田園都市計画による理想の住宅地、洗足二丁目エリア
目黒区洗足二丁目は、東急目黒線「洗足」駅を中心とする一帯に広がるエリア。西を大田区、東を品川区と接している。洗足二丁目のほぼ全域が大正時代の「洗足田園都市」で開発された由緒ある地域であり、高級住宅地としての趣が街の随所に漂う。「洗足」駅前の「洗足いちょう通り」沿いには商店街があり毎日の買い物に便利。「洗足いちょう通り」から一本入ると閑静な住宅街となり穏やかな街並みが広がる。
洗足二丁目一帯は、大正期、東京の郊外住宅地の中でも早い時期に行われた「洗足田園都市計画」によって開発されている。洗足、田園調布など、理想の住宅地を目指した「田園都市計画」は、イギリス人の都市計画の専門家であったハワードが提唱した田園都市思想に影響を受け、日本でも都市と郊外の長所を融合した良好な住宅地を開発しようという目的で策定されたもの。
1918(大正7)年に渋沢栄一を中心に田園都市株式会社が設立され、現在の洗足二丁目を中心に品川区小山七丁目などを含むエリアが「洗足田園都市」の事業対象地となった。1922(大正11)年に分譲が開始され、翌1923(大正12)年には目黒蒲田電鉄(現・東急目黒線)の開通により「洗足」駅も開業し、交通アクセスも整った。1923(大正12)年の関東大震災を背景に、当時の上流階級を中心に郊外に移り住む人が増加。分譲当時の住民は会社重役や官僚、軍人、医師など高所得者が多く、現在も当時からの住民や各界の有名人などが暮らす住宅街となっている。皇太子妃雅子様のご実家がある街としても知られている。「洗足田園都市」は、同時期に開発された田園調布などとともに人気の住宅地となり、高級住宅地として発展、今もそのブランドを引き継いでいる。
交通アクセスの利便性が高いことも、洗足二丁目エリアに住まう大きな魅力。「洗足」駅から利用できる東急目黒線は、「目黒」駅から「田園調布」駅を経て「日吉」駅を結ぶ路線で、「洗足」駅から「目黒」駅までの所要時間はわずか7分。「目黒」駅からJR山手線に乗り換えれば、「品川」駅や「渋谷」駅、「新宿」駅など都内の主要ターミナル駅にスムーズにアクセスできる。また、目黒線は「目黒」駅から先、東京メトロ南北線と都営三田線に直通運転が行われているため、南北線で「溜池山王」駅や「四ツ谷」駅、都営三田線で「日比谷」駅や「大手町」駅など都心部にもダイレクトアクセス可能。通勤通学やショッピングなど、どこへ行くのも快適なのがうれしい。
エリア付近を環七通りや中原街道が通るため、自動車の利用も便利。中原街道を東へ走れば、首都高速の「荏原」出入口もある。
日常の買い物なら、「洗足」駅直結で、夜23時まで営業しているスーパーマーケット「洗足東急ストア」が便利。「洗足」駅周辺には「洗足商店街」があり、ドラッグストア「トモズ 洗足店」など暮らしに役立つ店もある。このドラッグストアは、医薬品や化粧品、日用品、食品などに加え、ペット用品やベビー用品、介護用品などを幅広く品揃え。薬剤師が常駐し、調剤窓口が設けられているのもありがたい。
また、自家焙煎コーヒーと輸入食材を扱う「ビッグウエスト洗足店」といったこだわりの店もある。こちらの焙煎は、高速熱風対流型流動法を利用した熱風により短時間で仕上げる「ジェットロースト」という独自の方法。わずかな時間で仕上げることにより、豆の風味と保存状態を保つことができるそうだ。各国の輸入食材は見ているだけでも楽しく、ついつい購入したくなるものばかり。
洗足二丁目からは、おしゃれなショップが集まる人気のショッピングタウン自由が丘も近い。「トレインチ自由が丘」「Luz 自由が丘」「自由が丘スイーツフォレスト」など人気のスポットへ、自転車で気軽に行けるのも買い物好きには見逃せないポイントだ。
洗足は高級住宅街として発展してきたという歴史もあり、グルメの名店も揃っている。フレンチの「ビストロ・オー・ド・スルス」は、クオリティ・ボリュームともに満足感があり、地下の隠れ家的な雰囲気も楽しめるビストロ。古き良き郷土料理をベースに、シェフの感性をプラスした多彩な料理と、美味しいワインが魅力だ。
ベーカリー「Warung roti(ワルン ロティ)」は、岩手産の「コユキコムギ」という良質な小麦を使ったパンが人気。噛むと小麦の風味を力強く感じることができる。そのほか、イタリアンの「TRATTORIA TORINO(トラットリア トリノ)」といった地元の人の信頼を集める店や、隠れ家風のカフェ「カフェムフル」とバラエティに富んだ店があり、きっとお気に入りの場所が見つかるだろう。
近隣には、自然に親しめる場所が多いことも特徴。「洗足」駅前にはいちょう並木の通りもあるほか、エリアの南側には「洗足池公園」もある。ここは桜の名所にもなっており、池の周りに桜の木が並び、春には水辺が桜色に染まる。池ではローボートやスワンボートも楽しめ、広々とした池でのんびりした時間を過ごすことができる。
洗足二丁目から、碑文谷方面に行くとあるのが「すずめのお宿緑地公園」。竹林やシイ・ケヤキの大木が茂り、野鳥も生息する憩いのスポットだ。園内には、江戸時代には代々「年寄」という名主や庄屋を補佐する村の重要な役職を務めた栗山家の母屋が復元されている。栗山家の古民家では、正月飾りや三月・五月の節句飾り、七夕、お月見などの年中行事を開催しているので、季節の移ろいとともに日本の伝統的な文化にも触れられる。