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「江戸川区立第三松江小学校」インタビュー

子供たちの笑顔のために。地域、保護者、おやじの会、学校が一丸となって取り組む「江戸川区立第三松江小学校」の教育活動

2017(平成29)年3月に新校舎が竣工した「江戸川区立第三松江小学校」
2017(平成29)年3月に新校舎が竣工した「江戸川区立第三松江小学校」

2018(平成30)年に、開校より60周年を迎えた「江戸川区立第三松江小学校」。「江戸川区役所」や「中央図書館」、「総合文化センター」など行政・文化施設のある地域の学校で、2017(平成29)年3月に新校舎が竣工し、新たな学校運営がスタートしている。学校のすぐそばには江戸川区を象徴する親水公園が整備され、水と緑の溢れる自然に恵まれた環境も魅力的だ。今回は着任して2年目を迎える武内広明校長を訪ね、学校の特色ある活動や地域の魅力についてお話を伺った。

開校より60周年を迎えた歴史ある「江戸川区立第三松江小学校」

――「江戸川区立第三松江小学校」の概要、歴史について教えてください。

武内校長:「第三松江小学校」の歴史は「大杉小学校」の分校として開校したのが始まりで、「江戸川区立第三松江小学校」という名称になったのは1958(昭和33)年のことです。昨年がちょうど節目となる60周年で、記念式典を行いました。

学校の特色としては、「江戸川区役所」や「江戸川区総合文化センター」など行政・文化施設が点在し、行政の中心地にあるという地域性が挙げられると思います。また現在の校舎は2017(平成29)年3月に竣工した新しい校舎で、現在は特別支援学級を含む22学級614名の児童が学校生活を送っています。例年、各学年100名前後の3学級で運営してきたのですが、今年の新1年生は133名と人数が多く4学級編成で運営しています。

小学校は「江戸川区総合文化センター」「中央図書館」に隣接する恵まれた立地
小学校は「江戸川区総合文化センター」「中央図書館」に隣接する恵まれた立地

「子供の笑顔が輝きあふれる楽しい学校」を目指して

――教育目標について教えてください。

武内校長:学校のホームページからも「学校経営方針」をご覧いただけますが、まず本校の目指すべき学校像として、「子供の笑顔が輝きあふれる楽しい学校」、「教職員が教えることの喜びに満ちた学校」、「保護者、地域から信頼され愛される学校」の3つを掲げています。

広々とした見通しのいい廊下
広々とした見通しのいい廊下

2つ目の「教職員が教えることの喜びに満ちた学校」というのは、場合によっては外に向けて発信することでは無いのかも知れませんが、働き方改革をはじめ教職員もさまざまな変化を求められている今、教師も喜びをもって仕事ができないと、学校は上手く循環していかないと思っています。子どもたちが学校に来て楽しく過ごせているというのが一番大切なのはもちろんですが、そういうことも含めて保護者や地域の方から信頼され愛される学校でありたいと思っています。

また教育目標は、「思いやりのある子(思いやりの心を大切にする子を育てる)」、「進んで学習する子(豊かに考え、深めていく子を育てる)」、「仕事をやりぬく子(責任をもって最後までやりぬく子を育てる)」、「体をきたえる子(明るく活発に運動に取り組む子を育てる)」の4つで、〈学力向上〉と〈体力向上〉の両輪でさまざまな取り組みを行っています。

教育目標
教育目標

多様な教育ニーズに応える新校舎が2017(平成29)年3月に竣工

――新校舎の特徴や設備について教えてください。

武内校長:2017(平成29)年3月に竣工した新校舎ですが、災害時における地域の避難施設として、太陽光発電やマンホールトイレといった機能を備えており、屋上緑化や雨水利用など、環境に配慮したエコな建物であることも特徴ですが、教育施設として、これからの時代の多様な教育ニーズに応えられるようなさまざまな工夫が盛り込まれていることが一番の特徴です。

太陽光発電のためのソーラーパネル
太陽光発電のためのソーラーパネル

例えば、少人数で使える学習室が設けられていたり、普通教室は廊下と教室の間の壁を無くし、多目的で利用できるオープンスペースが広く設けられたりしています。学級単位ではなく、学年で集まって話をするような時は特に便利ですし、スライド式の扉もあるため、必要に応じて閉めることもできます。

一方、低学年の普通教室には壁が設けられていて、年齢に応じた学習環境の設計も生かされていますし、教室内で生活が完結するよう水飲み場が設置されているのも特徴です。

図書室の蔵書も充実
図書室の蔵書も充実

また新校舎を建てる上で、地域に開かれた地域交流の場、地域のみんなで使える学校というのがテーマにあったのですが、正門にある広い階段を2階に上がると“地域開放玄関”というのがあり、そこから体育館や音楽室、家庭科室が利用できるようになっています。

