伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”/前川雀太鼓会 会長インタビュー


前川雀太鼓会 会長インタビュー

伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”

埼玉県川口市の伝統芸能として、市民の間で広く愛されているのが、和太鼓を使った曲目のひとつ「初午太鼓」。「テンテケテンテケ、チャカマカチャカマカ」という独特のリズムが印象的で、市内各地には大小さまざまな和太鼓会があり、この「初午太鼓」を中心に、日々練習に励んでいる。その披露の場は主にそれぞれの地区のお祭りなどになるが、川口の市民祭や、「初午太鼓コンクール」などでは複数の団体がその成果を競い合うなど、どのサークルも本格的な活動を行っている。

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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今回はその中のひとつで、小学生を中心に子どもだけで構成されているという「前川雀太鼓会」の練習会場にお邪魔した。2時間にわたる熱心な練習では、「初午太鼓」と「雀祝太鼓」の2つの曲目が練習されていた。 会の会長を務める白石巌さんは、時には厳しいコーチとして激を飛ばし、時には低学年の子の手をとって教えるという、メンバーにとって「頼れる顧問の先生」のような存在。緊張感と笑顔が共存する2時間が終わった後、白石会長にお話を伺った。

「前川雀太鼓会」はいつ頃からあり、どのような目標を持って活動していらっしゃるのでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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会の創立は、今から23年くらいになるかと思います。前川地区の地元の活動や、お祭りなどに寄与できる太鼓の会を作りたいということで、先代の会長が作ったそうです。私は2代目の会長になりまして、私が引き継いでからは今年で14年目になります。 私自身も、ふたりの娘がこの会でずっと習わせていただいていていまして、今は娘は卒業したんですが、私はそこからの延長で、ずっとこの太鼓の会に携わっているんですね。

「子どもだけの太鼓チーム」は、市内に多く存在するのでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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「初午太鼓」というのは川口市全体の伝統芸能になっていますから、市内の太鼓のチームというのは非常に多いです。ただ、「子どもだけのチーム」っていうのは、私もよく分からないですけれども、かなり少ないと思います。子どものチームと大人のチームと、両方があるという団体は多いと思いますが。

今日は練習とは言っても、素晴らしい演奏を楽しませていただきました。曲目としては、今日の2つの曲が基本となるのでしょうか? また、これらの曲は、どういった機会に披露されているんでしょうか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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そうですね。基本的には、川口の伝統芸能の「初午太鼓」と、雀太鼓会の“創作組太鼓”で、「雀祝太鼓(すずめいわいだいこ)」という2曲が大きなものとしてはありまして、そのほかに、民謡に合わせて叩くような形のものが何曲かあります。初午太鼓は、基本的なリズムが「チャカマカマカチャン、チャカマカチャンチャンチャン」となっているんですよ。

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披露の場としては、まず毎年7月にある前川地区のお祭りと、町会の盆踊り大会には必ず参加させて頂いていますし、8月上旬には川口の夏祭りの「たたら祭り」でもステージがあります。それ以外ですと、老人ホームに慰問に行って、おじいちゃんおばあちゃんの前で披露したりもしています。 大会としては、川口市では初午太鼓のコンクールが年に1回ありまして、それが子どもの部は小学生以下、一般の部が中学生以上ということになっていますので、このコンクールにも毎年出ています。

現在のメンバーは何人ぐらいになりますか? また、入るにはどうすれば良いでしょうか。

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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基本的には小学生がメインの団体なんですが、中学生、高校生も含めると合計で26名になります。入りたいと思われたら、まずは毎週金曜の夜、この公民館で行っている練習を見学に来ていただければと思います。 会費に関しては、毎月3000円をいただいていますが、それ以外にはあまりかからないです。また、うちの名称は「前川雀太鼓会」ですけど、特に前川地区にこだわっているわけではないですから、隣町から来ていただいても大丈夫です。

太鼓会に関わることで、子ども達はどんな面で成長すると感じられますか?

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メンバーは小学校1年生からOBの中学生、高校生までいるので、上下関係を意識しながらも、いい感じで仲良くしながら、年上の人は年下の子の面倒を見るなど、良い上下関係ができています。うちの会は、そういう点が特に上手にできているのかな、と思います。

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中学まで続ける子は半数いるかいないかですね。やはり部活が入ってきますから、なかなか続けるのが難しいんですが、そのあと何年か経って、「やっぱり太鼓が好きだから」ということで、戻ってくる子もいるんですよ。

音楽が苦手な子でも大丈夫でしょうか?

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それは心配ないと思います。身体もたくさん動かしますので、やっているうちに身体で覚えていけると思います。ただし、リズムが合わないと一つの作品が完成しませんので、極力全員出せるように努力はしていますけれども、必ずしも全員が舞台に出られるということではありません。

保護者が活動に関わったり、協力する場面はありますか?

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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先ほど申し上げたような各種出演に関しては、やっぱり太鼓自体が大きかったり、重かったりしますので、搬入とか搬出には保護者の方にご協力をいただいています。また、低学年の子も多いものですから、送迎などにも気を配っていただくよう、お願いをしています。

太鼓を打つ時、最も大切なことは何でしょうか。

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やっぱり「協調性」ですね。みんなと仲良く協調できる気持ちがあれば、何でもできると思います。逆に、太鼓を長くやっていれば、協調性が養われていくと思います。

前川エリアの魅力について語っていただければと思います。

私は東京生まれなんですけど、小学校の時に前川に引っ越してきて、それから40年以上ずっと、前川に住んでいるんですね。前川の魅力と言われますと、まず大きなショッピングモールが近くあって便利ですし、それだけじゃなくて、スーパーのような小さなお店もあるので、生活をするには過ごしやすい場所だと思います。川口の中心からは少し離れているので、そんなにガヤガヤうるさくはないですし、かといって、駅から極端に離れているわけではないですから、東京へは電車一本で気軽に出られます。そのへんのバランスの良さが魅力ではないでしょうか。

前川雀太鼓会 会長インタビュー
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今回、話を聞いた人

前川雀太鼓会
会長 白石巌さん

練習場所:前川公民館(埼玉県川口市前川町4-612)
練習時間:毎週金曜日19時~21時
連絡先:048-265-6616(TEL&FAX)
備考:電話番号は19時以降のみ、小学校1年生以上から会員募集中
※記事内容は2013(平成25)年7月時点の情報です。

伝統を受け継ぐ“子どもだけの太鼓チーム”/前川雀太鼓会 会長インタビュー
所在地:埼玉県川口市前川町4-612 
電話番号:048-265-6616