異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長
異年齢交流に取り組む
「つくば市立竹園西幼稚園」
つくば市の閑静な住宅区にある「つくば市立竹園西幼稚園」は、近隣の竹園東幼稚園と並んで、この辺りの人々に長い間親しまれている公立幼稚園。2年保育という短期間の保育ながら、自然とふれあいながら、のびのびと過ごせることで定評がある幼稚園だ。今回はこちらで園長を務める沼野先生にお話をうかがった。
まず、園の教育方針について教えてください。
園の教育目標としては、「健康で心豊かな子どもを育てる」ということで、遊びを中心とした教育の中で、子どもたちの良さを引き出し、自己肯定感や、主体的に物事に関わろうとする意欲や態度を培うということ、幼児の心身の発達をよく捉えて、家庭や地域との連携を図りながら、ひとりひとりのニーズに応じた、適切な指導を行うこと、ということで、日々保育にあたっております。
園児の人数や、クラス分けの仕方について教えてください。
この幼稚園はもともと4クラス規模の園としてつくられていますが、2013(平成25)年度は4歳児、5歳児ともに1クラスになっています。園児数はここのところ横ばいで、定員に余裕のある状態が続いています。「ぷりん」「みるく」など、ちょっと変わったクラスの名前が特徴の一つです。通園対象となるのは、「つくば市立竹園西小学校」の学区内在住の方となります。
クラスの人数については、4歳児は30名までが1クラス、5歳児は35名までが1クラスということで決まっていまして、現在の園児数は60名弱となっています。クラスの定員を超えますと2クラス編成になりますので、今後希望者が増えれば2クラスになることもあります。ただ、クラス数は前年度末に決まりますので、定員を超える年度途中の入園に関しては、別の園をご案内する場合もあります。
年間の行事については、どのようなものがあるのでしょうか。親子で参加するものも多いのでしょうか?
親子ピクニック、夏祭り、運動会などは親子一緒に参加して、楽しんでいただくものですし、それ以外に「生活発表会」と言いまして、子どもたちが園生活の中でいろいろと身につけてきたことや、劇あそびなどを発表して、保護者の方に見ていただくという機会もあります。運動会と親子ピクニックに関しては土曜日に開催しております。また、年に何度か保育参観も行っています。
親子ピクニックについては、昨年は「サンパーク公園」まで歩いて出かけまして、親子でゲームをしたり、木陰で昼食を食べたりして、ふれあいを楽しみました。その時は土曜日でしたので、お父さんもお仕事がお休みの方はご参加いただいて、家族揃って、みんなで楽しいひと時を過ごすことができました。
竹園西幼稚園ならではの特徴、特色などあれば教えてください。
当園としては、「異年齢交流」を通して、人との関わりを深めていけるよう力を入れています。園の構造として、4歳児の子どもたちが園庭に面したほうの部屋、5歳児が反対側の部屋を使っていまして、その中間に「プレイルーム」があるという形になっているのですが、お誕生日会などではここに集まって、4歳児と5歳児が一緒にふれあって、ゲームをしたり、おやつを食べたりしています。
「ペアのお友達」というものがありまして、これは4歳児と5歳児のペアで、年長さんが年少さんに対して、おやつを食べるお世話をしてあげたり、一緒にゲームを楽しんだりしています。そのへんは、ちょっと意識して取り入れているところですね。運動会の競技などについても、4歳児と5歳児が一緒になって力を合わせて行えるゲームを取り入れたりして、異年齢交流に取り組んでいます。
こうすることで、4歳児は年長さんに対して憧れの気持ちを持ちますし、5歳児のほうは、小さい子に対して「優しくしてあげよう」っていう気持ちが芽生えるんですね。1歳の差でも、やはり大きいですよね。同様に、地域の小学校、中学校との交流も行っています。昨年は11月と1月に年長組が小学校を訪問し、1年生と交流したり、11月に中学生が来園して園児達と一緒に遊んだりしました。この(職員室に展示してある)フェルト細工は、中学生が作ったものをプレゼントしてもらったものです。
それ以外の面では、地域の人材活用ということも積極的に行っていまして、「運動あそび」では外部講師として地域の方に来ていただいていますし、おはなし会の市民サークルの方に月に1回ほど来ていただいて、読み聞かせや素話(すばなし)をしていただいています。
竹園西幼稚園ならではの「メリット」はどんな点でしょうか?
