美味しいパンで人生を彩るベーカリー＆カフェ／ESPRIT 名古屋店（愛知県）

岐阜県各務原市でパンのおいしさを発信している「小麦家」が運営するベーカリー＆カフェ「ESPRIT」の3号店が名古屋に2022年（令和4年）6月にオープン。食べる人のことを考えたパンづくりを基本に、パンのテイクアウトはもちろん、モーニング、ランチ、ディナーとアルコールメニューも提供している。

「美味しいパンで人生を彩る」をテーマに、これまでの「小麦家」で培ってきた技術とアイデアで美味しいパンの食べ方を提案しつづけている。今回は「ESPRIT 名古屋店」株式会社小麦家 代表取締役の吉村学さんにパンづくりへの情熱とエリアのことを伺った。

低温長時間熟成製法でおいしく、体が喜ぶパンを提供

――「小麦家」の創業から歴史、パン作りへの思いについて教えてください。

吉村さん　先代が東海地方のモーニング文化に合わせて、喫茶店用のパン工場を岐阜県で稼働させたことが始まりです。15年ほど前、冷凍パンの技術を開発したことにより、ホテルなど全国へとパンを届けることが可能になりました。全国にもたくさんパン店があるにも関わらず、「小麦家」のパンを選んでいただいている理由は、お客様がイメージする「こういうパン」から創造を膨らまし、お客様のためだけの唯一無二のパンを形にしているからだと思います。

そして、「食べることは生きること、生きることは食べること」という言葉を大切にしています。毎日の食事から私たちの体、細胞が作られているのですが、言い換えると、食べ物次第で私たちは健康な体を維持することができると言えます。「小麦家」は「食べて健康になる」ことと「美味しいものを食べて幸せを感じる」パン作りを軸に製法と素材にこだわりながら、常に挑戦し続けるブーランジェリーです。

――パン作りの製法や素材の特徴を教えてください。

吉村さん　「小麦家」は酵母の良さを最大限に引き出すパンづくりに情熱を注いできました。自然の恵みである酵素や酵母を使い、低温長時間熟成製法で作っています。酵母の働きをきちんと理解しながら、低温でじっくり発酵させる製法です。

「生地を育てる」という感覚で生地作りに2日をかけ、小麦本来のうまみや風味を感じられるパンを作っています。カフェ＆ベーカリーでは、「小麦家」の生地を元に店内で成形し、オーブンで焼いているので、焼き立てを食べていただけます。

――素材にもこだわられているということは、体にも良さそうですね。

吉村さん　製法ももちろんですが、素材も良質なものを使い、それに見合うクオリティの高いパンを提供しています。口にするものは私たちの体、細胞をつくる根源です。毎日食べるものだからこそ良質なものを使いたいと考えています。

長く時間をかけて作るので、消化吸収も良いと思います。食べて一口目で「美味しい！」とは感じないかもしれませんが、噛み締めて、飲み込んでもう一口食べたくなるような、体が欲するパンにしています。

時間をかけた、地域環境に合わせた店舗づくり

――カフェ＆ベーカリー「ESPRIT」は名古屋店で3号目になりますが、なぜこのエリアに店舗を構えたのでしょうか。

吉村さん　店舗が入る「アーバンネット名古屋ネクスタビル」は2022年（令和4年）2月に完成した新しいビルです。ご縁があり、こちらのビルの1階に「ESPRIT」出店のお誘いを受け、6月にグランドオープンしました。

――どのような特徴がある店舗でしょうか。

吉村さん　私たちは土地に合わせた店作りをしています。例えば、2019（令和元）年にオープンした岐阜県にある長良店は、もともとの店舗がガラス張りだったため、それをいかしてパンを美術品に見立て、美しいパンが並ぶ店内にしています。各務原パークブリッジ店は施設そのものが木をいかした子どもたちの遊び場になっているため、子どもだけでも入店できるワクワク感のある店づくりをしています。

名古屋店をオープンするにあたり、私自身がここに通い詰めて、さまざまな曜日、時間、地域の様子を観察し、時間をかけてコンセプトを考えました。名古屋店は「Hisaya-odori Park（久屋大通公園）」に隣接する一等地であり、働く人、ここに住む人、観光客とさまざまな方が立ち寄ります。

これまでの岐阜県の店舗のように、車で来店して商品をたくさんテイクアウトする方は少ないだろうと思い、多くの方が店内でゆっくり過ごせるように席数を増やしました。夜営業をしてお酒が飲めるようにもしました。素材にこだわり、国産小麦粉のパンをメインに、オーガニックにもこだわりました。パンマイスターを取得し、ドイツで8年間修行したスタッフがシェフを務めており、「小麦家」のマインドとアイデンティティは崩さず、地域環境に合わせた商品作りをしています。

