副都心化が進む地域の子育て支援拠点「長町児童館」
仙台市太白区長町地区は近年、街の開発が急ピッチで進み人口が増加している。ショッピング施設、医療施設、公園などが身近な距離に計画的に配置されており、住みやすい街として人気が高い。子育て世代の流入も多く、子どもたちの声が発展する街全体をさらに活気づけている印象だ。仙台市営地下鉄南北線「長町」駅より徒歩3分、複合施設「たいはっくる」内にある「長町児童館」は、遊びを通して子どもたちの健康な体と豊かな心を育てる、気軽に利用できるあそびの場として人気で、子育て支援の拠点として地域からの信頼も厚い。館長の飯坂新さんと主任の齋藤美江さん、児童厚生員の松本浩子さんに話を伺った。
増加する新規利用者でも楽しんでもらえる場づくり
――「長町児童館」について教えて下さい。
飯坂さん:「長町児童館」は、「太白区文化センター」と「太白図書館」、「太白区中央市民センター」、マンション、商店街区画からなる複合施設「たいはっくる」内にある施設です。長町周辺地域は、仙台の下町的な位置づけでしたが、JR貨物線の跡地開発が進められ住宅や施設が次々と建てられていまして、副都心化が進んでいます。「長町児童館」は、誰でも自由に来て遊ぶことができる場所で、遊びを通して子どもたちの健康な体と豊かな心を育てる場所です。児童健全育成機能、子育て支援機能、地域交流推進機能、放課後健全育成機能の大きく分けて4つの機能を基に運営をしています。
※「太白区中央児童館」は、2017(平成29)年4月1日より「長町児童館」へと名称変更しました。画像は2016(平成28)年12月現在のものです。
利用者は午前中の乳幼児親子、午後の小学生、夕方の中高生まで様々で、対象は0歳から18歳まで。街の開発が本格的に始まった2012(平成24)年度から2013(平成25)年度にかけては、当施設利用者が年間1万人程増えたこともありました。現在もすぐ近くに「IKEA」など大型商業施設ができたこともあり、年間1千人程のペースで利用者が増えています。当施設では、小さい子どもたちだけの利用ではなく平日に中学生の利用が多いのも特徴です。夕方5時から6時くらい、バドミントン部や卓球部の練習を補うのに利用しているようです。今後もたくさんの子どもたちに利用してほしいと思っています。当施設の屋上園庭からは、長町を横切る東北新幹線の姿を見ることができるんですよ。子どもたちにとても人気です。
――「子育て支援クラブ 長町おだづもっこ」について教えて下さい。
齋藤さん:「子育て支援クラブ 長町おだづもっこ」は、児童館を拠点として地域の子どもたちに健全育成活動を行っていく団体です。前身は、「母親クラブ」という地域で子育てを一緒に楽しむことを目的とした児童館と協力して運営をしているボランティア団体です。現在スタッフは20名で活動していまして「児童館フェスタ」等のイベントでも、心強いメンバーとしてお手伝いして頂いています。自主活動としては、児童館の協力を得て年4回の「のびのびストレッチ」や「おやつ作り」などのイベントの開催や、ハンドベルクラブの練習、夏の屋上園庭のお掃除などの美化活動、スイカ割りやミニコンサートなど様々な楽しいことを企画運営しています。「仙台七夕祭り」の時は、子どもたちと一緒に「むすび丸」や「くまもん」などのキャラクターの七夕飾りを作ってくださいました。
また「子育て支援クラブ 長町おだづもっこ」と民生委員・児童委員が月1回程度定期的に開催する地域ぐるみの子育て支援活動「子育てサロン」も開催しています。これは0歳から3歳のお子さんをお持ちのお母さんが対象になりまして、子育ての情報交換や悩みについて気軽に話し合えて解決できる場所になっています。参加したお母さんたちからは、いろいろな話や悩みを聞いてもらえたり、情報交換できたりして楽しい!と大変好評です。長町は転勤などで引っ越してくる新しい住民も多く、子どもの数が増え続けています。ここの児童館には毎日2、3組の新規の方が訪れて来ているのが現状です。みなさんが楽しく子育てができるように、「子育て支援クラブ 長町おだづもっこ」と連携して子育て支援の場、情報交換の場、みなさんが参加しやすいイベントなど、また来たいな、と思って頂けるような場をどんどん作っていきたいと思います。みなさんに真面目すぎない、“おだづ”(ふざけ)すぎない気軽な感じで、“おだづもっこ”で子育てを楽しんで頂ければと思います。
複合施設の特性を活かした子どもたちが楽しめる企画
――「長町児童館」には「体育クラブ」もあり人気とお聞きしました。
松本さん:「体育クラブ」は体操的な遊びを通して児童の体力増進を図る登録制のクラブになります。主に小学校1年生から3年生が対象で、前期が2・3年生、後期が1年生を対象に各20名の少数で行っています。活動内容は担当の職員がそれぞれ考えていまして、ダンス系の運動を取り入れていたり、遊びながら体を動かしたりと内容は様々です。私の場合は、私自身が体育の教員免許を持っていて運動系が好きでしたので、おにあそびやボール運動、縄跳びは毎回取り入れていますね。時間があるときは「ドッチビー」のようなニュースポーツにも挑戦しています。どの活動も子どもたちが楽しく体を動かして基本的な運動のスキルを身につけられるような時間になるように心がけています。また3階にある「太白区中央市民センター」の体育施設を利用して、いつもより広い部屋で思いっきり体を動かすこともあり、子どもたちからも「また来年も続けていきたい!楽しい!」という声をたくさん頂いているので頑張りたいと思います。今後もこの「体育クラブ」を続けていくことによって子どもたちに運動の楽しさを知ってもらうチャンスを作り続けたらいいなあと思います。
――イベントも多いようですが、なかでも「児童館まつり」や「児童館フェスタ」とはどんなものでしょうか?
