奈良市立富雄南中学校 平尾校長先生 インタビュー

新しい授業方法を取り入れ、進化を加速。
生徒の成長を地域で支える「奈良市立富雄南中学校」


「学園前」駅の南に位置し、富雄川へと続く支流のほとりに建つ「奈良市立富雄南中学校」は地域に密着し、地域とともに歩んできた学校。私服での登校が認められている同校には、季節ごとに装いの違う子どもたちが元気に通っています。今回は2018(平成30)年4月から赴任された平尾校長先生に、学校の特色と今後の学校の未来についてお話をお伺いました。

奈良市立富雄南中学校 平尾京一校長先生
奈良市立富雄南中学校 平尾京一校長先生

――まずは学校の沿革と特色を教えてください。

平尾先生:本校は1981(昭和56)年4月に開校した比較的新しい学校です。近鉄「学園前」駅周辺が開発され、新興住宅地が増え始めたタイミングで生徒数も増加しました。現在は各学年が5クラス、特別支援クラスが4クラスあり、計554名の生徒が在籍しています。
本校の特色としては水はけの良い広大な運動場があることです。大雨の際に、富雄川が氾濫するのを防ぐために水を貯めておける貯水場所として機能しており、まさに地域の安全を支える要所となっています。もう一つの特色は、奈良市内の中学校は全てそうなのですが、学校内に武道場があり、武道を通して礼儀や公を重んじる心を育てる教育を行っている点です。

校内にある武道場
校内にある武道場

――学習の特色や教育目標について教えてください。

平尾先生:本校では、年度始めに「学びの手引き」という各教科のシラバス(授業計画)を学年ごとにまとめた冊子を生徒に渡しています。学習のねらい、アドバイス、家庭学習への取り組みについて明記しており、各生徒が見通しをもって学習できるようにしています。また、奈良市では本年度からタブレットを使用した学習を取り入れるようになりました。先生が用意した資料をタブレットからWifi経由で全教室にある大型テレビに映し出し、より具体的に授業を理解できるようにというものです。ほかにも、英語の授業ではオンライン英会話を導入し、生徒3~4人ごとにオンライン上の講師1名から英会話を直接学ぶ機会を作る取り組みも始まりました。さらに、月2~3回行う放課後学習会においてもタブレットを使用した自主学習を行えるようにと試験的にソフトを導入。自分が学びたい範囲を読み込み、分からない問題があれば動画解説で学ぶことができです。2019年度から本格的に導入できるように現在進めています。

全教室に大型テレビを配置
全教室に大型テレビを配置

多数のタブレットパソコンが並ぶパソコンルーム
多数のタブレットパソコンが並ぶパソコンルーム

――保護者の方との関わりについて教えてください。

平尾先生:私が本校に初めて赴任して来たときに一番印象的だったのは、生徒たちのすばらしい挨拶でした。同校では月に2~3回、登校時にPTAの方が校門の前に立ち、生徒たちに挨拶を行う「挨拶運動」が定着しています。つまり、生徒たちの挨拶はPTAの方々のおかげなのです。「挨拶運動」の後には、PTAの方々との座談会を設け、保護者の皆さんが感じられる不安や疑問を直接お聞きしています。そこで出た問題点や周知の必要がある内容については「学校だより」やHPにてお伝えするなど、保護者の皆さんとの交流が学校づくりに生かされています。

「挨拶運動」の様子(提供:富雄南中学校)
「挨拶運動」の様子(提供:富雄南中学校)

――地域との関わりについて教えてください。

平尾先生:毎年12月に本校にて開催している「防災フェスタin富南2018」では、「奈良西警察署」や「奈良西消防署」、地域の消防団、青年団や公民館などの施設の方々も参加し、「土のうリレー」などのイベントを行うなど、防災について楽しく考える機会となっています。このイベントには地域の人気キャラクター「とみにゃん」も参加します。「とみにゃん」は本校の生徒が発案したキャラクターで、グッズを作ったり、イベントに登場するなど、世代問わず地域の皆さんに愛されています。

「防災フェスタin富南2018」の様子(提供:富雄南中学校)
「防災フェスタin富南2018」の様子(提供:富雄南中学校)

地域のイベントでは、中学生を中心に構成される「とみにゃん応援隊」という地域ボランティアが活躍します。本年度から「とみにゃんキッズ」という小学生が参加できる地域ボランティアもでき、地域と小・中学生との交流の場になっています。このようにさまざまな地域との交流を通じて、”絆”や”つながり”を育てる環境が当学区にはあると思っています。

富雄南中学校区地域教育協議会マスコットキャラクター「とみにゃん」のグッズ
富雄南中学校区地域教育協議会マスコットキャラクター「とみにゃん」のグッズ

――今後、どのような教育を目指されますか。

平尾先生:現在、本校では「自主・協力・健康」という言葉を校訓に掲げています。本校での生活を通して、人の思いや意見をしっかりと受け止め、正しい判断と行動ができる生徒になってもらえたらという想いを込めています。これからは、職場体験などのキャリア教育の充実だけでなく、「Society5.0」という新しい社会にも遅れない教育を行うことが大切です。コンピュータ学習などの新しいものはどんどんと取り入れいきたいと考えています。また、本校においてはやはり”家庭”と”地域”と”学校”がお互いに支え合うことこそ、子どもたちを成長させていく上で最も大事なことであるよいう考えのもと、今まで以上に地域との連携を深めていきたいと考えています。

子どもたちの将来について語る平尾校長先生
子どもたちの将来について語る平尾校長先生

奈良市立富雄南中学校

校長 平尾京一先生
所在地 :奈良市藤ノ木台1-5-13
電話番号:0742-48-1671
URL:http://www.naracity.ed.jp/tomiominami-j/
※この情報は2019(平成31)年1月時点のものです。

新しい授業方法を取り入れ、進化を加速。
生徒の成長を地域で支える「奈良市立富雄南中学校」

所在地:奈良県奈良市藤ノ木台1-5-13
電話番号:0742-48-1671
http://www.naracity.ed.jp/tomiominami-j/