大人数だからこそできる体験を子どもたちに/横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生

横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生

大人数だからこそできる体験を子どもたちに

港北ニュータウン開発に伴い、住民たちの強い要望を受けて開校した中川西中学校は、全校生徒が1066名と横浜市で生徒数二位を誇る大規模校である。学業と部活動を両立させた、文字通り「文武両道」の校風の中川西中学校に、副校長・校長として長らく関わってきた重田先生にお話を伺った。

学校の概要についてお聞かせください。

横浜市立中川西中学校
横浜市立中川西中学校

1990(平成2)年4月に開校した本校は、港北ニュータウン中川地区の開発にともなって新設した学校です。それまでこの地域の生徒たちは近隣の学校へ遠距離通学をしていたため、「この地域に学校を」という住民の方々の強い希望があり開校しました。また校名の「中川」も、子どもの遊び場や農業用水として重要な役割を担っていた川の名前からついており、校章の山百合もこの地域の丘陵地帯に多く自生していたものと、地域の特色を取り入れた学校です。生徒数が1100名近くおり、1年生10クラス、2年生9クラス、3年生9クラス。当然それを見る先生方の数も60人を超えるという、大規模校ですね。

大人数を抱える学校として、生徒一人一人に目を配る工夫などはありますか?

横浜市立中川西中学校
横浜市立中川西中学校

1学年を担任の先生たちが、学年チームとして子どもを見守るようにしています。中学になると教科ごとで先生が代わりますし、部活の顧問の先生を加えたら、一人の生徒を数人の先生が見ていることになります。大切なのは、その情報をどう集めるかですね。一人の生徒への情報の引き出しを多く持つことで、何かあった時、保護者の方から相談をされた時でも対応できるようにしておきたいと考えています。角度を変えて子どもを見守ることで、子どもたちの様子や変化が細かく分かるようになりますね。

 

大人数のメリットというのもありますか?

中川西中学校
中川西中学校

もちろんです。例えば、平和学習の一環で毎年2年生が広島に行く際、平和記念公園で合唱する機会があるのですが、道行く人たちが必ず足を止めて聞き入ってくださる程、その声量と迫力は素晴らしいものがあります。350人もの子どもたちの歌声がまとまるまでは、それまでに大変な努力があるのですが、この人数が集まり“歌で心を一つにする”という経験が与える影響は大きいと思いますね。

また行事一つとっても、この大人数を動かすとなると、先生側は大変な面も多いのが事実。例えば、修学旅行や校外学習の宿を探し、実際に連れて行くまでに、周到な事前ミーティングとシュミレーションを何度も繰り返します。その時の先生方の団結力は凄いですね。先生方がまとまると、自然と子どもたちもまとまってくるんです。そういった相互の力で前向きに変化していくのは、大規模学校の良いところではないでしょうか。

文武両道を掲げていらっしゃいますが、部活動は盛んなのですか?

横浜市立中川西中学校
横浜市立中川西中学校

はい、ほぼ9割の生徒が部活動に入部しており、中には兼部をする子もいるほどです。ハンドボール部や水泳同好会は関東大会まで出場していますし、サッカーやバドミントン、吹奏楽も県大会でも良い成績をおさめています。やはりカラダが一番成長する時期に運動をすること、そして感性が磨かれる時期に好きな事に打ち込むことは、何よりの財産になりますね。また教職員も必ずどこかの部・同好会の顧問になるようにしており、自分の経験がない分野でも、会計や資料づくりなどで協力できるような態勢にしています。学校生活では静かな大人しい子が、部活動では積極的で違った顔を見せたりと、子どもを多面的にとらえる上でも、部活動での先生と生徒の交流は大切だと考えています。

小中一貫教育ということで、近隣の小学校との連携教育もあるのでしょうか?

本校には周辺の6小学校から進学してきますので、その小学校の先生方とのミーティングも密にしています。行事が重ならないような摺合せから、9年間の一環した学習カリキュラムのこと、生活面の注意事項まで細かく話します。やはりお互い顔を見て話ができる環境を作っておくと、いざという時に心強いですね。

力を入れている取り組みはありますか?

中川西中学校
中川西中学校

やはり10月の合唱コンクールでしょうか。3日間ある文化祭のうち、1日目が県民ホールで開かれるクラス対抗の合唱コンクールで、全クラス・全学年の順位が決まります。1クラス多くて40名の生徒たちが、練習に練習を重ね、真剣勝負で歌い競う姿は、何度見ても清々しい気持ちになります。

合唱コンクール・体育祭共々、クラス別に一位から最後まで全て順位をつけています。その理由は、「努力しても負けることもある」ということを中学で学んでほしいから。小学校までは頑張ることこそが素晴らしいと教わってきました。でもその一歩先の「ベストを尽くしてもダメな時もある、でもその努力したことが自分の身についている。それこそが宝物なんだ」ということを分かってほしいんです。社会に出れば報われないことばかりの世の中で、そのプロセスが無駄じゃないという経験を、ここでしてほしいと考えています。

保護者の関わる行事などはありますか?

中川西中学校
中川西中学校

3日間に渡る10月の文化祭で、3日目は午前中に講演会があり、午後は保護者の方々によるコスモス祭があります。このコスモス祭は、部活動別でお母さんたちが焼きそばや揚げたこやき、チョコバナナなどの模擬店を出してくださるもので、屋台がズラリと並んだ景色はなかなか迫力があります。子どもたちもとても楽しみにしているイベントです。オヤジの会というのもありまして、こちらはお父様たちが活躍する場でもあります。保護者の皆さんが「何かお手伝いできることはありますか?」と、教育活動に熱心な方々が多いので、助かっています。

またキャリア教育の一環で、1年生は色々なお仕事のプロフェッショナルたちから話を聞く機会を設けていますが、ここでオヤジの会のお父さんたちが大活躍しています。今までにも会計士・パン職人・福祉施設職員などの様々なお仕事の方々に来ていただき、苦労話ややりがいなど、その仕事に就かなければ分からないリアルなお話を披露していただいています。

中川の街の魅力を教えてください。

緑が多く、美しい街並みが特徴ですね。自転車も走行不可で信号もない、歩行者用遊歩道も整備されているので、住む人に優しい街だと感じます。また教育に熱心な方も多く、親御さんたちが心配されるような非行に走る子どもも少ないです。全体的にのんびりした雰囲気があり、子どもの教育には良い環境だと自負しております。

横浜市立中川西中学校
横浜市立中川西中学校

今回、話を聞いた人

横浜市立中川西中学校
校長 重田英明 先生

所在地:横浜市都筑区中川2-1-1
電話番号:045-912-1270
http://www.edu.city.yokohama.jp/sch/jhs/nakagawanishi/

※記事内容は2013(平成25)年8月時点の情報です。

大人数だからこそできる体験を子どもたちに/横浜市立中川西中学校  校長 重田英明先生
所在地:神奈川県横浜市都筑区中川2-1-1 
電話番号:045-912-1270
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/schoo..