マンション選びで重視するのは?

■価格や広さを重視する人が増えている

新築マンションを買うときに価格や広さを重視する人が増えていることが、リクルート住宅総研の「2006年首都圏新築マンション契約者動向調査」で明らかになりました。それによると、住まいの購入を思い立った理由としては、「子どもや家族のため、住まいを持ちたいと思った」が35.7%で最も多く、次いで「金利が低く買い時だと思った」(35.4%)、「現在の住居費が高くてもったいない」(30.6%)、「もっと広い家に住みたかった」(27.8%)の順でした。前年と比べると、「金利が低く買い時だと思った」が3ポイント、「資産を持ちたい、資産として有利だと思った」が2ポイント増加。一方で「住宅価格が安くなり買い時だと思った」が3ポイント減少しており、金利や価格の先高感が購入意欲を後押ししている様子がうかがわれます。

物件を探す際に重視した条件では、「価格」が90.4%で最も多く、次いで「最寄り駅からの時間」(78.8%)、「住戸の広さ」(72.3%)、「通勤アクセスの良いエリア」(68.1%)の順。なかでも「価格」と「住戸の広さ」は前年より5ポイント以上増えています。ところが、契約した住戸であきらめた項目でも「住戸の広さ」(38.4%)と「価格」(34.0%)が1位と2位でした。価格や広さを重視するものの、妥協せざるを得ないのもこの2つが最大の項目というわけです。広くて手ごろなマンションがほしいなら、探すエリアを少し広げてみるといいかもしれません。

■地震速報システムの導入は1%止まり

不動産経済研究所の調査によると、首都圏で2006年5月~2007年3月に分譲されたマンションのうち、緊急地震速報システムが導入された物件は685戸で、供給全体の1.0%にとどまっていることが分かりました。緊急地震速報とは今年9月から気象庁が本格運用を予定しているシステムで、地震の初期微動(P波)の段階で震度を予測して警報を発する仕組みです。「あと○○秒で震度○の地震が発生します」などと音声で通知されるので、大地震に備えてキッチンの火を消したり、本棚のそばなど危険な場所から遠ざかることができて、被害を抑えられると考えられています。

調査によると、分譲マンションで初めてこのシステムが導入されたのが2006年5月。その後、都区部では期間中の全供給戸数の2.1%にあたる10件・410戸で導入されました。次いで多いのは埼玉県の4件・184戸でシェアは2.0%です。都下や神奈川県、千葉県での導入はいずれも1件でした。まだ普及はこれからというのが現状ですが、標準装備を決めたデベロッパーも増えており、「今後は飛躍的に普及する」と同研究所では予想しています。

■耐震偽装対策の法改正第1弾が施行

建築物の安全性を確保するための建築基準法。その建築基準法の改正が2007(平成19)年に施行されました。高さ20m超の鉄筋コンクリート造など一定の高さ以上の建物について、建築確認時に指定構造計算適合性判定機関による構造計算の審査が義務づけられています。また、構造基準がこれまでより厳しく規定されることになり、確認申請後の構造設計の変更は軽微なものを除いて原則として認められなくなりました。

建築士への罰則規定も強化されています。耐震基準などの重大な違反に対してこれまでは罰金50万円が上限でしたが、改正後は懲役3年以内または罰金300万円以内となりました。また、これまで罰則規定のなかった建築士や建築士事務所による名義貸しや、建築士による構造安全性の虚偽証明についても、懲役1年以内または罰金100万円以内が課せられることになるのです。国では今後も、構造専門の設計士の資格を創設したり、売主が倒産しても購入者が救済されるよう保険制度が導入されたりと、第2弾・第3弾の法施行を予定しています。一連の法整備により、耐震偽装事件で揺らいだマンション業界の信頼が回復することが期待されます。

       







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