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江戸三大祭りの舞台「深川の八幡様」

江戸を支える深川ならではの「情」と「粋」/富岡八幡宮 広報・松木さん

富岡八幡宮 広報・松木さん

江戸を支える深川ならではの「情」と「粋」

江戸最大の八幡神社・富岡八幡宮。深川の歴史と情緒が最も感じられる場所だ。ここで開かれる「深川八幡まつり」は、赤坂の日枝神社の「山王祭」、神田明神の「神田祭」ととも に「江戸三大祭」の一つに数えられている。日本最大の豪華な神輿でも有名だ。富岡八幡宮で広報などを務める松木さんに、深川ならではのお祭りの良さを伺った。

江戸三大祭りの一つに数えられる富岡八幡宮の「深川八幡まつり」。 深川ならではの良さ。特徴を教えてください。

祭りの風景その1

まず、「ワッショイ」という掛け声。伝統的な掛け声で、徐々に「セイヤ セイヤ」などに変わったとこ ろも多いのですが、深川はかたくなに「ワッショイ」を守っています。「和を背負う」という意味から来ています。

祭りの風景その3

もうひとつ、深川八幡まつりは「秩序」を大切にしている祭りということ。 神輿のスピード、距離感が一定で、整然とした「統制感」があります。秩序と伝統を尊ぶお祭りで、このお祭りの誇るべきところです。あとは何と言っても水かけ。特にトラックからの盛大な水かけはクライマックスです。沿道の人たちもバケツで参加できるので、どんどん参加してください。

深川八幡祭りの神輿について教えてください。

迫力のお神輿

各町で、大小合わせて120数基の町神輿があり、毎年それぞれ出されています。 その中から大きな神輿だけが50数基勢揃いするのが3年に一度の本祭りです。また富岡八幡宮の参道には「日本一の黄金神輿」である「御本社神輿」を収納している神輿庫があります。 当宮の御本社神輿は2基ございまして、一の宮が高さ約4m39cm、 重さ約4.5トンと日本一の大きさと豪華さを誇ります。屋根は純金、鳳凰や狛犬の目にはダイヤなど宝石がふんだんに使われています。二の宮はそれより一回り小さいですが、同じように豪華で見応えも充分です。 この豪華な神輿をご覧に参拝に訪れる人も多いです。またこの他に戦前に製作された鳳輦(ほうれん)という乗り物があり、三年に一度の本祭りの年に神様をお遷しして巡幸しています。

3年に1度の本祭りと通常のお祭りとの大きな違いは何ですか?

神事

お祭りとは、「神様にお供えをして感謝と祈りを捧げ る」神事のことを指します。実は毎日「まつり」は行われているのです。で、年に1度や3年に1度の大きなお祭りは、日々のまつりからお供え物や人員を増やして盛大に行うのです。ですので、実は大盛り上がりのお神輿よりも、8月15日の「例祭」が本当の主役。この日は八幡さまにお供えをし、巫女さんが舞を舞って、厳粛に行われます。8月15日の例祭だけ厳密に 日時が決まっていて、神輿の渡御などは毎年その日に近い土日に行われるようになっています。

御鳳輦

3年に1度だけ行われるのは「神幸祭(しんこうさい)」と言って「鳳輦(ほうれん)」という「八幡さまが乗る神輿」の渡御が行われることです。今は御鳳輦をトラックの荷台に乗せて氏子地域一帯を周り、氏子の繁栄を願います。富岡八幡宮の氏子地域には、お台場や有明地域も入るので、とても広い範囲を巡ります。 そしてその翌日に、みなさんが一番盛り上がる神輿連合渡御が行われます。これは前日の神幸祭で町々に八幡様が来てくれたことへの感謝の気持ちが込められています。3年に1度、50数基の神輿が勢揃いして一列に並ぶのは壮観です。

深川の街の人たちはどのようにお祭りと関わっているのでしょうか?

お神輿を担ぐ人々

各町から「神輿総代(みこしそうだい)」が選ばれています。総代は全員で330人くらいいます。総代たちは、年間を通じて、祭りのために月に一度のペースで会合を開いています。例祭のために3年前から準備しているのです。事故がなく、統制がとれているのは、総代さんたちの結束力のおかげです。絆があるから、秩序があるんです。

富岡八幡宮

総代さんたちの下に、「睦会(むつみかい)」「青年部」「婦人会」「子ども会」などが町会ごとにあって、みんなで総代を支えます。町会に入るのは簡単ですから、ぜひ参加してほしいです。祭り以外にも、盆踊りや餅つきなどいろんな行事があるんですよ。いつでも歓迎してくれると思いますよ。

3年に1度の神輿連合渡御の見どころ、ポイントを教えてください

宮神輿渡御

まず、大御輿50数基が永代通り・八幡宮前に集結します。出発の花火が鳴ると、連合渡御がスタートして、一基、一基がわっしょいの掛け声のもと、勇ましく出発します。神輿の順番は総代たちさんがくじ引きで決めています。その後各所で差し上げ、舞い上げといった技を見せながら勇壮に渡御していきます。 永代橋は午後最初の見どころです。ここから木遣り歌、手古舞がついて神輿の渡御を先導します。その次は倉庫街ならではの佐賀町名物「トラックからの豪快な水かけ」。さらに永代出張所前では消防団による滝のような放水、八幡宮のそばまで戻ってくると、宮本のトラックからの水かけが待ち受けています。渡御は約8キロで、最後は手締めによって3年に1度の連合渡御はお開きとなります。

深川という場所ならではの魅力を教えてください。

祭りの風景その4

江戸時代、深川には男勝りの気風が生まれたと言われます。深川から品川までの湾岸は「江戸前」と呼ばれる地域です。だから漁師さんや材木店など職人さんが多いです。隅田川沿いの佐賀町の方は昔から水路を使った倉庫街でした。深川は「江戸の暮らしを支える町」でした。そのため、人情に厚く、職人ならではの男っぽい「粋」というのがあって、それは女性にも当てはまるようになりました。そんな風情は今でも深川ならではですね。

縁日・骨董市について

人情通り

毎月1日・15日・28日に、皇室国家の弥栄と氏子崇敬者の皆様の繁栄を祈る「月次祭」が行われます。どなたでも参列できますよ。月次祭の日に行われる縁日は、八幡宮・深川不動堂を中心に大変賑わいます。憩いの場としてどんどん集まってほしいです。また15日、28日にはフリーマーケット、毎週日曜日(但し第三日曜日は休会)には骨董市が行われ、関東近県でも大きな市の一つになっています。富岡八幡宮は「相撲」との縁が深く、横綱・大関の力士碑など見どころがたくさんあります。神社についてよく分からなくても、いろんな行事を楽しみに来てください。

 

今回、話を聞いた人

富岡八幡宮/広報・松木伸也さん

広報の役割もしています。お宮参りや七五三、結婚式などさまざまな行事に関わっています。

富岡八幡宮
http://www.tomiokahachimangu.or.jp/
※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

江戸を支える深川ならではの「情」と「粋」/富岡八幡宮 広報・松木さん
所在地:東京都江東区富岡1-20-3 
電話番号:03-3642-1315
http://www.tomiokahachimangu.or.jp/




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