桜新町の子育てを心強くサポートする「子育てステーション桜新町」/淵浪のぞみさん、秋澤史枝さん
世田谷区内5カ所に整備されている、子育て支援拠点「子育てステーション」。なかでも「子育てステーション桜新町」は駅前の便利な立地にあり、日当たりのよい遊び場が確保された理想的な子育てサポートの場です。今回は、施設長の秋澤さんと世田谷区の子育て支援担当の淵浪さんに、こちらの施設が取り組む各種事業や世田谷区の子育てサポートの現状などを詳しくお聞きしました。
子育てファミリーが安心して遊び・預けられる場の提供を
――まず、「子育てステーション桜新町」の施設概要を教えてください。
淵浪さん:世田谷区内に5カ所ある、「あそび」「そうだん」「あずかり」「ほいく」の4つのサービスを提供する多機能型の子育て支援拠点「子育てステーション」のひとつです。東急田園都市線「桜新町」駅の北口を出てすぐのビルにあるので、お子さんを預けてそのままお出かけになる時も、お出かけのついでに遊びにいらっしゃる時なども、とても便利な立地です。
「あそび」機能である「おでかけひろば」は、主に0~3歳を対象にした室内遊びの場で朝9時~夕方17時まで年末年始を除いて毎日オープンしています。また「あずかり」機能である「ほっとステイ」では、定員10名まで、世田谷区にお住まいの4ヶ月~未就学のお子さんの一時預かりに対応しています。病院への通院や上のお子さんの学校行事などはもちろん、美容院やお友達との食事などリフレッシュのためなど、理由は問わずにお預かりできるので、みなさん気軽に利用してくださっているようです。
このほか、「そうだん」機能として施設1階に「発達相談室」があり、18歳未満の発達に心配があるお子さんについて、専門スタッフへの無料相談ができます。そして4階にある認証保育所「ポピンズナーサリースクール桜新町」が、「ほいく」の機能になっています。
「ここがあってよかった」という嬉しい言葉に支えられて
――「おでかけひろば」には多くの親子が集っていらっしゃるようですね?
秋澤さん:はい。普段は1ヶ月あたり700~800組ほど、真夏や真冬の外遊びが厳しい季節では1000組ほどの親子が遊びに来てくれます。土日の週末も開いているため、お父さんがお子さんを連れていらっしゃるのが多いのも特徴的ですね。周囲のお母さんたちとも仲良くなって、イベントの情報などを共有していらっしゃったりして、なかなかの“育メン”ぶりです。
2~3歳になれば公園などで活発に遊べますが0~1歳のお子さんだと自宅以外で遊ぶのがなかなか難しい時期です。そんな時期でも、この「おでかけひろば」は安心してご利用いただけます。赤ちゃん連れの親子が中心で、ママたちが集まって初対面でも仲良くなっている様子をよく見かけます。家で子どもと過ごしていると、「うちの子はどうしてこんなに泣くのかしら」「どうしてまだハイハイしないのだろう」と悩んでしまうことでも、ここで他のお子さんを見るだけで「うちの子と同じだ」と安心できたり、ママ同士で話しをするだけで気持ちがスッキリしたりすることもありますよね。ふらりと遊びに来てくださる方も多いですし、ベビーマッサージやリトミックなどのイベントを目当てに訪れてくれる人もいます。
――お母さんたちの反応はいかがですか?
秋澤さん:毎日のように訪れてくださる方もいて、「ここがあってよかった」「誰かと話しができて嬉しかった」と言ってくださる方も多いです。まだ話もできない赤ちゃんのお世話は重労働なうえに、夜もゆっくり寝られなかったりと、本当に大変です。家で2人きりで煮詰まる前に、ここに来て一息ついてもらいたいと思います。ベビーマッサージのイベントの際も、輪に栄養士が入って自然に離乳食の話をしたり、保育士が相談にのることもあります。この場所を利用して少しでも気持ちを楽に楽しく育児ができるようになっていただければと考えています。
――駅前の立地でお子さんを預けられると、便利でいいですね。
秋澤さん:「ポピンズナーサリースクール」に毎日預けられている方も、「ほっとステイ」を一時的にご利用される方も、電車やバスにすぐ乗れる立地なので時間のロスがなく便利にご利用していただけると思います。「ほっとステイ」は、1日で10名までのお預かりができるのですが、0歳児は定員が2名だけなので、すぐに予約でいっぱいになってしまうほどの人気。やっぱり赤ちゃんを育てているお母さんは精神的にも肉体的にも大変で、少しくらいは子どもと離れる時間も大切なのだと感じますね。
「ほっとステイ」は0歳と1歳~の料金体系が異なっており、0歳は1時間あたり900円となっています。1歳以上ですと2時間まで1,250円、3時間まで1,850円、4時間まで2,500円です。利用には事前登録が必要です。
温かく子育てに寄り添う地域の心が生む「おでかけひろば」
――世田谷区は区全体に「おでかけひろば」がたくさんあるようですね。