齋藤さん:「児童館まつり おだづ村」は、児童館ってどんなところなの?という地域のみなさんに児童館をもっと知ってもらおうという児童館のお祭りで毎回たくさんの人が集まるイベントです。また日々児童館に来ている人にとっては、みなさんに見ていただく発表の場にもなるイベントです。今年は、ダンスを発表したり、けん玉を発表したりみんなで工作をしたりしました。今年は宮城県で人気の「伊達武将隊」のみなさんに来ていただいて、忍者遊びをみんなでしたり「伊達武将隊」のみなさんによるステージを見たりしてとても盛り上がりました。
今年度の「児童館フェスタ」は太白区にある児童館が集まって「太白区文化センター」を使って行われた大規模なイベントで、約2,900人の来場がありました。「太白区文化センター」の大ホールでは、この日のために日々練習を重ねてきた乳幼児親子や子どもたちのステージ発表、合唱や太鼓演奏、チアリーディング等、多彩な文化芸術のステージが繰り広げられました。展示ホールや会議室では、それぞれの年齢に応じた様々な体験型の遊びのコーナーが設けられて、多くの子どもたちで賑わっていました。「児童館フェスタ」は家族で一日中楽しめる太白区をあげての大イベントですね。来年度は青葉区で開催されます。
昔ながらの人情味と開発で生まれた利便性の高さを兼ね備えた街
――街の魅力について子育て環境の魅力について、ひと言お願いします。
飯坂さん:長町は、とても住みやすい街ですね。商業施設が充実していて買い物に便利ですし、坂道がないフラットな地形なのでどこへ行くにも移動がスムーズです。副都心として開発が進んでいますが、昔ながらの下町の温かい人情味が残されている優しい街でもあります。新しい住民も増えていますが、おじいちゃんおばあちゃんも多く住んでいて、都会と田舎が共存した街でもあります。子育て支援につきましても制度、施設共に大変充実していますので安心して暮らすことができる街だと思います。
松本さん:長町は交通の便が良いのが魅力です。JRも地下鉄もあり幹線道路も整備されているのでどこへ行くにも交通手段を選ばずに便利ですよ。また、あすと長町近辺は開発が進み商業施設が多いのでショッピングにとても便利ですね。子育て環境は児童館や幼稚園・保育園がたくさんあって自分にあったところを選ぶことができますし、とても良いと思います。
齋藤さん:長町は、ここ「長町児童館」以外でも0歳から1歳くらいであれば「のびすく長町南」など子育て支援施設がたくさんあるのが魅力です。また小学生くらいからの塾やスポーツなどの習い事も歩いていくことができる距離にたくさんあるので便利ですね。図書館等の文化施設もたくさんあるので、やりたいことを選ぶことができる豊かな暮らしのできる街だと思います。ぜひ長町にお越しください。
長町児童館
館長:飯坂新さん、主任:齋藤美江さん、児童厚生員:松本浩子さん
所在地:宮城県仙台市太白区長町5-3-2
TEL:022-304-2743
URL:http://www.hm-sendai.jp/jidoukan/shisetsu/43.shtml
※記事内容は2016(平成28)年12月時点の情報です。
※2017(平成29)年4月1日より「太白区中央児童館」から「長町児童館」に変更しました。施設名称のみ「長町児童館」に変更しております。
副都心化が進む地域の子育て支援拠点「長町児童館」
所在地:宮城県仙台市太白区長町5-3-2
電話番号:022-304-2743
開館時間:9:00~18:00(土曜日は17:00まで)
休館日:日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.hm-sendai.jp/jidoukan/shiset..