伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい/今宮幼稚園 園長 岸省子先生


今宮幼稚園
園長 岸 省子先生

伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい

京都市北区の落ち着いた住宅街のなか、「今宮神社」の鎮守の森に囲まれた「今宮幼稚園」は、京都では珍しい神社保育を掲げた幼稚園。神社保育とはどんなものなのか、園の特徴や周辺の子育て環境について、園長の岸省子先生にお話をお伺いした。

今宮幼稚園の沿革と特徴についてお聞かせ下さい

今宮幼稚園 インタビュー
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鎮守の森に囲まれた「今宮神社」の境内に位置する当園は、1930(昭和5)年に創立された、85年の伝統を持つ幼稚園です。敬虔な心と報恩感謝の気持ちを養う神社保育の精神を大切にしながら、健康な心身と、伝統と文化に培われた情操豊かな子どもたちを育てることを目指して参りました。寺社仏閣が多い京都市内では数少ない神社保育の幼稚園のひとつです。

今宮幼稚園 インタビュー
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「鎮守の森は保育の庭」ということばのもと、隣接する「今宮公園」も含めて豊かな自然に囲まれている立地を活かし、子どもたちにもさまざまな自然とのふれあってもらうことを心掛けています。周辺は「今宮神社」への参道を中心に静かな住宅街が広がり、園舎の2階からは東山の大文字を望むこともできます。

神社教育とは具体的にどのようなものですか?

今宮幼稚園 インタビュー
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私たちは日本の歴史や伝統を大切にし、誇りと思いやりを持って子どもたちに接することで、豊かな人格が育てられると考えています。たとえば、年長さんは毎年5月の今宮祭の時期に「御旅所参拝(おたびしょさんぱい)」を行います。神さまが巡幸の途中で休まれる御旅所に、子どもたちが出向いていって参拝をするのです。「大徳寺」の境内を抜けて、御旅所の神さまの元を訪ねてお参りをし、「御神輿(おみこし)」にふれて、いにしえの文化を体験します。

今宮幼稚園 インタビュー
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帰りには「今宮神社」の門前名物「あぶり餅」をいただいけるというご褒美もあるので、みんな楽しみにしていますよ。また、七夕祭りには「今宮神社」の境内にある「織姫神社」にお参りも行います。西陣織なども伝統文化も大切に継承していってほしいと思っています。

体育や音楽専任の講師もいらっしゃるそうですね

今宮幼稚園 インタビュー
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自然環境に加えて人的環境もとても大切なものだと考えているので、正課の保育時間に体育、音楽、英語の専任講師に来ていただいています。子どもたちとっても有意義なことですが、先生たちも専門性の高い授業を目の当たりにすることで、スキルアップにつながっています。ちょうど今日は運動会の練習で、年中さんのバルーン練習をしているところです。年長さんは素晴らしい組み体操の演技をみせてくれますよ。

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また、保育終了後の課外教室として体操、フットサル、剣道、空手、バレエ、英語、そろばんなどの教室も開催していますので、希望に応じて参加していただけます。

「ハニークラス」について詳しく教えてください

今宮幼稚園 インタビュー
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「ハニークラス」では、2歳児を対象にした保育を行っており、満3歳になると幼稚園へ入園することになります。60人の定員ですが、現在はほぼ定員いっぱいの子どもたちが集まっています。保育内容は通常のカリキュラムとほとんど同じですが、2歳3ヵ月になったタイミングで、子どもたちが毎月入室してきますので、4月から入った子どもたちは次第に成長して、運動会や音楽会にも参加できるようになりますよ。

延長保育や休暇中保育の「キッズクラブ」も運営されているそうですね

今宮幼稚園 インタビュー
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最近は社会参画したいというお母さんも増えていますので、延長保育「キッズクラブ」も行っています。17時までのお預かりに加えて、最近は18時までの延長保育も行っています。お仕事をされているお母さんにとっては17時までだとお迎えに間に合わないので、18時までの延長保育は喜んでいただいていますね。先生方の負担は増えるのですが、女性の活躍の場を広げるための手助けとなるために頑張りたいと考えています。

また、夏休み、冬休みという長期休暇の際には、2歳から5歳までの子どもを対象にした「夏キッズ」「冬キッズ」を設けています。9時から15時までの保育で、今年の夏もお盆の前後2週間実施しましたが、参加者が80名ほどいましたよ。昨年から冬期も始めており、年末28日までお預かりしました。こちらも運営は大変ですが、ご父兄からは喜んでいただけたので良かったです。幼稚園の制度も時代の流れに合わせた変化が必要なので、これからも地域の皆さんの期待に応えていきたいと思っています。

保護者の方々も子育てに熱心だとお聞きしました

今宮幼稚園 インタビュー
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当園では伝統的に「父母の会」の活動も盛んです。園舎には「父母の会部屋」も設けてあるのですが、今日もバザー委員さんたちが集まって、カレーや焼きそばの絵を描いて看板づくりをされていましたね。普段からお母さんたちが集まってお茶を飲まれていることも多いですよ。まるでカフェのようですね(笑)。また、「美化運動、ゴミゼロの日」を定めて幼稚園の周辺と公園、神社とその周辺の清掃活動を行っています。皆さん率先して参加していただきき、ありがたく思っています。

地域との関わりや、連携などはいかかですか?

今宮幼稚園 インタビュー
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京都市北区は住環境に恵まれた教育熱心なエリアでもあり、地域横断型の支援システムも充実していると思います。「北区子ども支援センター」には行政からのさまざまな支援情報が集まっています。「NPO法人京都子育てネットワーク」が中心となって地域の保育園、乳児院、子育てグループなどと連携した支援活動を行っていますが、当園も積極的に参加しています。また、中学生の子どもたちが職業体験を行う「生き方探求・チャレンジ体験」では「保育」の仕事を体験するために地元の中学生たちが当園にやってきます。隣接する「京都市立紫野高等学校」とも一緒に活動を行っており、高校の家庭科で「保育」を学ぶ授業の一環として学生が幼稚園にやってきます。そして、幼稚園は運動会を高校のグラウンドを借りて行っています。子どもの年齢の壁を飛び越えて、地域全体で子育てをしていくという風土がある街だと思いますね。

今宮幼稚園 インタビュー
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今回、話を聞いた人

今宮幼稚園

園長 岸 省子先生
所在地:京都市北区紫野今宮町95
電話番号:075-491-0551
http://imamiya.kids.coocan.jp/index.html

※この情報は2015(平成27年)9月時点のものです。

伝統と文化を大切にする情操豊かな子どもになってほしい/今宮幼稚園 園長 岸省子先生
所在地:京都府京都市北区紫野今宮町95 
電話番号:075-491-0551
http://imamiya.kids.coocan.jp/