地域と共に歩む、小平市内でいちばん小さな小学校/小平市立鈴木小学校 永井義明校長先生
新小金井街道の東側にある窪地にひっそりと佇む「小平市立鈴木小学校」は、小平市内で最も児童数が少ないという小学校。各学年1クラスから2クラスという小規模校ながら、きめ細かな教育指導と落ち着いた学習環境が自慢で、学業の成績については小平市内でもトップクラスだという。少人数だからこそできる、「小平市立鈴木小学校」ならではの教育活動とは何だろうか。地域の魅力とともに、校長の永井義明先生にお話を聞いた。
小規模校の良さを活かした、ひとりひとりを大切にする教育
――まず、鈴木小学校の概要について教えてください。
永井校長先生:本校は1976(昭和51)年に、小平市内で18番目の小学校として誕生しました。2016(平成28)年度は児童数が190名、学級数が7学級という、小平市内で最も小規模な小学校になっております。学区につきましては、「鈴木小」という名前ではあるんですが、実は鈴木町から通うお子さんは少なく、ほとんどは新小金井街道をはさんだ向かい側の、回田町のお子さんです。ここ数年は「スモール イズ ダイナミック」という言葉を合言葉にしていまして、「少人数だからこそ、小回りが利いて、思い切ったことができるんじゃないか」「小規模だからこそ、一丸となってダイナミックに動こう」という思いのもとで、教育活動の工夫、改善に努めているところです。
――「小規模校の特色を生かした取り組み」を行われているということですが、具体的にはどのようなことを行われているのでしょうか。
永井校長先生:本校は単学級の学年が多いので、2学年にひとりずつ専科の教員を配置し、低学年・中学年・高学年のブロック制をとっています。担任ひとりに任せることなく、複数の教員で子どもたちを見守ることで、きめ細かな指導を目指しています。 このほか「たてわり班」の活動も盛んでして、全校を9グループに分けて、1年生から6年生までの混合の班を作っていろいろな活動をしています。具体的には、毎月一回行われる「たてわり遊び」や、全校で「小金井公園」に出掛けていき、たてわり班でいろいろなゲームをして1日楽しむ「たてわり全校遠足」があります。
永井校長先生:人数が多い場合、たてわり班を作ったとしても同じ学年の子で固まってしまうということがけっこうあるんですが、うちの場合は人数が少ないですから、1年生から6年生まで本当に仲がいいんですね。高学年の子は特に、「自分が低学年の子の面倒を見ないといけない」という意識が強くなって、主体性やリーダーシップがよく育っています。これも小規模校ならではでしょうね。子どもは重要な役割が回ってくると、そこで初めて、何とか踏ん張って頑張ろうとするわけです。子どもたちの精神的な成長に大きく寄与しているのかなと思っています。
また、本校は係活動もさかんでして、人数が少ない分みんなが何かしらの係を持っているので、責任感の高い子が育っていると思います。進学先の「小平市立小平第三中学校」は大きな学校になるんですが、本校の卒業生は「何かをしなきゃ」という意識が高い子たちなので、みんな、役員をよく引き受けているということです。
学力向上のための様々な取り組みを実施
――「鈴木タイム」や「グリーンスクール」など、ユニークなカリキュラムも組み込みながら、学力向上に取り組んでいらっしゃるそうですね。
永井校長先生:「鈴木タイム」というのは、週に2回15分間、始業前に行っているもので、言語能力の向上を目指した学習を進めています。具体的には、漢字の練習や音読をすることが多いですね。「グリーンスクール」については、金曜日の放課後に時間を設定して行っているもので、各学年ごとに、40分から45分程度、算数の計算力の向上を目指した取り組みをしています。こちらは希望者と、教員から参加を勧められた子どもがやっているもので、補習的な位置づけですが、ここ数年子どもたちの成績も徐々に良くなっていまして、国や都の学力調査で、2016(平成28)年度は小平市でトップクラスに入ることができました。
永井校長先生:こういった独自の取り組みも、もちろん学力向上に役立っているとは思うのですが、学業に専念するうえで一番大事なのは「落ち着いて勉強できる環境」だと思っていますので、そこはとても重要視しています。それぞれの学級がまずは落ち着いている、子どもたちの生活が安定している、というのが、本校の大きな特徴の一つなのかと思います。先生方がよく頑張ってくれている、という部分が大きいでしょうね。
古来よりの人の営みが残る街
――学校の敷地は遺跡が出た場所だと伺いました。
