この街をもっと魅力的に!草加に新たな流れを生むカフェ/cafe gallery CONVERSION 店主 今井慶子さん
2006(平成18)年のオープンより、市内でも数少ない個人経営のカフェとして親しまれている「cafe gallery CONVERSION(カフェギャラリーコンバーション)。築50余年の空き家を活用した趣のある佇まいは、小さな子どもを連れたお母さんからご年配の方まで幅広い層のファンが訪れる地域の憩いの場のような空間です。今回はこちらの店主であり2歳のお子さんのママでもある今井慶子さんに、お店へのこだわりや、草加の街の魅力についてお話を伺いました。
地元にあった築50年の空き家を活用して念願のカフェをオープン
――まず、お店をオープンしたきっかけについて教えてください。この場所を選んだ特別な理由がったのでしょうか。
今井:この場所にお店を開いたのは、私自身が草加で生まれ育ったというのがもっとも大きな理由のひとつで、「いつか自分のお店を開くんだったら、地元でやってみたい」という想いは常にありました。市役所から近いこの物件にしたのは地元の知人からのすすめがあったこと、そして築50年の空き家で安く借り受けることができたという決め手があったからです。
今井:お店をオープンした当時は、まだ“リノベーション”とか“古民家カフェ”といった言葉がまだ広く知られていない時期で、業者に頼らず内装から家具、インテリアもすべて地元の同級生や前の職場の仲間にも手伝ってもらって手づくりで仕上げました。
歴史や作り手の想いが伝わるような居心地の良い空間づくり
――お店の特色、コンセプトについても教えてください。
今井:私自身が新しいものよりも歴史の感じられる古いものが好きなため、店内にある家具やインテリア、食器、雑貨類などもすべてアンティークや手づくりのものを中心に使っています。オープン当初は私が陶芸作家として制作していた頃の食器ですべてを揃えていたのですが、今は知り合いの作家さんやいろいろな作品を料理や季節に合わせながら使っています。
今井:ちなみにこのテーブルにタイルを貼ったのは私ですし、隣の木製のテーブルも仲間が作ってくれたものです。店内にある一つひとつのものに作り手の想いが込められている、私自身も大好きな居心地の良い空間です。店名の「CONVERSION(コンバーション)」とは、今でこそ耳にするようになりましたが建築分野の専門用語で、「改装、改築」「改変」を意味する言葉で、「このお店を通じて草加の街の流れを変えてやろう!」という意気込みでつけました。今となってはちょっと恥ずかしい気持ちもあり、当時よりもう少し気楽に構えて気負わずにやっています。
地元の野菜を積極的に取り入れた食事メニュー
――おすすめのメニューや、こだわりのポイントはありますか。
今井:ボリューム感のある「ほっとけーき」と16時までゆっくりお楽しみただけるランチがおすすめです。ランチは日替わりの定食をはじめ、パスタ、カレー、「ほっとけーきランチプレート」(950円)など季節や仕入れによって内容が変わります。
今井:小さな子どもを連れたお母さんからカフェめぐりをしている若い女性の方、年配のご夫婦まで幅広い層のお客さまがいらっしゃるため、扱う食材についても化学肥料をなるべく使わないで栽培された野菜をはじめ、安心・安全なものに配慮して仕入れるようにしていますし、また地元で採れた野菜も積極的に取り入れるようにしています。なかでも小松菜、えだまめ、くわいは草加の特産品としても有名で、こうした地元の食材を活かしたメニューもぜひお楽しみください。
小さな子どものいるお母さんも参加しやすいイベントも開催
――お店ではカフェだけでけでなく、イベントも主催されているそうですね。
今井:はい。飲食だけでなく、音楽イベントや手づくり市、絵本の読み聞かせなど小さなお子さんのいるお母さんも参加しやすいさまざまなイベントを開催しています。また、店内には作家さんによる展示や物販コーナーも用意して、展示している絵本や雑貨など実際に手にとって感じることができるギャラリーとしての役割も担っています。
今井:イベントや展示は私が企画することもありますし、持ち込みのイベントもあるので、「やってみたい」とか「興味がある」といった方はぜひ一度ご来店ください。開催スケジュールやイベントの詳細についてはホームページやブログ、フェイスブックでも紹介しているのでそちらも合わせて覗いてみてください。
草加に生まれ育ったからこそ言える“もっと素敵な街にしたい”
――地元、地域の魅力について教えてください。おすすめのスポットはありますか?
今井:「草加の魅力は?」と聞かれて、ぱっとは思いつかないのが草加に生まれ育った私にとっての率直な感想です。もちろん地場産業として有名な「草加せんべい」や観光名所としても知られる「草加松原」の松並木もありますけれどね。当時、「CONVERSION」という名前でお店を開いたのも「草加の街の流れを変えたい! 人の流れを変えたい!」と思ったからですし、お店について言えば、草加市内には全国チェーンのお店こそ数多くあるものの、個人のお店はまだまだ少なくもっと魅力的なお店が増えることを願っています。
今井:このお店で飲食だけではなくイベントやギャラリーなど幅広くチャレンジしてきたのも、地元にお店を開いて子どもも産まれ、このままこの街に住み続けていくのであれば、これからこの街で成長していく子どものためにも“もっと素敵な街にしたい”という想いがあるからこそで、お店を通じて草加の魅力を発信していきたいと思います。
今井:また2015(平成27)年度から縁あって草加市の産業振興課による「そうかリノベーションまちづくり構想検討委員会」にも参加させていただいています。遊休不動産をリノベーションしてあたらしいまちづくりへと挑戦する試みが今ちょうど動きはじめたところなので、行政と民間、大学などの外部有識者による取り組みにも注目してほしいですね。
今井:参加者のなかには小さな子どもを連れたお母さんや、まちおこしに関心のあるOLの方もいらっしゃったりとさまざまで、「そうかリノベーションまちづくり」の活動を通じて子どもも一緒に楽しめるイベントなども企画してきたいと思います。
身近な場所に生活施設も揃う、自転車でも生活しやすい子育て環境
――子育ての環境としてはいかがですか?
今井:子育て環境という点では、市内には子どもと遊べる公園が身近な場所にありますし、買い物も身近な場所ですませられるため子育て世帯にとっては生活しやすい環境だと思います。
今井:以前、子どもを自転車に乗せて市内4ヵ所の公園を巡ったこともあるのですが、「草加」駅の西口にある「草加神社」に隣接した通称SL公園をはじめ、「日枝神社」の境内にもちょっとした遊具があり、車よりも自転車のほうが散策しやすく、近所の小学校にある藤棚など季節の変化を子どもと楽しむこともできておすすめです。
また「草加松原」の遊歩道は散歩やジョギング、朝はラジオ体操なども行われているようで、草加市民にとっての憩いの場になっています。それと草加では“よさこい”への取り組みも盛んで、11月3日(祝)に開催される「草加ふささら祭り」で披露されるよさこいは、お子さんと一緒に足を運んで見ていただきたい草加ならではのイベントです。
cafe gallery CONVERSION(カフェギャラリーコンバーション)
店主 今井慶子さん
所在地 :埼玉県草加市高砂1-10-3
URL:http://www.cafegalleryconversion.com
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。
この街をもっと魅力的に!草加に新たな流れを生むカフェ/cafe gallery CONVERSION 店主 今井慶子さん
所在地:埼玉県草加市高砂1-10-3
電話番号:048-928-0188
営業時間:11:00~19:00(L.O.18:00)※ランチは11:00~16:00
定休日:日曜日
http://www.cafegalleryconversion.com/