文学者のレリーフと老舗が並ぶ商店街

街の活気・賑わいを支える/「(協)三鷹中央通り商店会」 理事長


戦後すぐに創業し、街の変遷を見守ってきた「履物・傘処なかむら」が今回の訪問先だ。「三鷹八幡大神社・例大祭」、「ふるさと三鷹ふれあい夏まつり」、「Mマルシェ」など様々なイベントを主催している「三鷹中央通り商店会」。商店街の賑わいを創出するだけでなく、街の文化育成に貢献する取り組みや、商店街としてあるべき姿を模索している同商店会の理事長、「履物・傘処なかむら」の店主にお話を伺った。

発足から80年以上、歴史のある商店街

街の玄関口「三鷹」駅
街の玄関口「三鷹」駅

――「三鷹中央通り商店会」のこれまでの歩みと主な活動を教えてください。

理事長:前身は1932(昭和7)年に町会として発足した「旧・美土里会」です。その後、1951(昭和26)年に商店会として「旧・三鷹銀座2丁目会」が立ち上がり、現在の協同組合になったのは1992(平成4)年のことです。

モニュメントとゲート
モニュメントとゲート

近年は、中央通りに街路灯や仮設駐車場を設置したり、道路を拡幅、歩道をカラー舗装、また、配電線の地中化など時代に合わせて姿を変えてきました。法人化した年には、街路灯の立替えやゲートの新設、モニュメントの新設・補修をしています。現在の加盟店数は96件。最寄品を中心とする商店街です。

40周年記念誌を振り返る
40周年記念誌を振り返る

――利用者の方はどのような層が多いのでしょうか?

理事長:アンケートを取ったわけではないので、あくまでも感覚値ですが、顔なじみのお客さんが多く、商圏は狭く固定客が多いのではないかと思います。商店街を利用されている方の年齢層としては、シニアの方が比較的多いですね。

三鷹中央通り商店会
三鷹中央通り商店会

もちろん若い単身者の方もいらっしゃいますが、最近はワンルームマンションが減少する一方でファミリー向けのマンションが増えてきたので、ご家族で買い物をされる方が増えてきました。日頃の生活に欠かせない食料品や日用品は商店街で買い、洋服やスポーツ用品などは吉祥寺で買うというケースが多いのではないかと思います。

人と人、世代と世代をつなげる魅力的なイベント

三鷹阿波おどり
三鷹阿波おどり

――「三鷹阿波おどり」や「三鷹八幡大神社・例大祭」、さらには「ふるさと三鷹ふれあい夏まつり」が開かれる夏は忙しくなりますね。

理事長:そうですね、とても賑やかですよ。「三鷹阿波おどり」に関しては、規模が大きくなったことから「三鷹阿波踊り振興会」という団体ができ、ここが主催となりました。どの行事にも言えることですが、普段どこにいたのかと思うくらいにたくさんの子どもが参加してくれます。幼少期に楽しい思い出をつくり、この街により深い愛着を持ってくれると嬉しいですね。

ここ数年は運営に興味を持たれる方が増え、大学生やNPO法人の方が実行委員会に加わるなど、市民参加型の行事になっています。斬新な企画を出してくれたり、色々な面でサポートしてくれるので我々としても本当に助かっています。それぞれ大きな行事なので、継続させるためにも後継者の育成が大事なテーマですね。

三鷹八幡大神社例大祭
三鷹八幡大神社例大祭

――冬季を除く毎月第4日曜日に開催されている「Mマルシェ」について、はじめられた経緯や、特徴・見所を教えてください。

理事長:中央通りは、日曜日の正午から歩行者天国になります。それを活かして何かできないかと話し合って生まれたのが「Mマルシェ」です。日頃お店に並んでいるような大量生産品ではなく、手づくりの商品が並ぶ「Mマルシェ」を楽しみにしている方も大勢いらっしゃいます。マンネリ化してしまわないよう、月毎にテーマを決め直すなどし、常に新鮮みが出るように努めています。

「三鷹」駅前のロータリー
「三鷹」駅前のロータリー

街の良さを活かし、未来に繋げていく

――これまで伺った以外に、特色のあるイベントや「三鷹中央通り商店会」ならではの取り組みはありますか?

理事長:販売促進や、賑わい創出といったテーマを店主どうしが学びあう勉強会「商人塾」を2008(平成20)年から定期的に開催しています。また、有識者や学識経験者を招き、これから街をどのようにしていくかを話し合う「駅前みらい会議」も開いていますよ。

みたか スペース あい
みたか スペース あい

より地域住民の方に関係するところでは、2014(平成26)年12月にオープンした「みたか スペース あい」があります。これは、“学びあい・知りあい・気づきあい・活かしあい・育てあい”という5つの“あい”をテーマにした空店舗の活用事業です。どなたでも利用できる休憩スペースと、地域活動やサークル活動などに利用していただける貸スペースがあります。

自然も豊かな三鷹エリア
自然も豊かな三鷹エリア

――最後に、この街の魅力についても聞かせてください。

理事長:街の魅力については、一言で言うと“都会と郊外の中間地点にある”ことですね。少し歩けば武蔵野の自然が身近に残っていますし、古くから営業している商店もある一方、駅前には新しい駅ビルや商業施設がそろい、買い物に不自由することはありません。駅から近く、バス路線も含めて交通の便がいいので、子育てをしている方、また、落ち着いた暮らしがしたいという方には向いている街だと思います。

(協)三鷹中央通り商店会

理事長
URL:http://mitaka-ekimae.com/
※この情報は2017(平成29)年11月時点のものです。

街の活気・賑わいを支える/「(協)三鷹中央通り商店会」 理事長
所在地:東京都三鷹市下連雀3-34 ほか
http://mitaka-ekimae.com/