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国際的なアート・カルチャー都市へ。多数の再開発事業でさらなる進化が注目される池袋エリア。

『豊島区国際アート・カルチャー都市構想』に基づき、持続的に発展する都市づくり

「池袋」駅は、8路線が集まり1日約268万人の乗降客を誇る都内有数の巨大ターミナルだ。駅周辺には「東武百貨店 池袋店」や「西武 池袋本店」など多くのショッピング施設が集まり、ショッピングタウンとしても賑わう。 1日約250万人が利用するビッグターミナル「池袋」駅1日約268万人が行き交う巨大ターミナル「池袋」駅

住みたい街、住み続けたい街を目指す、豊島区の新たな取り組み『豊島区国際アート・カルチャー都市構想』(出典:豊島区HP)

また、「東京芸術劇場」や「サンシャイン劇場」など文化施設が多いことも特徴で、近年はサブカルチャーの発信地としても注目を集め、海外から訪れる人も増えているという。 こうした背景もあり、2015(平成27)年には豊島区が『国際アート・カルチャー都市構想』を発表。翌2016(平成28)年には、実現戦略を策定し、その中で「持続発展都市」を目指したまちづくりを推進しています。 国際・アートカルチャー都市のコンセプト(出典:豊島区『国際アート・カルチャー都市構想』平成27年6月増刷版)


新たな都市づくりの主要舞台となる池袋で進む複数の再開発プロジェクト

その主な舞台となるのが、豊島区を代表する交通の要衝であり、商業・文化の中心地である池袋だ。新たな文化拠点の整備などを進め、既に一部の施設は完成を迎え、現在も複数の再開発事業が進行している。 「池袋」駅東口では「豊島区役所」の新庁舎などが入る「としまエコミューゼタウン」が2015(平成27)年に誕生した。庁舎回廊はミュージアムになっているほか、多彩なイベントにも使われる「としまセンタースクエア」もあり、文化の発信拠点としても機能している。 「豊島区役所」などが入る「としまエコミューゼタウン」「豊島区役所」などが入る「としまエコミューゼタウン」 「国際アート・カルチャー都市構想」の一端を担う施設として、国内最大のスクリーンを持つシネマコンプレックス「グランドシネマサンシャイン」などが入る「キュープラザ池袋」も2019(令和元)年7月にオープンした。「池袋」駅東口では2019(平成31)年4月に「ダイヤゲート池袋」も開業。1階と2階にショッピング施設が誕生したほか、にぎわい創出の場として2階にデッキ広場も設けられた。 Hareza池袋全体_夜_鳥瞰図(豊島区)“「ハレザ池袋」完成イメージ(全体 夜 鳥瞰図)(提供:豊島区) 「キュープラザ池袋」の近接地では「豊島区役所」庁舎跡地などを利用して「ハレザ池袋」の開発も進められている。「ハレザ池袋」は2019(令和元)年秋の1,300席の「東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)」オープンを皮切りに、2020(令和2)年5月には1,700席10スクリーンのシネマコンプレックス「(仮称)TOHOシネマズ池袋」が誕生予定。2020(令和2)年7月の「新区民センター」完成でグランドオープンを迎える。「中池袋公園」もリニューアルし、アニメ関連を中心としたイベント開催するなど「国際アート・カルチャー都市」のシンボルとなる予定だ。 中池袋公園 完成イメージ(提供:豊島区)中池袋公園 完成イメージ(提供:豊島区)

防災公園 完成イメージ(豊島区提供)「防災公園」 完成イメージ(提供:豊島区)

「造幣局東京支局」跡地には、屋外コンベンション、ペットイベント、スポーツイベントなどにも利用できる「防災公園」が2020(令和2)年春に開園、「東京国際大学」の新キャンパスが2023(令和5)年9月に開校する予定になっている。この造幣局跡地を含む東池袋地区には木造住宅が密集するエリアもあり、防災の観点からも、住宅の建て替えや不燃化が急務となっていた。このため東池袋五丁目には地上20階のタワーマンションが2019(平成31)年3月に竣工、同四丁目付近では36階建ての超高層ビルが2022(令和4)年4月に完成予定など、市街地再開発事業が進められている  

