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スペシャルインタビュー

50年にわたり暮らしやすいまちづくりを支えてきた「ひの社会教育センター」

地域のコミュニティづくりを促進するため、日野市と「公益財団法人 社会教育協会」によって設立された「ひの社会教育センター」。1969(昭和44)年の開設より節目となる50周年を迎え、2019(平成31)年4月に移転、待望の新館がオープンした。市民活動が活発な地域として知られる日野市において、どのような役割を担っているのか、「ひの社会教育センター」副館長の阿部和広さんと、事業部の山本江里子さん、地域コミュニティ部の寺田達也さんにそれぞれ、新しい施設の特色や地域との関わりについてお話を伺った。

左から寺田さん、阿部さん、山本さん

1969(昭和44)年の開設より50周年を迎える社会教育施設

ひの社会教育センター
ひの社会教育センター

――「ひの社会教育センター」の沿革と概要についてお聞かせください

阿部さん:「ひの社会教育センター」は1969(昭和44)年の開設より、2019(令和元)年で50周年を迎えた社会教育施設です。1950年代の後半に「多摩平団地」が造成されると、新しい住民による地域のコミュニティづくりが課題として挙げられ、地域のコミュニティを醸成することを目的に、日野市と「公益財団法人 社会教育協会」によって設立、運営がスタートしました。社会教育というのはここ数年で生涯教育という言葉にも置き換えられていますが、公民館や図書館などで開催されている子育て講座や運動プログラム等も社会教育事業のひとつです。

以前はJR中央線「豊田」駅北口から徒歩12分の「日野市立病院」の隣にあったのですが、2019(平成31)年4月に現在の場所へ移転し、50周年の節目を迎えるとともに新館で様々なプログラムを展開しています。私は職員になって20年になるのですが、親子3代にわたって利用してくださるご家族も多く、小さな子どもからシニア世代まで幅広く利用いただけるのが「ひの社会教育センター」です。

2019(平成31)年4月に現在の場所へ移転、リニューアル
2019(平成31)年4月に現在の場所へ移転、リニューアル

のべ10万人の利用ニーズに応える、バリアフリー仕様の新施設

室内の様子
室内の様子

――新しい施設の特徴や設備、利用の実際について教えてください

山本さん:新館は3階建てで、1階に料理室、2・3階に計6部屋あり、そのうちひと部屋はグランドピアノが備え付けてある音楽室です。バリアフリー仕様になり、エレベーターはもちろん1階には多目的トイレも設置しています。

1階にある「料理室」
1階にある「料理室」

阿部さん:以前の建物と比べると、およそ半分の大きさになりましたが、これまで午前、午後、夜と貸し出しの枠がざっくりとおおまかだったのを、1時間単位で貸し出せるようになったので、より気軽にご利用いただける機会は増えたと思います。具体的な利用者数はまだ集計途中ですが、旧館では年間のべ10万人のご利用者がいらっしゃいました。

キッチンの様子
キッチンの様子

山本さん:最近の傾向としては、若い子育て世帯の利用者がどんどん増えています。例えば、小学生を対象にしたキャンプやスキーなどアウトドア系の募集を出すと、その日一日は電話が鳴り止まないような状況です。

寺田さん:ここ数年で多摩平地区の子どもの数は急増しているんです。

施設は1時間ごとの貸出を行っている
施設は1時間ごとの貸出を行っている

「講師になりたい」と持ち込みの提案が増えたあらたな反響

――新しい施設になってからの反響は?

山本さん:新しい施設になってからの出来事で印象的なのは、「こんな資格を持っているんだけど、講師になれないだろうか」といった問い合わせが増えています。例えば、来年定年を迎える大学の先生が、定年後は地域の活動に貢献したいと、子どもを対象にした理科の教室を立ち上げる提案をいただきました。他にも、関西圏から引越して来られた方で、もともとは小学校の校長先生をやられていた方なんですが、定年後のセカンドライフは「ひの社会教育センター」のある日野市に来て何か新しいことにチャレンジしたいと、新たに資格をとってこの秋からクラスを受け持っていただくことになりました。

これまで「学びたい」という利用者の声はたくさんいただいていたんですけど、「みずからの学びを活かしたい」といろんなお話を持って来てくださるようになったので、私たちもその想いをカタチに変えられるようお手伝いをしているところです。施設が新しくなったことで注目をいただき、ホームページもリニューアルしたことで実際の活動内容も分かりやすく、「自分だったらこの施設で何ができるか」とあらかじめ研究してから来てくださる方も増え、新しい動きとしてあらわれているのかなと感じます。

教室の雰囲気を実際に体感できる見学(無料)&体験入会

教室の様子
教室の様子

――「ひの社会教育センター」の利用方法について簡単に教えてください。「くらぶF会員」とはどのようなものなのでしょうか?

