半世紀以上にわたり地域住民に愛されるエリア屈指の老舗パティスリーがずっと大切にしているものとは?/モンタナ(神奈川県)
小田急小田原線「読売ランド前」駅から徒歩1分。「モンタナ」は1965(昭和40)年に神奈川県川崎市多摩区に開業した老舗洋菓子店です。駅前に広がるのが田園風景だった時代から軒を構えている同店は、このエリアに暮らす者なら知らない人はいないと言うほどの人気店。 創業から続く伝統を守りつつも、開業から半世紀を超えた今も進化を続けている「モンタナ」のマネジャー鈴木さんに、お店の特徴やこだわり、「読売ランド前」の魅力について伺いました。
開業から56年、親子3世代、老若男女から愛される洋菓子店
――半世紀以上の歴史あるお店ですが、この地に開店をしたきっかけを教えてください。
鈴木さん: 自由が丘の「モンブラン」や学芸大学の「マッターホーン」でチーフパティシエとして勤めていた先代オーナーが、独立することになりお店を開く場所を探していた際に出会ったのがこの「西生田」だと聞いています。当時、駅前で借りられるテナントを探していましたが、なかなか良い物件が見つからなかったそうです。そこで、まだ田んぼだった今の土地を購入し、店舗を構えたといいます。
――「読売ランド前」ということは遊園地帰りの方もよく利用されるのでしょうか。
鈴木さん: 駅名を見ると、遊園地帰りのお客様が多そうなイメージですが、全くそんなことはありません。当時から利用していただくのは、地元住民の方々がほとんどです。昔、お母さんに手を引かれていたお子さんが大人になって、子どもを連れてケーキを買いに来てくれることもよくあります。親子3代で通っていただけるのは感慨深いというか、純粋に嬉しいですね。 日本では高齢化が進んでいますが、このエリアでは近隣に大学が点在するせいもあってか、最近は若い方の利用も増えています。
――老若男女に愛されているお店なのですね。
鈴木さん: そうですね、S N Sで新商品の情報などを発信しているので、若い方がお店を知って遠方からきてくれることもあります。当店は店内をバリアフリーにしているので、ベビーカーや車椅子の方の利用も可能です。スタジオや球技場も近いので、有名人やスポーツ選手の方もしばしば来店されます。喫茶スペースにはご愛顧いただいていた、有名漫画家さんのサイン色紙もありますよ!
素材に妥協せず、伝統と革新を両立させることが信条
――さまざまなお菓子が並んでいますが、お菓子を作る上で特にこだわっている点があれば教えてください。
鈴木さん: 一番のこだわりは材料です。多少原価が高くなっても素材選びには妥協せず、一人でも多くの方に美味しいと喜んでもらえる商品を作ることを大切にしています。あと、衛生面も徹底していますね。清潔な環境を維持することで、お客様に安心してお菓子やカフェを楽しんでもらいたいです。昔ながらの味を大切にすること、新しい味を追求することのバランスを大切にしています。長年通っていただいているお客様と、新しく「モンタナ」を知っていただくお客様、どちらにも喜んでもらいたいからです。
――「モンタナ」に来たら『これは絶対に食べて!』というメニューはありますか。
鈴木さん: 創業からずっと一番人気の「ダミエ」はぜひ試してもらいたいです。チョコレートのスポンジとコーヒーのスポンジを市松模様に重ねた見た目も可愛いケーキです。しっとりとしたスポンジの食感はきっと気に入ってもらえると思います。 「ダミエ」は半生菓子なので宅配も可能です。昔このエリアに住んでいた方から「もう一度食べたい」とリクエストをいただくこともあります。
――他におすすめの商品はありますか。
鈴木さん: 『全部!』と言いたいところですけど、おすすめは「焼きドーナツ」ですね。油で揚げていない分、ヘルシーなのが特徴で、日持ちもするから手土産などにもぴったりです。一番人気の「ハチミツ」をはじめ、「チョコ」や「抹茶」などバリエーション豊富に用意しているので、いろんな味を試して欲しいですね。 あとは「かわさき名産品」にも認定されている「米彦(マイプリンス)」もおすすめです。「日本女子大学」、「宙(そら)と緑の科学館」、「多摩区商店街連合会 川崎商工会議所」と共同開発した商品で、「プリン」を焼き菓子で表現したお菓子です。米粉を使用しているので、しっとりとした食感が楽しめます。