「池袋」駅西口には野外劇場が誕生

「池袋」駅西口でも「国際アート・カルチャー都市」の実現に向け、多くの開発が進められている。2018(平成30)年6月にオープンした「ドン・キホーテ池袋駅北口店」では従来のドン・キホーテならではの演出に加え、国内外の観光客に向けたイベントを開催するなど、アミューズメント性が強化された。
池袋駅東西デッキ(豊島区提供)東西デッキ整備イメージ (出典:豊島区「池袋駅東西連絡通路(東西デッキ)整備基本構想」)

駅西口では、2015(平成27)年に「池袋駅西口地区市街地再開発準備組合」が設立され、東武百貨店などを含む約5.9haを対象に、大規模な複合開発を検討している。 ※左のイメージ画像について:個別施設のレイアウト及び通路幅員等の形状や位置は、現段階における素案であり、確定したものではない。今後、権利者・関係者と協議し計画を進めている。(資料:豊島区) 2019(令和元)年11月にリニューアルが完成する予定の「池袋西口公園」イメージ2019(令和元)年11月にリニューアルが完成する予定の「池袋西口公園」イメージ(提供:豊島区)この計画に先駆けて行われているのが、2019(令和元)年11月にリニューアルが完成する予定の「池袋西口公園」だ。 隣接する「東京芸術劇場」と連携した劇場空間となり、オーケストラやミュージカルも可能な舞台装置、パブリックビューイングなどに利用できる大型ビジョンも用意される。「2020年東京オリンピック・パラリンピック」でもここでパブリックビューイングが開催される予定だ。 また、東武鉄道は沿線価値創出などを目的に、この再開発事業と連動して整備を進めていく予定で、池袋駅を3面3線から2面4線化する構想も発表している。 今後詳細が明らかになってくる駅西口周辺の開発計画、「池袋」駅周辺の移動の利便性向上が期待される。  

公園のリニューアルで「池袋」駅周辺全体が「劇場都市」へ

「池袋」駅周辺では「南池袋公園」のリニューアルも2016(平成28)年に完成している。「南池袋公園」では新たな公園の使い方として、特設能舞台を活用した薪能や民族舞踊などが開催され、注目されるようになった。さらに、「南池袋公園」では、市民のステージとして、日常的に楽しみのある空間を目指し、これまでにウェディングや野外シネマ、同公園とグリーン大通りを会場としたマルシェなどが行われた。 「南池袋公園」で開催されたイベントの様子「南池袋公園」で開催されたイベントの様子(提供:豊島区)今後もこのような取り組みを進め、「池袋」駅周辺の公園を中心に“まち全体が舞台の劇場都市”をコンセプトに、土日祝日には誰もが参加できる多彩なイベントを随時開催することになっている。

『公園が街を変える!「池袋駅周辺4公園」の整備』(出典:豊島区2017年3月発行 広報パンフレット)
「池袋副都心移動システム(電気バス)」(提供:豊島区役所)「池袋副都心移動システム(電気バス)」(提供:豊島区)

また、「池袋」駅周辺の公園を結ぶ電気バスが2019(令和元)年11月から運行開始される予定で、イベント巡りも容易になりそうだ。 その他にも、豊島区内では公園のトイレ85か所を3年間で一新するプロジェクトも進められている。一部は若手アーティストが壁面を彩る“アートトイレ”なるユニークな事業にも注目だ。 新たな施設の誕生や、動線の整備、多彩なイベントなど訪れる人を楽しませる仕掛けを行い、街全体で魅力づくりが進められるターミナル「池袋」駅周辺は、今後も人々をますます惹き付けるけるエリアになりそうだ。

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