理事施設長 田中昭枝さんインタビュー

おでかけデビューはここから!下町のほっとできる親子の居場所/かるがも親子の家(東京都)


東京都練馬区の北町商店街の一角にある「かるがも親子の家」は、地域で子育て親子が安心して集い、育児の喜びや楽しさを実感・共有できる場所・時間の提供を目指す、子育てひろば。今回は、理事施設長の田中昭枝さんに、ひろばの利用状況や活動内容、そして北町エリアの子育て環境などについてお話を伺いました。
※この記事の情報は2021(令和3)年9月取材時点のものです。2022(令和4)年4月移転につき、現状の運用は一部記事内容からの変更があります。

お話を伺った田中昭枝さん
お話を伺った田中昭枝さん

「地域の子育て親子に居場所と安心を!」商店街の女将さんたちがスタートした見守り事業

――まず、「かるがも親子の家」の概要を教えてください。

 なんと60畳の広さ!子ども達ものびのび遊べるひろば
なんと60畳の広さ!子ども達ものびのび遊べるひろば

田中さん:運営元である社会福祉法人北町大家族は、「地域の赤ちゃんからお年寄りまで、健康で活力のある優しい街の創造」を コンセプトに掲げ、地域の公益事業と社会福祉事業の2つの事業を行っています。まず、公益事業としては 高齢者の閉じこもり対策、いきがいづくりを行う「いきがいデイサービス」と地域の方が気軽に集う街カフェとして 「練馬区支援相談情報ひろば・ハーモニー北町」という事業を展開しています。そして、社会福祉事業の方は、地元 の小学校の「学童クラブ」3施設の他、この「かるがも親子の家」をはじめとする子育てひろば2施設の運営を行っています。

 子育てに役立つ情報を提供
子育てに役立つ情報を提供

「かるがも親子の家」はニュー北町商店街の施設「北町アートプラザ」をお借りして活動しています。子育て支援の始まりは、2000(平成12年)年、当時、世間では乳幼児虐待問題がかなりクローズアップしていた時。「北町からは絶対に虐待を出さない」、そんな想いの下、商店街の女将さんたちが、施設の空き時間を地域の子育て世代に開放してあげようと見守り支援がスタートしました。
まさに「北町のお母さん」的な存在ですね。その後「こども未来財団」の支援を受け、現在の練馬区子育て支援事業「民設子育てのひろば」として15年目になります。

対象は0~3歳までの親子。
開室は、月・火・木の週3回 10~15時まで開室しております。
通常は60帖全面開放・人数制限なしでランチ利用も可能ですが、コロナ禍の現在感染対策のため、半面開放・人数制限のもと運営させていただいております。

――どんな方々がこちらを利用されているのでしょうか。

田中さん:北町エリアの方だけでなく、錦、板橋エリアなど少し離れた場所からも来ていただいております。区の広報・保健所・地元情報誌「しもねりかわら版」などでもご案内いただき月平 均利用人数は約370人、年間では4,500人程、2018(平成30)年度は、5,000人以上の方に来ていただくなどたくさんの方にご利用いただいてうれしい限りです。

元保育士だったという田中さん
元保育士だったという田中さん

地域と協力しながら子育てに役立つ情報発信や取り組みを実施

――施設内の設備やお部屋について教えてください。

田中さん:60畳の広さがある和室をひろばとして開放しています。畳が井草ではなく、和紙でできているんですよ。 ささくれもでないし、見た目も踏み心地も通常の畳と大差なく、快適です。それから、ひろばには舞台があり、子どもたちがアイドルさながらに踊っています。また低いパーテーションを設置してベビーコーナーを設けていますのでネンネ赤ちゃん親子も安心してお過ごしいただけます。

――こちらで実施している、定期プログラムやイベントはどのようなものがありますか。また、人気のプログラムや初めての方におすすめのプログラムなど教えて下さい。

田中さん:月1回の定期講座として、練馬助産師会助産師さんによる「個別育児相談」や、スキンシップマッサージ や卒乳講座が受けられる「育児講習会」、「リトミック」、さらに東京都の特定事業の「生後1~4か月の赤ちゃんとママのプログラム」や「かるがも見守り隊」、最近始めたばかりの「オンライン広場」などの定期講座を行っています。 また、不定期では「栄養講座」やピンクリボンの会の「乳がんのはなし」や日本ベビーサイン協会講師による「ベビーサイン」なども行っています。また地域消防署の「小児救急救命講座」は乳幼児のAEDの使い方を知ることができる講座なのでママだけではなくパパにもぜひお受け頂きたい講座です。また毎月の「お誕生会」の他季節行事の「ハロウィン」や「クリスマス会」にはたくさんの親子が参加してくれています。