個人情報を扱う職員室や、子どもたちのいる普通教室を通らずに施設を利用できるようなつくりで、週末も職員が出勤してカギの開け閉めをする必要なく、バスケやバレーボール、ダンスなど、さまざまな地域の団体が活動しています。また家庭科室では毎月子ども食堂の「ぬくもり子ども食堂 NUKUNUKU」が開催されていたり、音楽室では音楽家によるイベントも行われたりしています。

正門にある階段から体育館や音楽室を利用できるつくり
正門にある階段から体育館や音楽室を利用できるつくり

さらに先日の台風19号の時は、地域の防災拠点としておよそ760名の方が避難所として本校を利用しました。“地域開放玄関”から入るとすぐに体育館があり、体育館がいっぱいになった後は廊下もご利用いただいたのですが、普段子どもたちが生活する普通教室とは導線が分かれていたので復旧も早く、災害時でも安心して過ごせる施設だと実感しました。

防災拠点として活用された実績のある体育館
防災拠点として活用された実績のある体育館
校内の様子
校内の様子
校舎から見た風景
校舎から見た風景

すべては子供たちの笑顔のために。「三松小おやじの会」の存在

校舎横の花壇
校舎横の花壇

――地域の魅力について教えてください。

末松副校長:着任して何よりびっくりしたのは、本校の「三松小おやじの会」です。「すべては子供たちの笑顔のために」をテーマにした組織で、今年2019(令和元)年でちょうど20周年を迎えました。

先日、20周年の記念パーティーが「グリーンパレス」であり、OBも含めて100人くらいの参加者が集まり式典が行われました。年間で3回、“おやじ3大行事”という3つのイベントがあります。おやじ考案の競技にチャレンジする「おやじんピック」、秋に行われる「学校宿泊会」、そして2月の「おやじランド」という3つのイベントです。

「学校宿泊会」というのは他の学校でも行われているイベントのひとつで、通常泊まりに来るのは50名前後だと聞いているのですが、本校の参加者は400人もいるんです。校庭にテントが並び、おやじたち手作りのカレーを食べたり、肝だめしやイベントを楽しんだり、もちろん安全面の対策や就寝時の見守りなども含め、お母さんたちの姿は無く、すべておやじたちによって運営されます。

「学校宿泊会」では、校庭一面にテントが並ぶ
「学校宿泊会」では、校庭一面にテントが並ぶ

また卒業したばかりの中学一年生は“こやじ”として、“おやじの会”の手伝いに来るんです。いろんな出しものをやったり、小さい子の面倒を見たり。実は、本校の卒業生は20歳になると“おやじの会”のメンバーと成人を祝うといった伝統もあって、3月31日にお世話になった“おやじの会”のメンバーと対面するんです。その繋がりにはびっくりしました。

根底には「すべては子供たちの笑顔のために」という思いがあるのですが、みなさんそれぞれ会社員や公務員などお仕事がある中で、集まりやイベントの時には嫌々来ているというよりむしろ使命感に突き動かされている感じですね。ただ集まって飲むような会ではないんです。本当に真面目な会で、子供たちのためにと考えて動いているのが凄いと思います。

地域の魅力というのも色々な側面があるかと思いますが、私は本校の“おやじの会”の存在がひとつの魅力だと思います。

地域の憩いの場として親しまれている親水公園

周辺住民の憩いの場「小松川境川親水公園」
周辺住民の憩いの場「小松川境川親水公園」

――学校周辺や江戸川区内のおすすめのスポットがありましたら教えてください。

武内校長:江戸川区には昔の用水路がキレイに整備されて子どもが遊べるようになっている親水公園が5つあります。夏はそこで水遊びをしたり、ザリガニを捕ったりと、江戸川区を象徴する光景のひとつです。

本校のすぐそばにも「小松川境川親水公園」があり、自然環境に恵まれているのどかな雰囲気です。プールを使わない今頃の時期になると、4階の屋上にあるプールに鴨が来ることもあります。このあたりは江戸川区の行政の中心地ではあるんですが、高いビルが建っているわけでもありませんし、図書館や文化センターといった文化的な施設があり、水や緑のある自然にも恵まれたバランスの良い地域ですね。

学校周辺でパンフレット等に必ず載るのは「東小松川公園」ですね。「グリーンパレス」の横にある公園で、夏になると浮き輪を持って水場で遊ぶ子どもがいたり、水が流れる岩場で遊んだりと地域の憩いの場になっています。

水と緑に恵まれた新小岩エリア
水と緑に恵まれた新小岩エリア
 

■今回お話を聞いた方

江戸川区立第三松江小学校
武内広明 校長先生 末松睦士 副校長先生
所在地:東京都江戸川区中央4-13-1
電話番号:03-3653-5348
URL:http://edogawa.schoolweb.ne.jp/matsue3-e/
※この情報は2019(令和元)年12月時点のものです。

子供たちの笑顔のために。地域、保護者、おやじの会、学校が一丸となって取り組む「江戸川区立第三松江小学校」の教育活動
所在地:東京都江戸川区中央4-13-1 
電話番号:03-3653-5348
http://edogawa.schoolweb.ne.jp/matsue3-e..




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