科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える/さいたま市青少年宇宙科学館 館長 宮原 仁さん
館長 宮原 仁さん
科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える
さいたま市浦和区の「駒場運動公園」に隣接したところにあるのが、光学式投影とデジタル映像を融合したハイブリッドプラネタリウムを持つ「さいたま市青少年宇宙科学館」。プラネタリウム以外は入館無料ということもあって、毎日大勢の子どもたちでにぎわうこの科学館。魅力はどんなところにあるのか、館長の宮原仁さんにお話を伺いました。
「さいたま市青少年宇宙科学館」の特徴を教えてください。
「さいたま市青少年宇宙科学館」は旧浦和市時代の1988(昭和63)年5月に開館し、今年で25周年を迎えました。青少年の科学に対する興味を高め、科学教育に寄与し、未来社会に対応できる創造性豊かな青少年の育成を図るという目的で作られています。ですから館の名称には「青少年」という言葉が入っています。もうひとつ「宇宙」というキーワードも入っていますが、この2つのテーマを中心に運営されています。
展示スペースには、「ふしぎ広場」、「ひまわり広場」、「宇宙広場」の3つの広場があり、見て触れて遊びながら、科学に触れる科学館です。
宇宙飛行士の若田光一さんが名誉館長だそうですね。
若田さんはさいたま市出身というご縁もあり、名誉館長をお願いしています。館内にも若田さんの特設コーナーがあります。先日若田さんの乗ったソユーズ宇宙船が打ち上げられたときは、当館でパブリックビューイングを開催して、打ち上げからISS(国際宇宙ステーション)に入室するまで大勢の方と一緒に見守りました。
プラネタリウムや天文台もあると聞きました。
プラネタリウム投影は、土・日・休日ですと4回行われていますが、基本的には今夜見える星について職員の生解説を行い、そのあとにプラネタリウム番組を投影する約50分のプログラムになります。その日の最後の投影は「星宙散歩(ほしぞらさんぽ)」と名付けて、50分間全部が職員による星の生解説になりますが、こちらの回を好んで入場される方も多いです。
当館のプラネタリウムは学校教育でも使われています。さいたま市の小学4年生と中学3年生は授業の一環として、当館か大宮の「さいたま市宇宙劇場」のどちらかでプラネタリム学習をします。昨年度はさいたま市の全小中学校160校中、127校の児童・生徒が学習しました。 また、屋上で天体望遠鏡を使って月1回観望会を行っています。プラネタリウムで今夜見える星を解説したあと、実際の夜空で星を観察します。こちらも人気で毎回150名くらいの方に参加いただいています。
その他にどのようなイベントを企画しているのでしょうか。
土曜日と日曜日には公開天文台として、屋上の天体望遠鏡で太陽の黒点を見る体験ができますし、来館者に電子顕微鏡で観察してもらうこともあります。科学に興味をもってもらえるようなプログラムでサイエンスショーもやっていますが、これもとても人気があります。館の外に出て行う自然観察などの教室も開催しています。
どんな展示が人気ありますか。
やはり特別展が人気です。今は「ダンボールのりものゆ~えんち」と名付けて、段ボールを使った乗り物や遊具を作って、子どもたちに楽しく遊んでもらうと同時に、再利用に目を向けていただこうという企画展をやっていますが、毎日、子どもたちに喜んでもらっています。 常設展示では、「フーコーのふり子」や「ボールコースター」が人気あります。
やはり親子で来られる方が多いのですか。
親子でいらっしゃる方が多いですね。およそ7割から8割が親子でいらっしゃっています。当館でも子どもたちが遊びやすい環境づくりに力を入れて、できるだけ手で触って、科学の不思議さを体験していただける展示を中心にしています。おかげさまで、「楽しかった、また来ます」といってくださる方が多くて、実際に何回もいらっしゃる方も多いです。
夏休みの自由研究にも参考になりそうですね。
当館には、科学に関する本も揃えていますから、自由研究でいらっしゃる方も多いですね。夏休み中にお母さんとお子さんが一緒に来て、どうしたら自由研究をうまくできるか相談されることもありました。毎年10月にさいたま市児童生徒科学教育振興展覧会が当館で行われています。その中で特に優れている作品を次の年の夏休みにお借りして、自由研究のテーマの参考になるように展示しています。
子どもの成長にとって、科学の大切さはどのようにお考えですか。
毎日接している身近なものでも、素通りしてしまうとそれで終わってしまいますが、そこで、どうやってできているのだろう、なぜそこにあるのだろうと疑問を持って考えると、いろいろな発見ができます。ですから、当館の展示やショーも、「なぜだろう?」と思ってもらえるように工夫しています。答えはすぐに出ないかもしれませんが、それでも「なぜだろう?」「どうして?」といった疑問をもつこと、そういった体験をたくさんしてほしいと思います。
子育ての場として、道祖土エリアの魅力はどんなところでしょうか。
近くに「駒場運動公園」があって、テニスコートや野球場、体育館とスポーツ施設が充実していますし、緑も豊かです。当館もありますから、散歩の行き先や遊び場には困らない場所だと思います。 近くに学校が多いことも、子育て環境に適した場所といえるのではないでしょうか。
複数の公立小中学校が近くにたくさんありますので、通学距離は短くて済むでしょうし、「さいたま市立浦和中学校・高等学校」や私立の一貫校もあります。教育環境としても恵まれた場所だと思います。
今回、話をお伺いした人さいたま市教育委員会生涯学習部
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科学・宇宙の魅力を子どもたちに伝える/さいたま市青少年宇宙科学館 館長 宮原 仁さん
所在地:埼玉県さいたま市浦和区駒場2-3-45
電話番号:048-881-1515
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/28~1/4)
https://www.city.saitama.jp/kagakukan/in..