 お母さんの声から生まれる取り組みなどもあるという
お母さんの声から生まれる取り組みなどもあるという

講座や行事でお母さん達に子育てに広がりをもっていただけたり、子育ての楽しさを感じるきっかけになってくれたらうれしいです。

――「生後1~4か月の赤ちゃんとママのプログラム」、「かるがも見守り隊」はどのような内容なのでしょうか。

田中さん:「生後1~4か月の赤ちゃんとママのプログラム」は、出産という大きなお仕事を終え身体の回復もままならない中、育児という生活が始まり、身体も心もついていかず不安になってしまうこともあるこの時期を、このひろばでみんなと気持ちを共有したり、ホッと一息ゆっくり過ごしませんかという想いで開催しているプログラムです。スタッフと一緒に助産師・保健師・栄養士・整体師などがサポートさせていただきます。 「かるがも見守り隊」は、ママの力、地域の力、社会資源の力というのを活用して、地域での見守りを推進する活動 です。主に、商店街や町内会、企業の方と一緒に行う「地域協働」、北町小学校インターンシップや大東文化大学フィールドワークの受け入れを行う「育成」、そして「ママちから」の3つの活動に取り組んでいます。 インターンシップでは、ひろばでの子育て風景を通して、「命の育み」を伝えたいと思っています。

また、「ママちから」は、「育児でストップしているキャリアや趣味を生かし、一人の女性として輝きましょう」というコンセプトで、ママたちが自分の得意を活かした講習会や「ママフェス」を開催しています。子育て中のママが「これをやりたい」「これならできそう」と、「これからが楽しみ!」という引き出しをたくさん持ってほしいですね。想像するだけでワクワクするし、やろうとする思いが、生活にハリをもたせ自分時間をつくってくれます。先日もあるママから、「ママフェス」で活躍する姿を見たご主人が、「こんなに輝いているママを初めてみた。がんばったね」と言ってくれた。というお話を聞きました。思いを言葉にしてくれるすてきな場面ですね。

地域みんなで助け合い、子育てを見守る これからも北町風土が支える取り組みを

――ご利用者同士で交流する機会はありますか。また、地域住民との協力体制や連携などがあれば教えてください。

田中さん:ひろばのママたちは、お子さんの遊びを見守りながら、また追いかけながら(笑)楽しく交流されています。また「幼稚園交流会」は、このひろばを卒園したお母さん達が協力して、地域の幼稚園の情報を体験者から教えてもらえる貴重な機会です。 また、このひろばは、地域の方々が北町での子育てを広く見守ってくれ、ご利用者同士のつながりとともに多方面で様々な世代の方とのつながりを広げてくれています。 とても心強いです。

――今後、注力していきたい活動や新たな取り組みがあれば教えてください。

 活動拠点は、隣に公園、階下にはコンビニがある便利な場所
活動拠点は、隣に公園、階下にはコンビニがある便利な場所

田中さん:親子で楽しく、安心して過ごしていたただく中、地域に根差した取り組みが出来ればと思います。私共の法人が子育て広場・学童・相談・高齢者支援という繋がりの中で活動していることにより地域の方々の声を共有することが出来ることを生かし、より身近な支援を目指していきたいと思います。

古いものも新しいものも大切にする街で 安心して子育てを楽しんでもらいたい

――練馬北町エリアで子育てすることの魅力について教えてください。

田中さん:遊ぶ子どもの姿に目の届くちょうどいい規模の公園が身近にあり、また少し足を延ばすと大きな公園も複数あり楽しめます。区民館や児童館など子育て支援をしている場所もあるので、子育ての楽しみをいろいろなところで広げていっていただきたいです。

――最後に、練馬北町エリアの街の魅力、また、今後住む方にメッセージをお願い致します。

田中さん:北町の伝統文化を大切にしながら、新しいものも取り入れている街です。町内のお祭り・神社の祭礼に加え、新しい地元文化として、北町にあった徳川綱吉御殿に由来する「徳川御殿 鷹狩りショー」、「北町阿波踊り」、広場隣りの上宿公園を飾る「クリスマスイルミネーション」はたくさんの来場者でにぎわいます。ひとことで言えば「楽しむことの大好きな街!」ですね。近くに大型店舗もありますが、ぜひ北町の商店街のお店の方とのふれあいもお楽しみください。優しさいっぱい、元気いっぱいの北町で一緒に子育てを楽しみましょう。

 田中さん(真ん中)とスタッフの皆さん
田中さん(真ん中)とスタッフの皆さん

かるがも親子の家

理事施設長 田中昭枝さん
所在地 :東京都練馬区北町2-21-5 北町2丁目町会会館 3F
電話番号:090-5777-0104
実施時間:10:00~15:00(月・木・金曜日)
URL:http://www.daikazoku.sakura.ne.jp/kitamachi.html
※この情報は2021(令和3)年9月時点のものです。

おでかけデビューはここから!下町のほっとできる親子の居場所/かるがも親子の家(東京都)
所在地:東京都練馬区北町2-21-5 北町2丁目町会会館 3F
電話番号:090-5777-0104
実施時間:10:00~15:00(月・木・金曜日)
http://www.daikazoku.sakura.ne.jp/kitama..