ビストロメナージュ

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逗子から葉山へ向かう国道沿いにある小さなレンガ張りのレストラン「ビストロ・メナージュ」。この店のオーナーシェフである岡野氏は、横浜元町の老舗「霧笛楼」や葉山屈指の有名店「ラマーレ・ド・チャヤ」などでシェフを務めた経歴をもつ敏腕シェフだが、自身の店をもつ地として選んだのはこの葉山の地だった。

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「田舎暮らしは楽しいですよ。もう都会に通勤する気は全然しない。」と口にする岡野氏が作る料理は、名店の格式高い雰囲気とはちょっと違った、優しい人柄が滲み出ているような品ばかり。見た目や調理法からは南仏料理かイタリア料理を思わせるのだが、素材は刺身やサザエだったりと、和食寄りの部分もある。

シェフにこれは何料理かと聞いたところ、「葉山料理ですよ」という答えが返ってきた。自分が好きな三浦産の素材を、自分の好きなアレンジで調理して、自宅に招いた友人をもてなすような気持ちで提供しているということだ。

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数ある一品料理の中でも特にリピート率が高いのが、「小坪サザエと木の子のガーリックバター焼き」。逗子の小坪港に揚がったサザエをふんだんに使い、食感の良いキノコ数種と合わせてソテーしたもので、パンに付けて食べると最高に旨い。このソテーがまた手が込んでおり、オリジナルのガーリックバターを「白いバター」と「緑のバター」の2種類作り、キノコは白で、サザエは緑でソテーして盛り合わせているという。ワンディッシュの中に異なる味付けが共存する繊細な一品だ。

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「旬の素材を味わってほしい」というシェフの思いから、メニューは季節や仕入れ状況でがらりと変わる。セットやコースを決めたら、黒板に書かれたその日のメニューからチョイスするというスタイルが基本だ。この日の「オードブル盛り合わせ」は、三浦産朝採りスイートコーン、三浦産野菜のラタトゥイユ、三浦産アジの刺身・ドレッシング添え、ビシソワーズ、フルーツトマトのゼリー寄せという盛り合わせだった。

この内容だけを見ても、シェフがこの葉山の地を愛してやまないことが窺い知れるというものだろう。自然と一緒に生きる葉山では、やはり自然の風味、旨味、甘味が良く似合う。聞けばこのトマトゼリーには、一切砂糖も水さえも使っていないというから驚きだ。

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パンはもちろん、デザートも一からすべて手作りしている。濃密なフランボワーズのシャーベット、溶けるような舌触りの後に黒蜜の香りが鼻腔を抜ける「黒糖プリン」など、食後のデザートまで丁寧に心を込めた仕事ぶりに、店主のもてなしの心が感じられるというものだ。写真の盛り合わせで630円となる。

“ビストロ”という響きからはやや高級なイメージを浮かべるかもしれないが、メナージュにはふらりと立ち寄れる気軽な雰囲気がある。豪華な店構えや海沿いの絶景などは無いが、その分を料理の手間と素材の質に振り分けているということだろう。

昼のランチセットはリーズナブルな価格で、女性客を中心に支持されているそうだが、夜には本格的なコース料理もある。シェフのアイディア溢れる“葉山料理”を味わい尽くしたいならばディナーがお薦めだ。

料理は人柄を表すものだが、まさにこの店は実直で真面目で人に優しい、岡野氏の人柄そのもの。質素な佇まいにも秘めた実力を持つ、爪を隠した名店と言えるだろう。

ビストロメナージュ
所在地:神奈川県葉山町堀内2001
電話番号:046-875-0712
営業時間:4~9月11:30~14:00、18:00~22:30(L.O)、10月~3月11:30~14:00、17:30~21:30(L.O)
定休日:月曜日
http://www.sunsun-navi.gr.jp/html/menaju.html



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