阿部さん:「ひの社会教育センター」は会員制のため、「教室会員」もしくは「くらぶF会員」のいずれかに入会いただく必要があります。

寺田さん:「くらぶF会員」は不定期で開催される事業、例えばキャンプやスキーや単発の1日講座など、子ども向けのプログラムに参加しやすくするためのシステムで、登録料1,100円で参加いただけます。一方、定期的に開催される教室に参加いただく場合には、入会金3,000円が必要です。いきなり会員になることにハードルの高さを感じている方には「くらぶF会員」がオススメです。「くらぶF会員」として入会した後、面白かったから毎週やっているプログラムにも参加したいとなった場合には、「教室会員」になるための割引制度もあるのでまずは気軽に参加してみてください。

多様な教室がある
多様な教室がある

山本さん:私たちとしても、実際のところ即入会というのはあまりオススメしていなくて、まずは見学か体験入会で教室の雰囲気を実際に見ていただきます。見学は無料で15~30分ほど。また体験も1回分の受講料だけで気軽に参加いただけます。自分のやりたい事とイメージが違ったり、教室の雰囲気が合わなかったり、ミスマッチというのは少なからずあるものなので。

希望で自分の参加したい教室や会員制度が選べる
希望で自分の参加したい教室や会員制度が選べる

寺田さん:また、クラスのコーディネイトをしてくれるスタッフもいるので、ご希望やお話を伺った上で別のクラスをすすめたり、当センターで提供できないサービスについては、横のつながりがある他の団体を紹介することもできるので、安心してお立ち寄りください。

教室の様子
教室の様子

――今後のイベントや新しい取り組みの予定があれば教えてください

阿部さん:当センターのある「多摩平の森て・と・てテラス」の周年行事「て・と・てフェスタ」が2019(令和元)年11月3日(日・祝)に行われました。また、「ひの社会教育センター」の設立50周年を記念して、SIO(シオ)というアーティストによるコンサートが企画されています。

寺田さん:SIOは小さい頃に、ここの参加者だったんですよね。

多摩の森て・と・てテラス
多摩の森て・と・てテラス

阿部さん:あとは、退職した職員による「ひの社会教育センターサポーターズ」の活動もあって、映画館の無い日野にとっては、「映画の木フェス」も注目のイベントです。そのほかにも当センターのホームページにイベント情報がたくさん載っているので、詳しくはそちらをご覧ください。

生活の利便性はもちろん、人とのつながり、将来性も感じられる街

職員の方の笑顔も、この場が愛される理由の一つかもしれない
職員の方の笑顔も、この場が愛される理由の一つかもしれない

――最後に、豊田周辺の街の魅力についてお聞かせください

阿部さん:私は立川に住んでいるのですが、地域とのつながりと言っても家の周りくらいしか無くて…。日野はここの活動を通じて他の事業者だったり、「多摩平の森」の自治会だったり、ここに住まわれている人たちと横断的な関係が出来上がっているので、地域とのつながりはむしろ日野の方が強いですね。みんな街を盛り上げたい、交流を深めたいと思って活動している人ばかりで、自分たちの活動もいろんな人に応援してもらっているし、自分たちもそういう人たちのために何かやりたいと思える、呼応するその関係性が魅力的ですね。

山本さん:私もここで働かせていただいて20年くらいになるんですが、結婚、子育ても経験して、自分はこの街でどういう暮らしをしたいか改めて考えてみると、自分のこうしたい、ああしたいといった理想を実現しやすい街なのかなと思います。

例えば仕事で、これまではこれは公共の施設がやること、こっちは私たちがやることみたいに、おたがい遠慮をしながら、まわりの様子を見ながら行動することが多かったんですけど、今は一般の人も含めてどんな人でも平等に意見を言える場が増えて、みんなで一緒にやるってことにもだんだん抵抗がなくなって、仕事も定年後のプライベートも、ずっと楽しく暮らせそうかなっていう予感がしています。

寺田さん:まず暮らす上で困ることがないというのがひとつ。買い物で揃わないものはないし、医療関係も救急の拠点病院からかかりつけ医まで整備されてきているので安心です。また、NPO法人もたくさん育ってきたので、生活する上で何か困りごとがあってもどこかに頼れば何かしら解決できる選択肢が数多くあります。さらにちょっと街を歩けば日野ならではの自然が残っている地域もあります。

ちょっと前まで、日野というと立川と八王子の間にあって忘れられている街だったんです。そこにいつしかスローライフが好きな人が来るようになって、意外と住みやすいんじゃないかと気がついた人が住むようになり、今は凄いスピードで人が増えているような状態です。電車も始発駅なので都心で働く人にも都合がよくて、駅の乗降人数も増えています。隠れ家的なところだったのにメジャーになってきた感覚ですね。JR中央線「豊田」駅の南側も再開発の計画があり、ますます豊田の街が面白くなっていくんじゃないかと感じています。

ひの社会教育センター
副館長・総務部部長 阿部和広さん
地域コミュニティ部次長 寺田達也さん
事業部部長 山本江里子さん
所在地:東京都日野市多摩平3-1-13
電話番号:042-582-3136
URL:https://hino-shakyo.com/
※この情報は2019(令和元)年10月時点のものです。

50年にわたり暮らしやすいまちづくりを支えてきた「ひの社会教育センター」
所在地:東京都日野市多摩平3-1-13 
電話番号:042-582-3136
https://hino-shakyo.com

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