地域の方とともに育み開校45周年/さいたま市立浦和大里小学校(埼玉県)
大規模な再開発により利便性と快適さを兼ね備えた暮らしやすいまちづくりが進められている「武蔵浦和」駅周辺エリア。駅直結の商業施設をはじめ、公共施設や医療、教育環境などあらゆる機能が揃う生活エリアとして注目を集めている。 「武蔵浦和」駅から徒歩わずか数分の場所に位置する「さいたま市立浦和大里小学校」は、児童数およそ940名の大規模校として知られ、保護者や地域と連携した教育活動が行われている。 今回は令和3年度に校長として着任した鈴木敦先生を訪ね、「さいたま市立浦和大里小学校」の概要や取り組みなどについてお話を伺った。
昭和52(1977)年の開校より45年目を迎えた「さいたま市立浦和大里小学校」
――まず「浦和大里小学校」の沿革、概要について教えてください。
鈴木校長先生:「さいたま市立浦和大里小学校」は昭和52(1977)年に浦和市立別所小学校区から分離するかたちで開校いたしました。平成13(2001)年に旧浦和市・旧大宮市・旧与野市の3市が合併したのをきっかけに現在の「さいたま市立浦和大里小学校」へと校名が改められました。
今年度は開校より45年目を迎え、コロナ禍ではありますが感染対策を徹底しながら子どもたちと一緒に記念事業に取り組みました。児童数はおよそ940名で、通常学級27、特別支援学級3の合計30学級で運営しています。低学年の1、2年生は35人学級で運営しているため、1年生は6学級、2年生は5学級編成となっています。
ここ数年の児童数の推移を見ると、1,000名を超えていた平成20年度、21年度あたりを境に児童数が減少し、平成28年度あたりから増加傾向が続いています。
本校の特色としては知・徳・体のバランスのとれた教育活動を日々推進しながら、さいたま市教育委員会の委嘱を受けて、国語、道徳、図画工作、体育、人権教育、小・中一貫教育などさまざまな研究に取り組んでいます。現在は内谷中学校との連携により小・中一貫教育の研究を進めています。
――着任された際、学校や周辺環境についてどのような印象を持たれました?
鈴木校長先生:第一印象としては、子どもたちが明るく元気で、朝や帰りの挨拶をよくしてくれるのでとても素晴らしいと感じました。また、駅から近く、校庭から電車も見え市内にある小学校でもこれほど駅に近い学校は無いと思います。
また小学校から西側に学区が広がっているのですが、落ち着いた雰囲気の住宅地もあって、昔からこの地域に住んでいらっしゃる方と駅前に新しくできたマンションにお住まいの方とがそれぞれいらっしゃる地域だということがわかりました。
知・徳・体それぞれバランス良く育てることが重要
――教育目標や重視されている取り組みなどについて教えてください。
鈴木校長先生:本校のHPにも掲載しておりますが、学校経営において教育目標の「夢と希望をもち、人間性豊かで心身ともにたくましい子の育成」という点を大事にしています。 また校訓に「かしこく」「やさしく」「たくましく」とありますが、やはり小学校というのは知・徳・体それぞれバランス良く育てることが重要だと思います。
また子ども同士がコミュニケーションを図ることによって、互いを認め、高め合いながらともに伸びる子どもを育成していきたいと考えています。 コロナ禍になって感じていたのは知・徳・体のバランスが崩れてしまっていたということです。特に徳や体を育むための体験的な活動であるとか、人と人との関わりという部分がすごく制限されている点ですに着目しました。そこでその部分を少しずつ再開させながら、徳や体の部分を育てていくことが今は重要と感じています。
コロナ対策を徹底しながら子どもたちと一緒に記念事業を開催
――45周年の記念行事についてお聞かせください。先日、運動会も開催されたそうですが?
