生の歌と本物の楽器に触れ、親子や友達とのふれあいを楽しむ場/うたりずむ 岩崎美代子さん・高橋美穂さん
歌とピアノを担当する岩﨑美代子さんと、パーカッションを担当する高橋美穂さんによるユニット「うたりずむ」。教室では、岩﨑さんの伸びやかで明るい歌声と、高橋さんによるリズミカルな太鼓の音が響く。音楽だけでなく、自宅でできないような大掛かりな遊びや、絵本の読み聞かせ、工作にお絵描きと、40分間のクラスは飽きることがなく子どもの笑顔が溢れている。子育て真っ最中という「うたりずむ」のおふたりに、活動や朝霞の子育て環境について伺った。
「うた」×「りずむ」で子どもの心を伸びやかに育てる、音楽教育「リトミック」
――「うたりずむ」のリトミッククラスについて概要を教えてください。
岩﨑:朝霞市内で未就園時向けの親子リトミッククラスを開催し、うたとリズムあそびで心と身体で感じる力を育て、お絵かきと工作で創造する力を育てることを目的としています。クラスは月に2回、市民センターなどで行っています。主に東上線沿線など近隣の方が多いですね。ねんね~よちよち歩き向けの「ひよこクラス」と、あんよ~未就園児の「こっこクラス」の2クラスがあり、今一番年上のお子さんは3歳ですね。音楽を聴いて身体を動かしたり、人と触れ合う中で協調性を養ったりですとか、音楽の基礎的なことを学んだり、自分を表現する場でもあります。
――「うたりずむ」はどのようにして生まれたのでしょうか?
岩﨑:同じマンションに住んでいて、お互い娘が幼稚園に入園したのをきっかけに、バス停で毎日顔を会わせるようになったのですが、話をしてみると実は同じ大学の同級生だということが分かったんです。音大の声楽と打楽器とで学科が違ったので、大学の時にはお互い知らなかったのですが、同級生だったということで意気投合したんです。卒業アルバムを見てみたら、確かにお互いが載っていました。行動力を発揮する性分と冷静に考える性分、性格は正反対なふたりなのですが、そこがよいんでしょうか。お互いのことをファミリーだと思っています。
岩﨑:元々、私が市内の子育て支援センターで仲良くなったママ友に「なにかやってほしい」と言われて、ひとりでリトミックのサークルをしていたのですが、高橋さんに出会ったことでふたりでやってみようということになりました。私ひとりでやっていたときには歌とピアノだけだったので、高橋さんの演奏する打楽器が加わることでクラスでできる内容も広がりますし、クラスに実際の楽器を持って来てくれるのですが、そういった本物の楽器に触れることで子どもたちの反応もそれまでとは違ってきました。
――活動するにあたり、どのようなことを大切にされていますか?
高橋:リトミックというものはとても幅広くて、やり方次第で色々できます。私たちは、専門的に音楽を勉強して来たので、それを活かしたいと思っています。そのために、生の音楽のよさを大切にしていて、生の歌で聞いてもらうとか、出来るだけ実際に楽器に触れてもらうということを活動の中心に据えています。CDを流せば音楽を聴くことはできますが、せっかくなのでライブ感を味わってもらいたいと思っています。
大人も子どもも、音楽を通じて触れ合うことで得るものがある
――クラスに通う中で、お子さんたちの変化を感じることはありますか?
高橋:去年の6月から、継続会員制のクラスの形をとるようになったので、毎回同じメンバーが集まって続けることで、成長が目覚ましく目に見えるようになりました。
岩﨑:クラスの始めにお子さんのお名前を呼んで、そのお返事としてタンバリンを「は・あ・い」と3回たたいてもらっているのですが、クラスに来始めたばかりの頃は手を後ろに隠してしまったり、身体ごと背けてしまう子も、しばらく通ううちに上手にできるようになります。たたくと音が出る楽しさとか、言葉に合わせてちゃんとたたくことができるようになる喜びとか、お子さんなりに見つけてくださってるみたいです。人と関わることも怖くなくなっていくようです。
高橋:去年の12月には、クラスでの姿や成長をご家族に見てもらいたいと思い、発表会を開催しました。お父さんやおじいちゃんおばあちゃん、お友達が来てくださいました。我が子の成長をおさめようと、ビデオで撮影している方がたくさんいましたよ。発表会はこれからも毎年やっていきたいと思っています。
――「うたりずむ」をやっていてよかったな、と感じることを教えてください。
岩﨑:やっぱり出会いですね。
高橋:私は活動していない間も、演奏したいという気持ちがあって、血が騒いでいました。だから、音楽を通じてお子さんともお母さんとも触れ合う機会があることが嬉しいです。
岩﨑:朝霞市は、保育園などに子育て支援センターが併設されているのですが、私も毎日のように子どもを連れて通っていました。そこが実家のように感じるくらい、先生や他の親子とおしゃべりすることで助けられたところがすごくあります。子育て中っておしゃべりできるだけで救われますよね。私自身のリフレッシュにもなっています。
「少子化が嘘のよう」に感じるこの街で、子育てしながら活動していくこと
――朝霞の子育て環境はいかがでしょう?
高橋:都心に出やすいけれど、自然も多く住みやすくて子育てもしやすいですね。ほぼ東京都との境目ですが、同じ沿線でも埼玉に入っただけで雰囲気が変わります。少子化が嘘のように感じるくらい、子育て世代が多い街だと思います。
岩﨑:それに、子育て世代に対する周りの目がとってもあたたかいんです。道歩いているだけで、通りすがりのおばあちゃんが話しかけてくれたりします。「幸せな気持ちになれた。ありがとう」なんて言われたこともあるんです。
高橋:地方から出て来て構えていた部分があったんですが、田舎よりあたたかいくらいですよ。市自体がコンパクトなので、自転車があれば生活できるのも魅力です。坂は多いので、電動機付き自転車を使っている方が多いですね。
岩﨑:公園だとボール禁止の公園が多いと思うのですが、「朝霞の森」はボール遊びが禁止されていないのでおすすめです。森のようになってる所もあったり、木登りができる大きな木もあるんです。プレーパークをやっている期間は火を使って焼き芋したり、マシュマロ焼いている子どもも見かけますよ。普段出来ない遊びができます。
高橋:舗装された道路もあるので、自転車の練習にはみんな「朝霞の森」に行きますね。
――最後に、これからの「うたりずむ」の活動について教えてください。
高橋:今生徒さんが増えてきていて、楽器の数も足りないですし、動きを取り入れるとなると広さが狭くなってきています。そんな背景もあって、朝霞市内にもうひとクラス作る予定でいます。今後は市外にも広がっていけたらいいですね。
岩﨑:また、リトミッククラスの他に、音楽ユニットの「うたりずむ」として演奏活動も行っています。これまで、「朝霞の森」で毎年開催されるお祭りで行われたコンサートに呼んでいただいて、野外ステージで演奏したり、中央公民館にプラネタリウムがあるのですが、夏祭りにはプラネタリウムに星空を投影しての星空コンサートにも参加しました。そういった演奏活動の時には、来てくれたお子さんや保護者の方が一緒に参加してもらえるようなステージにしていきたいと思っています。
うたりずむ
岩﨑美代子さん・高橋美穂さん
所在地 :埼玉県朝霞市
E-mail : utarhythm@hotmail.co.jp
URL:http://blog.livedoor.jp/utarhythm/
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。
生の歌と本物の楽器に触れ、親子や友達とのふれあいを楽しむ場/うたりずむ 岩崎美代子さん・高橋美穂さん
所在地:埼玉県朝霞市