江戸時代から栄えてきた、“ものづくり”の街、蔵前エリア
隅田川沿いに位置する台東区蔵前。その地名は、江戸幕府の米蔵があったことに由来している。寿三丁目・四丁目から蔵前三・四丁目にかけてのエリアには、当時多くの大名屋敷が建ち並び、明治維新後は華族の邸宅が置かれたという。蔵前四丁目の西を通る新堀通りは関東大震災後に埋め立てられるまで運河として機能しており、その様子は歌川広重の錦絵「江戸名所 浅草東御門跡」や「江戸名所図会」にも描かれている。
また、蔵前は古くから“ものづくりの街”として知られ、工房を併設した革製品専門店やこだわりのセレクトショップ、花火や玩具を扱う問屋などが点在している。また、「モノマチ」や「月イチ蔵前」などのものづくりイベントには、多くのクリエイターが出店し、地域外からも注目されている。
さらに、近年は再開発によりスタイリッシュな街並みに変貌。“東京のブルックリン”と呼ばれ、イースト・トーキョーを代表するおしゃれタウンとして注目を集めている。
都心へのアクセスが良好
同エリアの中心にある「蔵前」駅は、都営大江戸線と都営浅草線の2路線が利用できる。浅草線なら「日本橋」駅に7分、「新橋」駅に12分で移動でき、大江戸線を使えば「汐留」駅まで17分、「新宿西口」駅まで20分で行けるなど、都心へのアクセスが良い。「羽田空港国内線ターミナル」駅や「成田空港」駅への直通電車もあり、旅行や出張で飛行機を使うときも便利だ。
エリアの南には都営浅草線とJR総武線が乗り入れる「浅草橋」駅、北には東京メトロ銀座線の「田原町」駅やつくばエクスプレス「新御徒町」駅もあるので、目的地によって使い分けることができる。また、厩橋を渡れば首都高速6号向島線の「駒形」出入口はすぐ。首都高速1号上野線の「上野」出入口も近く、マイカー利用者にも嬉しい立地だ。
平日も休日も、買い物の楽しみが豊富
蔵前4丁目周辺はスーパーが充実していて、毎日の買い物には困らない。「スーパーヤマザキ 三筋店」は24時間営業で、早朝や深夜にも使えて便利。さらに、親しみやすさと手軽さが魅力の「まいばすけっと 蔵前駅前店」は、コンパクトがお店だが品揃えが豊富だ。近くには「おかず横丁」や「佐竹商店街」といった下町風情の残る商店街もある。
一方で、「徒蔵(カチクラ)」と呼ばれる御徒町から蔵前にかけてのエリアには、ノートやインクをオーダーメイドできる文具店「カキモリ」、日用品のセレクトショップ「Syuro(シュロ)」など、新しい店が増えている。「御徒町」駅前まで足をのばせば、2017(平成29)年に開業した大人向けの商業施設「PARCO_ya(パルコヤ)」や映画館「TOHOシネマズ 上野」もある。昔ながらの店と新しい店がうまく混ざり合い、食料品からこだわり雑貨まで近場で買える貴重な環境と言える。
この街にしかない、とっておきのグルメ
散策スポットとして人気が高い同エリアには、カフェも豊富にある。職人の街だけあって、強いこだわりを持った個性的な店が多い。サンフランシスコで話題となったチョコレートスイーツ店「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」をはじめ、レザーグッズと焼き菓子が楽しめるショップ&カフェ「CAMERA」、身体にやさしいコーヒーを提供する「SOL’S COFFEE」、浅草の老舗ベーカリー「パンのペリカン」の直営カフェ「ペリカンカフェ」など、人気店を挙げればきりがないほどだ。きっと誰もが、居心地のいいサードプレイスを見つけることができるだろう。
上野や浅草も近い、癒しのリバーサイド
都会でありながらゆったりした雰囲気も、蔵前の大きな魅力。それを決定づけているのは、幅広い世代の心を癒す水辺の景観だろう。隅田川両岸に整備された親水空間「隅田川テラス」は、地域住民の憩いの場となっている。隅田川では、水上バスなどが運行しており、特別な日には水上バスで優雅な一時を過ごしてみるのも良いだろう。
また、大きな砂場やビオトープなどが設置された「精華公園」、見通しの良い芝生広場が魅力の「蔵前公園」など児童公園も点在。子どもの遊び場や休憩場所には事欠かないだろう。「浅草寺」など観光スポットが集まる浅草も近く、豊かな緑に加えて美術館や動物園などがある「上野恩賜公園」、プラネタリウムや水族館を備えた商業施設「東京スカイツリータウン」なども生活圏内だ。さらに、桜の名所でもあり、「隅田川花火大会」が行われる「隅田公園」も同程度の距離にある。歴史やアートに親しめる場所、季節行事を満喫できるスポットが身近にたくさんあり、子育て世代も住みやすい環境と言える。