新しい不動産のあり方を考えよう!コスモスイニシア × 面白がる会
「第10回 不動産を面白がる会 ~新しいモデルルームのカタチ編~」
2017年3月14日に、千代田区神田のシェア型複合施設「The C」で「第10回不動産を面白がる会」が開催されました。
『不動産を面白がる会』とは、不動産業界の慣例や常識にこだわらず、これからの不動産の仕組みを素人と不動産会社・建築家・ITなどいろんな職種の参加者で、飲みながら一緒に考えブレストする会です。
「不動産を面白がる会」主催者・“オモシロガリスト”唐品さん
この会の発起人は、別荘ハンターとして「別荘リゾート.net」の運営や、素人集団で小屋を建てる「YADOKARI小屋部」の部長、河川敷などのアウトドアで映画を上映する「ねぶくろシネマ」の実行委員長など幅広く活動する唐品知浩さん。唐品さん自身が大切にしている「まずは自分事ととして面白がってみること」をコンセプトに、 “オモシロガリスト”として、様々な業界の課題をテーマに『○○を面白がる会』というイベントを定期的に開いています。
『不動産を面白がる会』もその中のひとつ。
―不動産業界ってなんだか堅い感じがする?
―「不動産が好き」って言うと、なんとなくイヤらしく思われる?
そんな既存のイメージを取っ払い、もっとラフに、自由な発想で不動産を考えてみる機会として、これまでには「不動産とアーティストの関わり」「未来のマンション管理組合」など様々なお題で開催されてきました。
コスモスイニシアと一緒に考える、第10回のお題はこちら
そして、第10回を迎えた今回は、首都圏中心にマンション・一戸建を展開するデベロッパー「コスモスイニシア」との初のタイアップ企画。“セルフデコレーションができる住まい”、“秘密基地のある住まい”、など様々なアイディアで新しいライフスタイルを提案する同社と一緒に考えるお題は「新しいモデルルームのカタチ」です。
企画の中心を務められたのは、同社で新築分譲マンションのプロジェクトマネージャーや販売物件の運営・チームマネジメント業務を担当している田中一如さんと、新築分譲マンション・戸建物件の販売部の部長として管轄物件の販売統括をされている伊豆守さん。
現在マンションデベロッパーが共通して抱える大きな課題のひとつとして、年々モデルルームの来訪平均件数が少なくなってきているという事実があり、リクルートSUUMOでも「モデルルームに入りづらい理由」を調査・発表しています。お二人も、その課題が明確になりつつあることを実感しながらも、なかなか具体的なアクションが取れずにいたため、実際に顧客がどんなことを求めているのか、既成概念に囚われず考える機会が欲しいと考えていたそうです。そこで、昨年「ねぶくろシネマ」のイベントを一緒に開催した縁もあり、唐品さんに協力を依頼。 今回「不動産を面白がる会」でのコラボが実現しました。
不動産のプロモーション担当、営業マン、建築家などの業界関係者から、全く畑の違う人まで入り混じり、白熱したイベントの様子を紹介します!
現状認識からスタート
まずは現在のモデルルームの課題の理解から
まずは現状の課題を知るところからスタートします。
「モデルルーム」に対して一般的にもたれているイメージは、、、
―マンションを買おうと決めている人しか入っちゃ行けなそう。
―事前に予約が必要なのが構えてしまう。
―がっつり営業をかけられそうなので、気軽に行く気になれない。
―駐車場に箱が立っているようなイメージ。入口から中が見えないのでなんとなく近付きにくい。
・・・などなど。昨今来場者を楽しませる様々な工夫を凝らしたモデルルームも多いものの、そもそも行くこと自体にハードルを感じている人が多い模様。その敷居をいかに下げるかがポイントとなりそうです。
チームに分かれてブレストタイム
カンパーイ!和気あいあいとブレストがスタート
現状の課題をとらえたら、コスモスイニシアから13名・一般28名の合計40名の参加者が7~8名ずつのチームに分かれ、持ち寄った食べ物飲み物をシェアして和気あいあいとした雰囲気の中、ブレストタイムに入ります。
私が参加させていただいたチームのメンバーは、まさにこの課題に向きあっているマンション販売の担当者や、建築士、リビングデザイナー、個人的に不動産に興味がある方、とにかく何でも面白がってみたいという方など多彩で、マンションの作り手、売り手、お客さん、地元の人目線など、様々な立場・視点から意見が飛び交いました。
業界・職種の垣根を越えて自由な発想でブレスト
主催者コスモスイニシアの田中さんも交え、ざっくばらんに議論
―家族で気軽に行ける住宅展示場のフェアと、モデルルームの違いってなんだろう?
