なぜ、浮間舟渡にカフェを開いたのでしょうか。

私の住まいは埼玉県の川口市で、この店を始める前は浮間舟渡に来たことはありませんでした。仕事も、現在の飲食や陶芸と全く関係のない看護師の仕事を30年以上やっていました。ただその頃から、「将来は喫茶店をやろう」という夢はあり、そのために陶芸も習っていました。ちょうど子どもの手も離れたタイミングで、次は自分の好きなことをやろうとお店を開くことを決めたんです。

浮間舟渡を見つけたのは偶然でした。たまたま駅前のこの場所に空きが出ていたので来てみたら、駅のすぐ目の前に大きな公園があって、「のんびりとした街だなあ」というのが第一印象でした。近隣の街でも探しましたが、浮間舟渡が一番環境が良かったのでここに決めました。

なぜ「Cafe Olive」という名前にしたのでしょうか。

私が昔からオリーブという植物が好きだったというのと、“水と太陽がさんさんと輝くところで育つ”というオリーブのイメージが、この場所に合っていると思ったからです。あと、オリーブは「平和」の象徴だったりもするんですよ。この名前に合わせて、店先にオリーブの木を並べたり、店内の家具やスタッフの制服もオリーブ色を意識して揃えています。

陶芸をなさるそうですが、お店の食器も後藤さんの作品ですか？

小さな雑貨類なども焼いていますが、お店で使っているのはカップですね。あまり数多くは作っていないのですが、最近は販売もしてみようかと思っています。今、店内の壁に飾ってあるカップも購入できますので、よろしかったら是非どうぞ。

朝・昼・午後・夜とメニューを変えていらっしゃるんですね。

開店した当初はコーヒーとベーカリーだけでしたが、お客さんからパンだけじゃなく、食事もやお酒も楽しみたいという声があり、それに応えて徐々にメニューが増え、時間も前後に延長してきました。

朝は7時オープンで、この時間帯はコーヒーに、トーストとミニサラダが無料で付きます。名古屋の「モーニング」のような形ですね。ランチタイムは、毎日同じ値段でメニューが変わる「日替わりランチ」が人気です。10回分の値段で11回食べられる回数券もあります。午後のティータイムは、コーヒー、紅茶、ケーキ、軽食といったものがあります。ディナータイムはワインと、おつまみ、パスタやピザなど少しお腹にたまるようなものも用意しています。

どのようなお客さんが多いのでしょう？

モーニングは出勤前のビジネスマン、ランチタイムは近くで働いているOLさんなどが多いですね。ティータイムは買い物帰りの主婦の方なども来られますし、仕事の商談などで利用される方もいます。ディナータイムは会社帰りの方が中心です。どの時間帯も、何度も足を運んでくださるリピーターさんが多いというのが、当店の特徴かもしれません。

お店のこだわりを教えてください。

名古屋の「共和コーヒー」さんで焙煎した豆を使用しています。1回の仕入れは少なくして、いつも新鮮な豆を使うように心がけていますし、注文ごとに挽いて1杯ずつペーパードリップしています。その他お茶についても、色々な方に楽しんでいただけるように、フレーバーティーなどを多く用意し、季節ごとに種類も変えています。「アフタヌーンティーセット」という少し変わったセットもあって、コーヒーやティーと合わせて様々なお菓子が出てきて、見た目も可愛らしく、特に女性に人気です。

アンティーク家具が使われた店内も、素敵な雰囲気ですね。

「居心地のいい空間づくり」を大切にしようと、内装、音楽、家具など、全てに気を配るようにしています。私自身が古いもの好きで、家具は国内の古いものや、西洋アンティークなどを置いています。ひとつひとつ、アンティークショップやリサイクルショップなどを回って集めました。

浮間舟渡の魅力を教えてください。

駅の周辺は、本当にのんびりして穏やかです。小さいお子さんから高齢の方まで、いろんな年代の方が歩いています。また、この街は人がとっても親切ですね。特に年配の方々などは気軽に話しかけてくださったりします。お店を開いて8年ほどですが、これまで大きな事件もありませんし、治安もいいと思います。ゆっくりと時間が流れていて、住むには本当に良いところじゃないでしょうか。お気に入りの場所はやはり「浮間公園」ですね。休日にのんびりと過ごされている方も多いですし、まるで海外の公園のような雰囲気で私も大好きです。自然が豊かで、お花見の時期もきれいですし、夏には荒川の「いたばし花火大会」などでも賑わいますよ。