永井校長先生:そうなんです。小学校を造る時に旧石器時代の遺跡が見つかりまして、礫群(れきぐん)やナイ フ型石器など、最古のものは今から3万年以上前のものも見つかったんですね。全国的に見ても非常に古い遺跡ということで、考古学の世界では有名なものです。今でも校庭の一角に湧き水が出ているんですが、昔はこういった湧き水の周りに動物が集まってきて、それを狙って人が集まってきたんですね。ここには江戸時代の遺構も出ていますが、非常に長い時代にわたって、人が住み続けてきた、豊かな土地だと言えるのかと思います。
永井校長先生:近年になって、出土品の中で最も古いものが、およそ3万7千年前のものだとわかりまして、これは日本の歴史を塗り替えるような、考古学的に非常に価値のある発見だということなんですね。それもありまして、現在は東京都の指定を受けている遺跡ですが、数年以内には国の指定を受けられるように、取り組んでいる最中です。校舎の下がまさに、その「鈴木遺跡」なんです。
地域の人々と関りを持ち、共に育む
――「小平市立鈴木小学校」と、地域や保護者との関わりについて教えてください
永井校長先生:地域の方の声が形になったものの一つが、校庭の一角にある新小金井街道の下を通るトンネルなんです。本校は窪地にある学校ですが、開校当時には学校のすぐ横に幹線道路、今の新小金井街道ができるということがすでに決まっていたんですね。子どもたちはそこを横切って登校していたので、交通量も多い道路になっていくということを聞いて、地域の方や保護者は「危ないのではないか」と心配してくださり、最終的には、このトンネルが作られたということです。今でも本校の児童の9割は、そのトンネルを通って通学していますが、これが実は、地域の方の声で作られた本校のシンボルの一つなんですね。壁には卒業生が描いた絵もあって、明るく楽しい雰囲気のトンネルになっています。
永井校長先生:現在行っている活動としては、「放課後子ども教室」があります。これは地域の方が、放課後の子どもの居場所づくりのために、校内で年間100ぐらいの教室を開いてくださっているもので、例えばパソコン教室だったり、紙芝居教室だったり、お琴の教室だったり。ほかにも手芸やよさこい、コーフボールなど、いろんな教室を開いていただいています。昨年度はのべ2千人以上の児童が参加しました。
また、「よさこい」の鈴木小チームを作って地域のお祭りなどで踊りを披露しています。先日も、「小平市民まつり」に参加して、私も旗を振って応援してきました。ほかにも、学校の隣の「あおぞら福祉センター」の行事に、よさこいチームや、3年生の子どもたちが、お呼ばれして発表をしています。地域の方にもとても愛されている学校なんだなと実感しています。
豊かな自然が残る、のびのびと過ごせる環境
――小平市回田町、鈴木町の魅力はどのような点だとお考えですか?また、おすすめの場所があればお教えください。
永井校長先生:魅力はやはり、自然がよく残っているという点でしょうか。校内に湧き水もありますし、近くには「玉川上水」や、「小金井公園」などもありますので、子どもたちが安心して遊べる場所は多いかと思います。生活環境としても、スーパーなどのお店は沢山ありますし、学校の周りには畑が多いですから、地場野菜の直売所も幾つかあります。美味しい地場野菜を楽しむのもおすすめですね。自転車でも動きやすい地域で、玉川上水沿いやグリーンロードなど、サイクリング向きの道もありますから、そこを走るととても気持ちいいですよ。太古の昔からずっと人々が住んでいた地域ですから、生活をする環境としては、非常に恵まれた地域なのだと思います。
永井校長先生:「住民の意識が高い」というのも、地域の魅力だと思います。先日も地域の方々が主催のごみ拾いのイベントに参加したんですが、この辺りは落ちているゴミが非常に少ないんです。地域の方が日頃から、街をきれいにしようという意識を持っていらっしゃるんでしょうね。もちろん子どもを見守る目も温かい地域ですし、治安も良いと思います。町会と老人会が、とてもしっかりしている地域です。
――最後に、小平市回田町、鈴木町に転居を考えている方にメッセージをお願い致します。
永井校長先生:回田町や鈴木町は、とても落ち着いた雰囲気の街ですし、地域の方も街をとても大事に思ってくださっています。気さくな方が多く、転居されてもすぐに街に溶け込むことができると思いますので、ぜひ、沢山の方にお住まいいただき、お子様を「小平市立鈴木小学校」に通わせていただきたいと思います。お待ちしています。
小平市立鈴木小学校
校長 永井義明 先生
所在地:東京都小平市鈴木町1-450
TEL:042-324-3661
URL:http://www.kodaira.ed.jp/18kodaira/
※この情報は2016(平成28)年10月時点のものです。
地域と共に歩む、小平市内でいちばん小さな小学校/小平市立鈴木小学校 永井義明校長先生
所在地:東京都小平市鈴木町1-450
電話番号:042-324-3661
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