繰り上げ返済ってなに?

「繰り上げ返済」とはその名前の通り、資金の余裕があるときに住宅ローン元金の一部、またはすべてを繰り上げて返済すること。元金を返済することで、かかってくるはずであった利息を削減することから、トータルでの支払額を軽減する効果があります。

期間短縮型と返済額軽減型の二つのタイプがある

住宅ローンの毎回の返済額は元金と利息の合計です。返済開始当初はほとんどが利息を支払っているかたちとなり元金が減りません。特に元利均等型の場合は顕著です。そこで、余裕資金を使って元金を繰り上げ返済することで、かかってくるはずだった利息を軽減できることが繰り上げ返済のメリットです。

繰り上げ返済には二つのタイプがあります。期間短縮型は、元金の一部を繰り上げて返済し、残りの元金残高から「毎月返済額を変えず」に再計算することで、最終の返済期限を早める、つまり返済期間の短縮をはかろうというもので、「中抜き型」とも呼ばれることもあります。返済額軽減型は、「返済期間を短縮せず」に再計算をすることで、毎月の返済額を減らそうというものです。具体的にシミュレーションしてみましょう。

●繰り上げ返済シミュレーション
借入金3000万円、金利3%、35年返済、毎月返済額11万5455円の住宅ローン。
返済開始1年後に100万円を繰り上げ返済した場合・・・
→期間短縮型…返済期間が1年11ヶ月短縮され、利息軽減効果は166万9854円
→返済額軽減型…毎月返済額が3913円軽減され11万1542円に。利息軽減効果は59万6299円

このように、同じ金額を繰り上げ返済した場合、トータルの支払い総額は期間短縮型のほうが少なくなります。

 

どちらを選ぶか、ライフプランも踏まえて選択しよう

期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選ぶかは悩みどころです。利息軽減効果を重視するなら返済期間短縮がたでしょう。ただ、いったん短縮した返済計画は再度延長することは難しくなります。将来的にローン返済が苦しくなるような不測の事態が起こったときに、選択肢が少なくなるということは覚えておく必要があります。

返済額軽減型は、数千円であっても翌月からの返済額が目に見えて減るので、繰り上げ返済したことが実感でき心理的な負担軽減が大きいといえます。子どもの教育資金など負担が増えそう、という方は返済額を減らしておくことが向いているかもしれません。ライフステージや、将来のプランも踏まえた選択しましょう。

いすれにしても、繰り上げ返済は実行の時期が早ければ早いほど効果的、複数のローンを利用している場合は「金利の高いローン」や「返済期間の長いローン」から繰上げ返済をしていくほうが効果的です。最近は、繰り上げ返済シミュレーションができるスマートホン用アプリも販売されています。数百円の投資で何十万円もの利息軽減につながるかもしれませんから、気軽にシミュレーションしてみてはいかがでしょう。

       







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