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プレスツアーレポート

着実な成果を実感。相模原市の子育てへの取り組み

2024(令和6)年1月31日に開催された「相模原のまちづくりと教育・子育て環境に触れるプレスツアー」に参加してきました。ツアー前日、総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告によると、2023(令和5)年の転入超過数で相模原市は全国11位と、東京一極集中が進むなかで健闘しています。その背景にあるものが、今回参加してきたプレスツアーで見えてきました。

市長の挨拶と、リニアとまちづくり

プレスツアーは、本村賢太郎相模原市長の挨拶から始まりました。相模原市は、市立都市公園をふくめた841の施設が、原則として禁煙になりました。政令指定都市としては相模原市が全国初の取り組みです。また、プール、水族館、プラネタリウムなどの市内15ヶ所の公共施設についても、市内在住・在学の小・中学生及び全ての未就学児の施設使用料は無料となりました。さらに小児医療費助成制度の拡充や、市立中学校における完全給食化も進めているところです。

リニア中央新幹線「神奈川県」駅(仮称)建設現場
リニア中央新幹線「神奈川県」駅(仮称)建設現場

2027(令和9)年以降に開業が予定されているリニア中央新幹線についても気になるところです。開業すれば、品川まで約10分、名古屋まで約60分でアクセスできます。橋本で建設が進められている「神奈川県」駅(仮称)周辺の街づくりに関するコンセプトは「一歩先の未来をかなえるまち橋本」で、コンセプトを支える3つのテーマは“くらしを変える先端技術の拠点となる”“新たな価値を創造する土壌がある”“環境共生型ライフを実現できる”です。

お話を伺っていた「ミウィ橋本」からは、駅を建設している様子が見えました。トラックのタイヤについた土を洗浄する装置や、街に圧迫感を出さないように土嚢の色を緑にするなど、いたるところで配慮がなされていました。

小山公園ニュースポーツ広場と藤澤虹々可さんのデモ&トーク

質問に答える藤澤虹々可さん
質問に答える藤澤虹々可さん

相模原市には、全国でも数少ないストリートスポーツに特化した施設「小山公園ニュースポーツ広場」があります。ここにはスケートボード、インラインスケート、BMXの練習コースなどが設けられており、市内出身のプロスケートボーダーであり、オリンピック候補でもある藤澤虹々可さんは、この施設がきっかけでスケートボードを始めました。現在、パリオリンピックを目指しているなかでの取材でしたが、「ニュースポーツ広場」の子どもの施設利用料が無料になったことについて、ニュースポーツの裾野が広がることに喜んでいる様子でした。

「小山公園ニュースポーツ広場」
「小山公園ニュースポーツ広場」

「ニュースポーツ広場」は開設から年数が経過し、スケートボードエリアの路面をはじめ、いろいろなところで老朽化が目立ってきたため、現在リニューアル工事を控えています。リニューアルにあたっては、利用者にアンケートをとってニーズの把握に努めたそうです。新しいスケートボードエリア・3on3バスケットボールエリア・ストリートダンスエリアから世界に羽ばたく人が、これまで以上に出てくることでしょう。

藤澤虹々可さんによるデモンストレーション
藤澤虹々可さんによるデモンストレーション

市立橋本小学校の取り組み

“地域とつながる学び”を大切にしている「橋本小学校」で、子どもたちによる最初のプレゼンが、新しいアスレチックを作るまでの流れでした。40年近く使用されてきたアスレチックは、老朽化によって撤去されました。しかし、アスレチックは子どもたちとって大切なもの。そこで当時の5年生が新しいアスレチックを作れないかと教師に相談し、それをきっかけにアスレチックの新設が、総合的な学習の時間でのテーマとなりました。

新しいアスレチック
新しいアスレチック

大きな問題になったのが、やはり新設するための資金です。数万点ものベルマークの回収、アスレチックの廃材を利用した小物の販売、地域の企業に足を運んで寄付を募ることもありました。すべてがスムーズに進んだわけではありません。意見を出し合い、時には教師にアドバイスを求め、一歩ずつではありましたが、大人たちを巻き込ながら子どもたちの手により、ようやくアスレチックが完成しました。子どもたちの思いがなければ実現しないことでしたが、同時に、子どもたちの思いに応えようという決意のもと、あたたかく見守った教職員の方々には頭が下がる思いです。

児童によるプレゼンテーション
児童によるプレゼンテーション

他にも、“今の生活のままでは地球がだめになってしまう”と危機感を抱いた子どもたちが、リサイクルプラスチックの回収を始めたことに関するプレゼンもありました。効果的に回収するには何が必要か。より多くの人たちに関心を持ってもらい、汚れなどがあるエラー品を少なくし、かつ回収率を高めるために何をすればよいかを考え、試行錯誤を重ねながら、地球を救うという意味で命名したプラスチックを“HEROのかけら”を集めていきます。回収率という明確な数字が出ることで、子どもたちは大きなやりがいを見出したように感じます。

回収したプラスチックでリサイクルしたコースター
回収したプラスチックでリサイクルしたコースター

最後は、地元の間伐材を活用した容器に、地元の食材を詰め込んだ「相模原つめこみ弁当」をつくった子どもたちによるプレゼンです。お弁当を食べながら子どもたちと話をする機会が設けられており、今後どういった弁当をつくりたいのか、大変だったことについて子どもたちは一生懸命に話してくれました。

相模原つめこみ弁当
相模原つめこみ弁当

LCA国際小学校の校内見学

相模原市には、相模原市国際教育特区を活用して設立された、国内初となる株式会社立の小学校があります。現役のF1ドライバーである角田裕毅選手も同校の卒業生だそうです。特色は、外国人教師が担任を務め、英語で日本式の教育を進めることです。

LCA国際小学校外観
LCA国際小学校外観

創設者であり、学園長にして学校長でもある山口紀生さんは、もともと相模原市の公立小学校で教鞭をとっていました。英語を使ってコミュニケーションができ、自己肯定感を高められる理想の教育を実現させるため、「LCA国際小学校」を開設しました。補助金をもらうのではなく、逆に税金を納める株式会社ならではの苦労も多いようですが、ありあまる教育への情熱と賛同者により、同校の認知度は年々高まっています。

授業風景
授業風景
図書室
図書室

相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはらの見学

プレスツアーの最後は、“相模川に集い、親しみ、楽しく学ぶ交流拠点”がコンセプトの「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」です。必見のゾーンは、相模川の水源から河口までの全長113kmの流れを再現したアクアリウムです。上流、下流それぞれの環境の違いと、そこに住む魚がわかりやすく表現されています。この施設も市内在住・在学の小・中学生及び全ての未就学児は無料となっています。

相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら
相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら
流れのアクアリウム
流れのアクアリウム

リニア中央新幹線、「ニュースポーツ広場」、2つの小学校に科学館と、今回も内容が盛りだくさんのプレスツアーでした。今は、未来への種を蒔いている時期ですが、それよりも前に蒔かれた種が、オリンピック候補者に成長するなど、これから楽しみな要素がたくさんある街だと感じました。

ライター:飯田秀康

神奈川県出身。大学卒業後、出版社勤務を経て渡独。「Kleines Sinfonisches Orchester(Collegium Musicum Berlin)」に参加しながら、現地滞在中よりライターとして活動を開始。帰国後はライター・フォトグラファーとして活動し、現在は4歳から続けているバイオリンの指導者として教室も運営。趣味は旅行、食べ・飲み歩き、写真撮影、音楽鑑賞、古墳・史跡めぐり。
※この情報は2024(令和6)年1月時点のものです。

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