたそうだ。桜並木も区画整理の際に街路樹として植えられたという。
公共施設や医療機関が身近
「世田谷区役所」は東急世田谷線の「世田谷」駅が最寄りとなり、上北沢一丁目からは遠いものの、エリアの南に「船橋まちづくりセンター」がある。「船橋まちづくりセンター」には住民票や印鑑証明書など各種証明書の自動交付機があり、これらの証明書を身近で受け取ることが可能だ。
上北沢一丁目周辺には「倉田医院」や「黒坂内科」などかかりつけに便利な各科のクリニックが揃い、体調を崩した際にすぐに診察してもらえる。内科、消化器科、循環器科、呼吸器科、泌尿器科に対応する「児玉経堂病院」など総合病院が近いことも心強い。
交通アクセスのさらなる利便性向上に期待
上北沢一丁目の南にある「経堂」駅は2000(平成12)年に高架化が完成し、小田急小田原線の線路の南北間の移動がスムーズになった。2018(平成30)年には「代々木上原」駅から「梅ヶ丘」駅間の複々線化が完成し、電車の大幅な増発とスピードアップが実現している。
現在、京王電鉄と東京都、世田谷区など沿線自治体では京王線の「笹塚」駅から「仙川」駅間の高架化工事を進めている。高架化が完成すれば踏切が解消され、上北沢一丁目から甲州街道など京王線の北側へのアクセスがスムーズになるだろう。また、上北沢一丁目の最寄りとなる「桜上水」駅や「上北沢」駅はホームが高架上に移り、駅のバリアフリー化など施設が充実することが期待される。「明大前」駅ではホームの増設も予定されており、電車のスピードアップが実現する可能性もある。
古くから閑静な邸宅街として発展し、今も落ち着いた佇まいに恵まれた世田谷区上北沢一丁目。都市インフラ整備による今後のさらなる利便性向上も期待されており、住まいの場として理想的な環境と言えよう。