秋澤さん:普段は桜新町にいらっしゃっている方でも、日を変えて「今日はあちら、明日はこちら」という風に色々な「おでかけひろば」を訪れる親子が多いようです。つまり気軽に遊びに行くことができる距離に、それだけ「おでかけひろば」が複数あるということ。子育て中のファミリーをサポートしたいという世田谷区の前向きな取り組みが感じられて、嬉しいですよね。
淵浪さん:世田谷区では、「第2期世田谷区子ども計画(平成27年度~36年度)」に基づき、子育て中の親子が気軽に立ち寄って交流ができるとともに、子育て相談や子育て情報の提供を通して、子育てに対する不安の解消や負担感の軽減、地域の子育て支援機能の充実を図る事業である「地域子育て支援拠点事業」の計画的な整備を進めています。平成30年度は新たに4箇所が仲間入りします。
集まるママ同士はもちろん、地域の方々ともつながることで顔見知りが増え、街で会っても挨拶をするようになったり、子育ての相談をしたり、地域で子育てをする土壌ができるといいなと考えています。
――世田谷区で力を入れている子育て施策があれば、教えてください。
淵浪さん:2016年(平成28)年7月にスタートさせた、「世田谷版ネウボラ」です。各総合支所のネウボラ・チーム(保健師、母子保健コーディネーター、子育て応援相談員)が中心となって、妊娠期から就学前までの切れ目ない相談と支援の体制を整え、安心して楽しみながら子育てできる環境づくりを進めています。妊娠中にすべての妊婦さんを対象に、ネウボラ・チームが妊娠期面接を行い、赤ちゃんを迎える準備などについて、お話ししながら一緒に考えます。面接は、インターネットでも予約できますし、限定的ですが、土曜日にも面接を行っています。また、妊婦さん1人だけでなく、ご家族やパートナーの方と一緒の相談も歓迎です。妊娠期面接を受けた方には、地域の親子の交流や子どもの預かりなどの産前・産後サービスに利用できる「せたがや子育て利用券」(額面1万円分)をお渡ししています。
妊娠期面接後も、出産・育児などの不安や悩みをネウボラ・チームに相談できるので、いつでも同じチームに相談できる安心感を持っていただけると考えています。また、「おでかけひろば」のように地域での子育てを応援する多様な取組みとも連携しながら、子どもと子育てにあたたかな地域社会を築いていきたいと考えています。
静かで落ち着いた街で育む、子育て中の幸せな時間
――この桜新町地区の魅力について教えてください。
秋澤さん:普段から落ち着いた街だと感じます。都心に出るにも便利なのに、静かで住みやすいという魅力が大きいですね。また「おでかけひろば」にいらっしゃる方もオープンな方が多くて、すぐお友達がつくれる雰囲気もあると思います。教育にも熱心な方も多く、こちらにいらっしゃるお母さんでも、赤ちゃん期を過ぎると幼稚園に入れる際のプレスクールや幼児教室のお話で盛り上がるようです。子どものために時間をかけて遊び場を見つけたり、お教室を探したり、時間の使い方が上手なお母さんが多いという印象です。
淵浪さん:桜新町は、この子育てステーションをはじめ、周辺に新町児童館や弦巻児童館があり、そちらの「子育てひろば」に遊びに行ったり、「親子サークル」に参加することもできる選択肢が広い地区だと思います。
――これからここに住む方へのメッセージをお願いいたします。
秋澤さん:子育てをしていると、なかなか「子育ては楽しい」と思えないこともあるでしょう。育児中は疲れてしまったり、心配が重なったり、悩むこともあると思います。でも子育てをしている時期は、本当に幸せな時間です。ここに来れば、私たちスタッフがいつでも寄り添い、一緒に考えることができます。ひとりで抱え込まずに、みんなで一緒に育ち合えたら嬉しいです。ほっとする安心できる場所へ、ぜひ遊びに来てくださいね!
子育てステーション桜新町
世田谷区子ども・若者部子ども家庭課 淵浪のぞみさん(左)
子育てステーション桜新町施設長 秋澤史枝さん(右)
所在地 :東京都世田谷区桜新町2-8-1 世田谷目黒農協本店ビル1F・4F
電話番号:03-5426-2203
URL:http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/…
※この情報は2018(平成30)年4月時点のものです。
桜新町の子育てを心強くサポートする「子育てステーション桜新町」/淵浪のぞみさん、秋澤史枝さん
所在地:東京都世田谷区桜新町2-8-1 世田谷目黒農協本店ビル1F・4F
電話番号:03-5426-2203
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日・祝日・年末年始
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/1..