――店内の雰囲気も素敵ですね。

吉村さん　ニューヨークのような都会感とブルックリンの親しみやすさを混在させたような雰囲気にしています。レンガやアンティーク木材、エイジングした床材などを使用し、落ち着いたデザインにしています。レジ前には、大小さまざまな手作りボックスを置いた物販スペースを用意しました。私たちはこのスペースを「ハウル」と呼んでいます。入り口には無料の貸しギャラリーを用意しました。アート作品から人と人が繋がれば、という想いもあります。

そして、カップの底にスマイルプリントがしてあるホットカップがランダムに仕込んであるなど、店内にはちょっと笑顔になっていただける仕掛けもしているので、ぜひ、楽しんで欲しいと思います。

ランチは夕方まで、夜はお酒も飲める、時代に合わせたパンの食べ方を提案

――人気のパンを教えてください。

吉村さん　カレーパンが一番人気で、名古屋店ではクロワッサン、パンオショコラも人気があります。デニッシュやドイツパン、名古屋限定パンもおすすめです。カレーパンはスティック型のパンでバターチキンカレー、ブラックキーマカレーなど種類も揃っています。ドイツパンは馴染みがないかもしれませんが、モーニングやランチでお選びいただけるので、ぜひ、食べていただきたいと思います。

――モーニング、ランチ、ディナー、アルコールメニューもあるのですね。

吉村さん　土地柄、住民の方や近くでお仕事されている方、出張の方、観光客などさまざまな方にお越しいただけることもあり、モーニングは8時から、ランチメニューは16時30分まで設定し、お客様のペースで食事を楽しんでいただけるようにしました。パンはワインやチーズ、お肉にも合うので、アルコールと一緒にパンを楽しんでいただくこともおすすめしています。パンとおつまみがセットになった「パン屋のちょい飲みセット」を用意しているので、昼飲みやお仕事帰りの一人のみなどにも立ち寄っていただけます。

変化していく世界や社会の流れを読み取り、また、地域によって異なる食生活を受け入れ、進化系ブランジェリーとして、おいしいパンの食べ方の提案をしていきたいと考えています。

――具体的に、どのようなメニューがあるでしょうか。

吉村さん　軽く食べたい方におすすめの、トーストかクロワッサンを選ぶことができるモーニングプレート、サラダとスープがつくランチプレートなど、気分やお腹の空き具合でメニューを選んでいただけます。チーズバーガーや厚切りのブリオッシュ食パンにアパレイユをたっぷり染み込ませたブリオッシュフレンチトーストなど、パンもいろいろな食べ方を試していただけます。

ディナーメニューにはラムチョップのソテーや豚バラ肉の白ワイン煮込み、ジンジャーフライドチキンなど、本格的なお肉料理も提供しています。ドリンクはイタリア料理店のソムリエに監修していただき、コーヒー、紅茶、ソフトドリンクのほか、アルコールやノンアルコールカクテルを用意しました。

そして、パンと同じように料理にも使う食材にこだわり、生産者の顔が見える素材を中心に使っています。例えば、野菜は岐阜県山県市から仕入れ、みずみずしいままサラダにするなど、味のあるもの、おいしく感じられるもの、価値観や幸福感を得られる食材を大切にしています。

住み心地の良い、落ち着いた雰囲気の泉一丁目エリア

――泉一丁目エリアの雰囲気や魅力はどのように感じられていますか。

吉村さん　品のあるきれいなまちのイメージがあります。若い頃から公園とパンは親和性があると感じていて、当店もHisaya-odori Parkが隣接しており、心地良さを感じています。毎日通ってくださる方がいたり、ベビーカーやペットと一緒にテラス席で過ごしている方がいらっしゃったり、泉一丁目エリア付近に住まわれている方に多く来店していただいている印象です。

――これから新しく泉一丁目エリアに住われる方々に向けてメッセージをお願いします。

吉村さん　私もお店のオープンに合わせて、ここに引っ越してきました。Hisaya-odori Parkの北端に位置する場所のため、一本道を入ると落ち着きがあり、居心地良いことを実感しています。優しく接してくださる方が多くいてアクセスも良く、住みやすいエリアだと思います。

美味しいパンで人生を彩るベーカリー＆カフェ／ESPRIT 名古屋店（愛知県）
所在地：愛知県名古屋市東区東桜1-1-1 アーバンネット名古屋ネクスタビル1F
電話番号：052-228-4250
営業時間：8:00～20:00
定休日：不定休
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