鈴木校長先生:45周年の記念事業についてはコロナ禍ということもあり、来賓や地域の方を招いて行うような式典は開催せず、校内でできることを考えて子どもたちと一緒に工夫しながら取り組みました。例えば、ドローンを使って航空写真を撮影したり、いつもよりちょっと豪華な45周年給食を楽しんだりしました。
また10月には開校45周年記念と冠した大運動会を実施しました。午前中だけの開催で徒競走と表現の2種目に限定した運動会ではありましたが、子どもたちの表情は明るくて生き生きとしていて、一生懸命取り組む姿は本当に素晴らしかったです。
コロナ禍の影響によって修学旅行や遠足が中止になってしまったり、運動会や演奏会などいろいろな学校行事が通常通り行えない状況が続き、子どもたちや保護者の方にとっては申し訳無い気持ちでいっぱいですが、時間を短縮したり人数を制限したりしてコロナ対策を徹底しながら本校ではこうした活動を徐々に再開していきたいと考えています。
歴史のある取り組みのひとつ「金管バンドクラブ」
――特色ある取り組みや活動についてお聞かせください。
鈴木校長先生:特色ある活動のひとつに「金管バンドクラブ」があります。1994(平成6)年に設立されたようですが、現在は3・4・5・6年生を合わせて55名もの児童が在籍し、週3回、放課後等の時間に活動しています。
例年は地域のイベントに出演させていただいたり、演奏会などで日頃の練習の成果を披露していたのですが、残念なことに今年度もことごとく演奏会が中止になってしまい、金管バンドの子どもたちには寂しい思いをさせているなと感じています。
学習面においては、主体的・対話的で深い学びを促すアクティブラーニングの研究が進められていて、算数科を中心にタブレットの活用も含めた研究授業が行われています。
地域の協力によって実施されている「大里っ子チャレンジスクール」
――地域との関わりについてお聞かせください。
鈴木校長先生:さいたま市の事業で「チャレンジスクール」というのがありまして、本校では月4回、地域の方にご協力をいただきながら「大里っ子チャレンジスクール」が実施されています。子どもたちの自主的な学習をサポートしていただいたり、体験的な活動を通じて子どもたちに学ぶ楽しさを教えてもらったりしています。
現在33名の子どもたちが参加しており、課題が終わった後に百人一首や昔遊びなどをしてスタッフや地域の方と一緒に過ごしています。また校外の美術館や環境センターなどに出かけ、さまざまな体験もしています。
また保護者やPTA役員の方々もさまざまな場面で教育活動を支えてくださっており、例えばミシンを使う時など、どうしても担任ひとりでは目が届かない場面があり、保護者の皆さまに協力をいただきながら授業を行っています。今年度の運動会では、受付や案内、保護者の参観が密にならないよう感染症対策にも尽力いただきました。
他にも登下校時の安全指導の見守り活動も大変助かっています。駅が近いので車の交通量も多いですし、通勤通学で自転車を使う方も多く、子どもたちの見守りを今後も引き続きよろしくお願いいたします。
学校、家庭、地域全体で子どもたちを見守る
――これから入学を控えているご家族や地域の方へメッセージをお願いします。
鈴木校長先生:子どもたちの健全育成を目指したときに学校の教員だけでは目の行き届かない部分があると思っています。お家で過ごしているときや外で遊んでいるときもそうですし、学校・家庭・地域全体で子どもたちのことを見守っていけたらと思っています。
コロナ禍で校長に着任し、保護者や地域の皆様とはなかなか接点を持てない状況が続いておりますが、保護者を中心としたPTAの役員や育成会、自治会、交通指導員、防犯ボランティア、他にも多くのみなさんも学校運営にとても協力的で、「コロナが収まったら協力します」といった声もいただいておりまして、大変心強く感じております。
さいたま市では学校運営協議会を設置した「コミュニティ・スクール」の導入に向けた取り組みが進められており、本校におきましても来年度(令和4年度)の移行に向けて準備が進められています。今後さまざまなかたちで情報発信していきたいと思いますので、合わせてよろしくお願いいたします。
さいたま市立浦和大里小学校
校長 鈴木敦先生
所在地:埼玉県さいたま市南区別所7-14-28
電話番号:048-864-6731
URL:http://urawaosato-e.saitama-city.ed.jp/
※この情報は2021(令和3)年12月時点のものです。
地域の方とともに育み開校45周年/さいたま市立浦和大里小学校(埼玉県)
所在地:埼玉県さいたま市南区別所7-14-28
電話番号:048-864-6731
https://urawaosato-e.saitama-city.ed.jp/