住宅への「2020年省エネ基準の義務化」が見送りに

2020年に実施される予定であった住宅への「省エネ基準の義務化」が見送りとなりそうです。消費者としてはどう対応すればいいのでしょうか?

 地球温暖化対策にも重要な「2020省エネ基準の義務化」

地球温暖化対策のための「パリ協定」において日本は、家庭部門で2030年までに27%のCO2排出減(2013年比)を、住宅・建築の分野では2030年までにエネルギー消費量を約20%削減することを目標としています。「住宅省エネ基準の義務化」はこの目標達成のために重要な施策とされていました。

この目標実現に向けて、新築住宅に関しても省エネ性能を段階的に高め、2020年までにすべての新築住宅に省エネ基準をクリアすることを義務化するというロードマップも作成されました。2020年にZEH基準の住まいを半数とするという目標もこのロードマップに沿ったものでした。住宅メーカーや工務店などでも、この基準に適合するために商品開発や施工技術向上に取り組んでいます。しかし、2018年末に国土交通省から小規模(300㎡以下)の住宅・建築物は義務化が見送られる方針が打ち出され、2019年の国会に改正法案が提出される見通しです。

省エネ基準をクリアしているか、説明が義務化へ

見送られる理由は、2020年省エネ基準をクリアする住宅は現状で6割程度にとどまっており、このまま義務化を実施すると事業者や審査者ともに混乱を生じるという懸念などから。消費増税と時期が重なることも懸念される理由に挙げられています。

ただ、義務化は見送られるものの、建築士には建築主に対して省エネ基準に適合するかという説明義務を設けることが想定されています。つまり、住宅購入者(施主)に対して省エネ性能をしっかりと説明し、購入者自身が性能についての判断を行うということ。マイホームを購入する際には工務店やハウスメーカー、不動産会社に任せていれば安心ということではなく、購入者自身も省エネ基準についての知識を持ち、正しい判断を行う必要があるのです。

ヒートショックを防ぎ快適性を求めるなら断熱性能にこだわる

そもそも、この省エネ基準を満たすことは断熱性能を高めることでもあります。冬場にはすきま風が吹き込む寒い家は健康を損ねる原因にもなります。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)の報告によると、急激なヒートショックに関連して入浴中に急死したと推定される死亡死者数は年間約1万7000名とされ、交通事故死者の数倍にもなるとうデータがあります。ヒートショックとは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することなどが原因となり起こる健康被害のことで失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を引き起こします。夏は暑くて冬は寒い家から脱して、健康な住まいを実現するためにもこ省エネ性能の向上は不可欠と考えられます。もちろん、高い省エネ性能は光熱費の節約にも貢献します。

健康で、快適な暮らしを求めるのなら高い断熱性能を持つ住まい、「2020省エネ基準」もクリアする住まいを求めることが重要なのです。