一度利用すればリピート間違いなしの喫茶スペース
――「モンタナ」には喫茶スペースもあるとのことですが、どのようなメニューがいただけるのですか。
鈴木さん:飲み物やサンドウィッチなどさまざまなメニューを用意しています。もちろんショーケース内のケーキを召し上がっていただくことも可能です。ブレンドコーヒーはUCCと共同開発したオリジナルブレンドを使用しています。紅茶やハーブティなども全て茶葉から淹れますし、店舗の二階がケーキ工場になっているので、クリームソーダのアイスクリームも自家製です。利用していただく方に喜んでもらうための手間は惜しみません。
――喫茶スペースは駅前の店舗とは思えないくらい広いですね。
鈴木さん: はい。ゆったりとお茶を楽しんでもらえるスペースを確保しています。時節柄、ソーシャルディスタンスを気にするお客様も多いので、広々とした店内を気に入って選ばれる方も多いです。 また、当店では数年前から商品をお客様に取りに来てもらうカフェスタイルを採用しています。配膳の人件費が浮いた分、商品価格をグッと抑えることができたので、こちらもお客様から好評です。
――これだけ居心地がいいとついつい長居してしまいそうですね。
鈴木さん: 席には電源やフリーWi-Fiも設置しているので調べ物をしたり、コワーキングスペースのように利用していただいたりすることも可能です。もちろん、混雑時の長時間利用は控えてもらいますが、空いている時は自由に使っていただいて構いません。 喫茶スペースを利用する方はほぼ常連のお客様で、お店に来られないと「体調崩されたのかな?」と心配になるくらいです。一度ご来店いただけば、居心地の良さをわかってもらえると思いますよ。
――地域の方々と連携して取り組んでいる催しなどはありますか。
鈴木さん:近隣の小学校では、6年生卒業前最後の給食時にケーキバイキングをしてお祝いするのですが、そのケーキを当店で用意させていただいています(※2020年度は新型コロナウィルスの影響により中止)。
また、学校給食のデザートや老人ホームからも定期的に発注をいただいており、地域とのつながりは大切にしています。
自然と利便性が両立する「読売ランド前」エリア
――このエリアの魅力はどんなところにあると思いますか。
鈴木さん: とにかく住みやすいことです。駅前の道を一本入るとそこには竹薮が広がっていて、春にはウグイスの鳴声が聞こえます。商店街にはスーパーマーケットや個性豊かな個人商店が並んでいて、生活に必要なものはほぼそろう環境です。自然と利便性のバランスが取れた街だと思います。 交通アクセスも新宿や横浜に出るのも容易です。私はこのエリアに30年住んでいますが、自然災害も少ないと感じます。「本当に住みやすい街だな」と感じたのは、以前うちでアルバイトをしていた子の話を聞いた時です。就職が決まり、職場に近い都内に引っ越したのですが、『このエリアの方が暮らしやすい』と言って戻ってきたんです。本当におすすめのエリアだと思いますよ!
――最後に、今後の「モンタナ」の目指す理想を教えてください。
鈴木さん: 地域住民の方に今後も愛されるお店でいたいです。そのために、最上の素材でおいしい商品を作ること、新しい味を追求していくことを続けていきたいと思います。心の通った接客を忘れずに、アットホームな雰囲気を大切にしていきます。このエリアにお住まいになった際には是非一度ご来店ください。従業員一同、お待ちしております。
モンタナ洋菓子店
マネジャー 鈴木園枝さん
所在地 :神奈川県川崎市多摩区西生田3-9-22
電話番号:044-966-0324
URL:http://montana-cake.net
※この情報は2021(令和3)年4月時点のものです。
半世紀以上にわたり地域住民に愛されるエリア屈指の老舗パティスリーがずっと大切にしているものとは?/モンタナ(神奈川県)
所在地:神奈川県川崎市多摩区西生田3-9-22
電話番号:044-966-0324
http://montana-cake.net