―営業かけられるのが負担という意見もあるけれど、ちゃんと接客を受けたい人もいるのでは?
―実際に住んでいる人の様子を見れたら一番わかりやすい!
―人がついつい立ち寄っちゃう場所にするにはどうすればいいか?
―ギャラリーが建つ場所の多くは駅前などの好立地。地域の資源や、地域に住んでいる人にも役立つスポットとして活用できないか?
―そもそもモデルルームは無くてもいいんじゃないか?
話し合いも深まり、いつしか真剣モード
アイディアを書き留めるスケッチブックもいっぱいに!
ざっくばらんな議論から想像以上に次々とアイディアが出てきて、書記用のスケッチブックのページもいつの間にかいっぱい。みっちり1時間のブレストも、あっという間に感じるほどでした。
各チームのアイディアを発表
各チーム盛り上がりを見せた話し合いを終え、それぞれのチームで考えた中から一押しの「新しいマンションギャラリーの形」の発表へ移ります。どうしてそのアイディアが生まれたのか、どんな変化が期待できるかなど、各チームの代表者やメンバーからの援護射撃も含め、熱がこもったプレゼンが繰り広げられました。
プレゼンにも熱がこもります!
現状の「入りにくさ」をなんとかしたい!
計5チームの数々のアイディアの中から、その一部をジャンルごとにご紹介してみましょう。
◆入りにくさを改善する!
・受付を無くす。接客ブースも見終わった最後に設置。
・営業マンをおかない。自分のペースで自由に見学できる。名付けて「ムジ○くん」。
・予約なしで、24時間好きな時に見れる。仕事帰りなど都合に合わせて行きやすい環境に。
・「NO営業シール」を貼って自由に回る、「要営業シール」で相談に乗ってもらえる、を選べるようにする。
・子供連れでも利用しやすいよう、託児所を併設する。
etc…
◆場所を変える!
・デパートの中や物産展、カフェ、銀行の別フロアなどに併設させ、自然な流れで入ってもらう。
・ショッピングモールなどで複数社が集まって「モデルルームフェア」をやる。
・モデルルームに来てもらうのではなく、人が集まる場所に作る。(ex.海の家、商店街の休憩所など)
etc…
マンションが建つ街の魅力も合わせて知れる場に
モデルルームで学校の授業を行った実例があるそうです!
◆きっかけや動機を変える!
・置いてある雑貨やインテリアなどを自由に見れて、買うこともできる。
・婚活ツアーに組み込む。
・モデルルームの中でイベントをやる。例えば楽器演奏など。
・「キッザ○ア」の様な体験や、家電メーカーとのタイアップなどで家電のお試しができるようにする。
etc…
◆地域向けのスペースとして活かす!
・地域の人たちが日頃から使えるオープンスペースとして開放する。(バー、カフェ、街コン、ブライダル、写真館、学童などに利用)
・街の人(役場の方、長年住んでいる主婦など)が街のことを教えてくれるサロン的な場所にする。
・学校の授業を行える場所として公開する。
etc…
◆見せ方を変える!
・モデルルームに泊まれるようにする。
・実際に住んでいるご家庭の中を見学できるようにする。「読モ」ならぬ「家モ」。
・「テ○スハウス」的なリアリティーショーを動画で配信する。
・実物不要、VRで見せる。
etc…
この他にも多彩なアイディアが並び、自分たちのチームで出てこなかったような斬新な発想に、思わず「おー!」と歓声があがる場面も。また、不動産業界の参加者が実際に過去に取り組んだ、ユニークなモデルルームの事例などもシェアされました。
「早速実施を検討したアイディアがあった」と主催者コスモスイニシアの伊豆さん
イベント終了後にも交流が深まりました
プレゼンを受けて「今後の企画などに繋がりそうなアイディアはもちろん、すぐにでも実施を検討してみたいものもありました。」と主催者・コスモスイニシアの伊豆さん。今後の展開が楽しみです!
真剣な議論あり、笑いあり、思わぬところに気づきあり、と大いに盛り上がった『第10回 不動産を面白がる会』。業種・業界の垣根を越え、普段とは違う視点や柔軟な発想でモデルルームの在り方を話し合う中で、住まいを選ぶこと(売ること・買うこと)や、暮らし自体の価値を考えるような議論の発展や広がりもありました。イベント終了後には、話し足りない参加者同士の交流もあり、ここから生まれていく不動産の“新しいカタチ”にわくわくと期待が膨らむひと時でした!