公立の幼稚園になりますので、保育料の面では安く設定されておりまして、その点は大きなメリットかと思います。また、この幼稚園は「つくば市立竹園西小学校」の学区の子どもたちをお預かりしていますので、ほとんどの子どもが「竹園西小学校」に上がりまして、小学校との連続性という面でも、メリットがあると思います。「竹園西小学校」の1年生のうち、3分の1弱ぐらいがここを出た子どもたちになっています。
また、つくば市の公立学校では月曜日から金曜日まで週に5回の学校給食があるのですが、幼稚園の給食についても、本園では週4回給食センターから給食を届けてもらっていますので、「小学校、中学校と同じメニューが食べられる」というのも魅力かと思います。食に関して言えば、園の隅には小さなスペースですけれども畑がありまして、ジャガイモなどを育てて、それを使ったカレーを作ったりもしています。
園に通っている子どもたち、保護者の方にはどのような方が多いのでしょうか?
保護者の方には、働いているお母さんよりも、在家庭の方が圧倒的に多いです。お仕事をされている方は、やはり民営の保育所等を利用される方が多いようです。たいへん教育熱心な保護者様が多くて、幼稚園のいろいろな事についても協力的に対応してくださいますし、とてもありがたく思っております。
子どもたちについては、元気で明るく、自分の思いを素直に表現するタイプのお子さんが多いかと思います。
指導に際して、先生方が心がけていらっしゃることは何でしょうか?
やはり、「ひとりひとりを大切にする」ということですね。それぞれの良さを認めて、安心感、自信をもって行動できるようにする、ということは大事にしています。また、主体的な態度を培いたいということで、何でも指示するのではなく、環境を整えておいて、子どもたちが自ら心を動かして、「やりたい」という気持ちになって、活動に入っていけるよう心がけています。
職員はもちろん、保護者の方とも連携をとって、情報を共有し、共通理解を図りながら、幼稚園と家庭が一緒になって、「育ちあい」をしていければと思っています。
最後に、つくばエリアの魅力について教えてください。
つくばは緑が豊かな街ですね。公園が沢山ありますので、小さいお子さんがいらっしゃる方も、自然の中でお子さんと過ごすことができて良いんじゃないかと思います。その一方で、エキスポセンターや宇宙センターなどの科学に関連する施設もありまして、科学と自然が調和した街というのも魅力だと思います。あと、他から引っ越して来た方が多い街ですから、新しく来られた方でも、地域の輪に入りやすい雰囲気があります。
私はつくばの出身ですのでずっとこの街におりますけれども、私が子どものころと比べれば、本当に便利になりましたね。昔は土浦まで出て、買い物をして、東京に出るのにも常磐線に乗って、という感じでしたけれども、今はTXが通るようになって、本当に便利になりました。バスに関しても、つくばセンタービルからいろんな方面にバスが出ていますので、筑波山、土浦、牛久などいろんな方面に簡単に行くことができるんですよ。買い物についても、駅前に西武やジャスコなどがありますし、ちょっと行けばイーアスなどもあって、とても便利です。
子育て環境についても、近くに児童館や子育て支援センターがありますし、乳幼児学級なども沢山行われていますので、子育てに不安を抱いていらっしゃる方でも、そういうところを利用していただければ、ほかのお母さん方とも知り合えて、安心して子育てができると思います。
今回、話を聞いた人つくば市立竹園西幼稚園
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異年齢交流に取り組む/つくば市立竹園西幼稚園 沼野清子園長
所在地:茨城県つくば市竹園1-15-2
電話番号:029-852-1566
保育時間:9:00~15:00(水曜日 9:00~14:00)
http://www.tsukuba-kosodate.jp/nursery/P..