明石市立大久保南小学校:校長 内藤 聡先生インタビュー

小学校での出来事が、子どもたちの心の故郷になるように/明石市立大久保南小学校 校長 内藤 聡先生


JR神戸線「大久保」駅の南口から歩いて数分、国道250号沿いにある「明石市立大久保南小学校」は、近隣の開発による人口増加に合わせて開校した小学校だ。今年で開校17年目を迎えた小学校は、新しい街の中でどのような役割を担ってきたのか。今回は校長の内藤聡先生に、学校の特徴や取り組み、街の魅力について話を伺った。

明石市の中で一番最近開校した小学校です

小学校の外観
小学校の外観

Q:まずは学校の概要について教えてください

「明石市立大久保南小学校」は、明石市で一番新しい小学校です。1999(平成11)年創立ですので、今年度で17年目になります。つい先日の11月22日がちょうど創立記念日で、「南っ子創立記念フェスティバル」という行ことを行ったところです。これは、愛校心を持たせたいということで行っている「心の故郷プロジェクト」という取り組みの一環として開催したもので、音楽家の湯山昭さんに作曲していただいた校歌、彫画家の伊藤太一さんに作っていただいた校章の話や、これまでの小学校の歩みなどを話しました。その後には、声楽家の松田みどりさんを招いた音楽鑑賞会も行いました。

オーズタウン
オーズタウン

もともとは、このあたりは「神戸製鋼」の工場があったのですが、跡地だった場所を中心に「オーズタウン」という新興住宅地が開発されました。人口増加に伴って、近隣の「明石市立大久保小学校」「明石市立江井島小学校」の校区再編を行い、「明石市立大久保南小学校」ができました。大久保地区は明石市の中でも、近年人口が増えてきたエリアで、本校の児童数も去年までは1,000人を超えていました。今年度は978人となっています。

街並みと調和した外観が特徴です

小学校の内観
小学校の内観

Q:明石市で一番新しい学校とのことですが、設備などで何か特徴はありますか?

昭和の時代には、明石市の海岸部は地場産業として瓦工場がたくさんあったようです。そのような地場産業を活かすために、校舎の屋根は瓦を使用していると伝え聞いてます。採光が良く考えられていて、校舎内が自然光でとても明るい造りになっています。また、完全バリアフリーでエレベーターも付いています。そのあたりは新しくできた学校ならではといった感じでしょうか。そして、ニュータウンの開発とともに建てられた学校ですので、外観も街と調和のとれたものになっています。それは大きな特徴ではないかと思います。

学校での出来事が、心の中に原風景や原体験として残ってほしい

図書室
図書室

Q:教育方針、学校で力を入れていることを教えてください

「生きる力を育み心の故郷になる教育の実践を」というのを教育目標に掲げています。私の幼少時代には、近くに海があって田畑があって、そこで潮干狩りをしたり虫を捕まえて遊んだりといったことが、原風景、原体験として残っています。でも、最近の子どもたちはそういった環境や体験をなかなかすることができません。都会の中で育った子どもたちの中に、どういった原風景や原体験が残るのだろうと考えたときに、この小学校での出来事が、心の中に原風景や原体験として残れば良いなと思っています。そんな学校づくりを目指しています。

「ゆりのきミュージアム」の展示
「ゆりのきミュージアム」の展示

そのような流れで、先ほども少しお話ししましたが、「心の故郷プロジェクト」という取り組みを進めています。これも関わりのあることですが、子どもたちに愛校心を持ってもらおうと「ゆりのきミュージアム」という部屋をを昨年の2月に開設しました。会議室を利用して、学校の歩みや地域の歴史なども含めて掲示しています。そして、卒業生がこの教室にタイムカプセルを残していってくれています。子どもたちに寄り添った形で、心に残る体験活動が出来れば良いなと思っています。

これは先生方によく言うことなのですが、学年によってカラーも違いますし、毎年違う子どもたちと接するわけだから、去年と同じようなことをしていれば大丈夫とは思わないで欲しいと伝えています。子どもたちのことをしっかりと見て、その中で、様々な変化をもたせて色々な取り組みをしたいと思っています。

周辺地域の一つの特徴かと思いますが、知的好奇心の強い子どもが非常に多い印象です。小学校では現在、算数科の研究を進めており、基礎・基本を生かし子どもたちが興味関心を持って主体的に取り組む授業をめざしています。これまでに、校区内にある公園の面積を計測するといったことや図形の学習でオリジナルパズルを造るなど、子どもたちが実生活の中で、いかに算数の知識を応用するかということを大切にしています。

ナイナイ・ファイブ
ナイナイ・ファイブ

また、児童会の取り組みとして、「ナイナイ・ファイブ」というキャラクターを作って、「挨拶を無視しナイ」「廊下を走らナイ」「スリッパをちらかさナイ」といったきまりを守って安全で規則正しい生活を過ごす取り組みもしています。教師の言うことに対してはしっかり守れる真面目な子が多いのですが、ただ教師の指示を待つだけでなく、子どもたちが主体となって活動し、自主性を伸ばすということを目指しています。

小学校が地域のコミュニティを支える存在になれるように

明石市立大久保南幼稚園
明石市立大久保南幼稚園

Q:同じ敷地内に大久保南幼稚園がありますが、地域との関わりや交流について教えてください

明石市内では小学校と同じ敷地内に幼稚園があるところが多いです。昔は、小学校の校長が幼稚園の園長を兼ねているところもあり、その頃には職員の行き来や、行ことを合同ですることもありました。今では幼稚園も独立していて、そういう取り組みは減ってしまっています。文科省が進めようとしている小中一貫教育の観点からも、幼少の連携、小中の連携というのは今後の課題でもあります。実際、本校では6割から7割が「明石市立大久保南幼稚園」からの進学ですので、子どもたちの繋がりが深くなるのはもちろん、保護者同士の繋がりも深くなります。

地域との関わりですが、明石市では、学校内に「コミュニティーセンター」というのがあり、本校では体育館の脇にこと務所があります。子どもたちがいない時間は、学校施設を広く市民に開放しようという試みで、いわゆる地域の公民館のような役割を担っています。学校外の方々が会議に使ったり、文化教室をやっていたり、スポーツクラブがあったりします。夏休みには「コミュニティーセンター」の自治会やスポーツクラブが中心となって、運動場を使った「ふれあい祭り」が行われています。地域に住まわれている人たちが学校に集まり、ふれあう大切な一時を過ごすわけです。地域が一体となるとても大切な機会だと捉えています。

とても勢いのある街です

JR「大久保」駅前
JR「大久保」駅前

Q:最後に大久保エリアの魅力について教えてください

大久保エリアは少し足を延ばして南に行けば海岸があり、周辺には田畑が広がり大きなため池もあるので自然も豊かな地域です。一方、大型ショッピングゾーンがあり交通の便もよいので、とても便利で暮らしやすい街だと思っています。人口も年々増えていっていますので、今後も期待できる明石市の中で一番勢いのある街というイメージです。

明石市立大久保南小学校
明石市立大久保南小学校

明石市立大久保南小学校

校長 内藤 聡先生
明石市大久保町ゆりのき通3-1
TEL:078-918-5695
URL:http://scwww.edi.akashi.hyogo.jp/~el_okbs/
※この情報は2015(平成27)年12月時点のものです。

小学校での出来事が、子どもたちの心の故郷になるように/明石市立大久保南小学校 校長 内藤 聡先生
所在地:兵庫県明石市大久保町ゆりのき通3-1 
電話番号:078-918-5695
http://scwww.edi.akashi.hyogo.jp/~el_okb..