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ミルデリス 店主インタビュー

小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から北に歩くこと数分。「ウルトラマン商店街」の一角にあるベーカリー「ミルデリス」は、2016(平成28)年12月にオープンした商店街のニューフェイス。緑の木々が右手に並ぶ辺りの左手に、新しい一戸建ての建物があり、そこが丸ごとベーカリーになっている。

店内にはイートインスペースもあり、レジ前のわずかなスペースにかわいらしいパンたちが所狭しと並んでいる。セルフではなくあえて対面販売の形をとっているのは、「お客さんとの対話を大切にしたい」という想いから。「地域の人のために、毎日安心して食べられるようなパンを焼き続けたい」と笑顔を見せるのは店主の若林真貴さんだ。今回はそんな若林さんにこのお店への想い、そして千歳台という街の魅力についてお話を伺った。

ミルデリス 若林真貴さん
ミルデリス 若林真貴さん

――お店の概要と、この地を選んだきっかけについて教えてください

若林さん:お店は2016(平成28)年の12月にオープンしました。お店のコンセプトみたいなものは特にないんですけれども、このエリアにお住まいの方に日常的に使っていただけるようなパン屋を目指しているので、パンの種類もあまり狭めずに食パンや菓子パン、ハード系のパンなどいろいろな種類広くそろえるようにしています。

私自身は、もともと「濱田家」という世田谷のパン屋で長く働いていたので、自分でお店をオープンするなら、なじみのある世田谷区内が良いなという想いもあり、お店を探し始めました。でも実は最初の頃はこの「祖師ヶ谷大蔵」という駅は、全然考えていなかったんです。というのも、それまで小田急線自体をほとんど使ったことがなかったので。

でも、いろんなエリアを探して回っている中で、初めてこの街を訪れて、「商店街の雰囲気がすごくいいな」って思いましたね。当時は田園都市線とかを本命で考えていたので、「ここのあたりも良いかな」ぐらいの気持ちでしたけれど。

でも、ある時に不動産屋さんが「パン屋用の物件が出たよ!」ってお話をくださって、ここを紹介してくださったんです。そしたら、新築の物件で、店の前には緑があるし、窓もたくさんあって、天井も高いし、「もうここしかない!」って思いました。この街自体は1回来たことがあっただけで、ほとんど何も知らない街だったんですけれど「ここでやってみよう」って決めました。

「ミルデリス」という店名は、フランス語で「おいしいものがたくさん」という意味なんですが、現地では「たくさんの幸せ」という意味でも使われているそうです。その話を知って「すごく素敵な言葉だな」と思いました。このお店に来て下さる方々に「たくさんの幸せ」を感じていただければ、という想いを込めて店名としました。

店内内観
店内内観

――お店の雰囲気づくりについて、工夫している点は何ですか?

若林さん:対面販売にするというのは最初から決めていました。それはやっぱりお客さんとのふれあいや、会話を大事にしたいと思ったからですね。内装については、せっかく天井が高い建物ですから、あまりゴチャゴチャさせないように心がけて、装飾なども極力控えめにしています。

対面販売を心掛ける
対面販売を心掛ける

――パンのこだわりポイントを教えてください

若林さん:「丁寧に作る」とか「素材をちゃんと吟味する」といったことは、もう当たり前のことだと思っているので、ほかに気を付けている点といえば、商品ひとつひとつの「バランス」でしょうか。大きさにしても味にしても、それぞれのパンには、最適なバランスがあると思うんです。なので、そのバランス感覚はとても大事にしていますね。

ひとつひとつのバランスを考える
ひとつひとつのバランスを考える

――おすすめのパンを教えてください

若林さん:うーん。「おすすめは全部!」と言いたいところですけれど、あえて言えば黒糖の生地を使ったパンですね。「黒糖パン」というのは他でもあると思うんですが、それを菓子パンにしているのは珍しいと思います。うちではクリームパンとか、メロンパンとか、あんぱんにも、黒糖の生地を使っています。

とは言っても、すごく黒糖の風味が強いわけではなくって、これも「バランス」を考え、クリームやあんこに合うように全体の甘さも工夫をしています。中でもクリームパンはかなり人気が高いパンなんですが、カスタードにきび砂糖を使っていたりして、全体的にまろやかな甘さにまとまっていると思います。

他には、やっぱり「食パン」が人気ですね。食パンは普通の白い生地で作っていますが、生地にはちみつを使っているのでしっとりしていて、好評をいただいています。予約をして毎週買いに来られる方も多い商品ですね。

定番以外にも、季節限定のパンもいくつか用意しています。これから春になれば、去年も出して好評だった「菜の花としらすのタルティーヌ」も出そうと思っていますし、桜を使ったパンなども予定しています。ほかにも去年の秋に出した「栗とコーヒーのデニッシュ」はとても人気でした。

さまざまなパンが並ぶ
さまざまなパンが並ぶ

――■普段はどんなお客さんが来られていますか?

若林さん:平日に関しては、近隣の方がほとんどですね。特にお子様連れのお母さんたちと、ご年配のおじいちゃん、おばあちゃんの層の方が多いです。店の正面はちょっとだけ階段になっているんですが、横にある入口はバリアフリーなので、ベビーカーでもそのまま入っていただけるんです。それもお子様連れの方が多い理由かもしれません。

土日になると、初めての方や、少し離れた場所、たとえば駅の反対側の砧の辺りの方なども、けっこう来ていただいているという印象です。もう1年以上ここにあるんですが、「久しぶりにこっち側に来たけれど、いつの間にできたの?」みたいなことは、1日に何回も聞かれますね(笑)。

横にある入口はバリアフリー
横にある入口はバリアフリー

――最後に、祖師ヶ谷大蔵の魅力について教えてください

若林さん:私は駅の南の砧に住んでいますが、まだ来て1年ちょっとなので、あまり地域のことはわかっていないかもしれないです。ただ、お客さんに関していえば「すごく優しい方が多いな」ということを感じています。本当にみなさん良い方ばっかりで、気持良くお店をやらせていただけていることはとてもありがたいです。

あとは、「通りがうるさくない」というのもお気に入りです。人はたくさん歩いていてにぎやかなんですけれども、うるさくはないんです。そんなところも好きなポイントですね。

丹精にパンを作る
丹精にパンを作る
若林真貴さん

ミルデリス

オーナー 若林真貴さん
所在地 :東京都世田谷区祖師谷4-23-17
電話番号:03-6885-3523

URL:https://twitter.com/mille_delices
※この情報は2018(平成30)年3月時点のものです。

ミルデリス 店主インタビュー
所在地:東京都世田谷区祖師谷3-1-17 




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