厚木一番街商店街振興組合 中村 茂樹さん インタビュー

2019年に50周年を迎える歩行者にむけて/厚木一番街商店街 中村さん


「厚木一番街商店街」は県央地区唯一の歩行者専用商店街で、「本厚木」駅北口の賑わいには欠かせない安心・安全の商業通りだ。誕生から50年目となる2019年に向け、街路灯のリニューアル工事も控えている。時代とともに少しずつ姿を変えてきた同商店街の振興組合を訪ね、お話を伺ってきた。

地域に欠かせない存在として

県央地区では唯一の歩行者天国の商店街
県央地区では唯一の歩行者天国の商店街

――「厚木一番街商店街」の概要を聞かせてください。

中村さん:「厚木一番街商店街」の歴史は1969(昭和44)年7月から始まります。それまでは「中野通り」という名称で、現在のような石畳ではなく、歩行者専用にもなっていませんでした。また、「本厚木」駅北口の光景に欠かせない「厚木ダイヤプラザビル」もまだ存在していない時代ですね。
商店街の店舗数は時代とともに増減を繰り返しながら、現在はメインストリート沿いに約100店舗。全体としては約120店舗で、その半数程度が「厚木一番街商店街振興組合」の会員です。商店街の特徴としては、県央地区では唯一の歩行者専用商店街ということですね。2019年は商店街の誕生から50年目になりますので、記念イベントの準備をこれから進めていきたいと思っています。

取材にご協力頂いた中村さん
取材にご協力頂いた中村さん

――商業という観点で、本厚木の歴史を教えてください。

中村さん:江戸時代には“小江戸”と呼ばれたほどに活気と華があり、商業が大変盛んな街でした。その中心にあるのが相模川で、水運を利用し、生産物を河口まで運んでいたそうです。輸送手段も商いの方法も時代とともに変わってきましたが、「厚木一番街商店街」を含めた厚木市の商業における歴史を遡っていくと、江戸時代に辿りつくことになります。
近年はチェーン店の割合が増え、駐車場やマンションもできました。駐車場と住居が増えると商店街の賑わいは失われると言われますが、当商店街の場合は、住民の方も近くで買い物をしてくれるので、幸いにしてそのような状況にはなっていません。ただ、時代の流れは変わっていくので、今後もこの現状を維持していけるように施策をとることも重要だと考えています。

厚木一番街商店街
厚木一番街商店街

――商店街は様々なイベントが行われていると伺いました。

中村さん:商店街が単独で開催するイベントはありませんが、「かながわのまつり50選」にも選ばれた「あつぎ鮎まつり」では、通り沿いに屋台が60店舗ほども出店しますし、和太鼓やフラダンスの披露もあります。どのイベントも規模が大きいので、いずれも厚木市、商工会議所などと共同で進めています。

「あつぎ鮎まつり」
「あつぎ鮎まつり」

――独自で開催するという選択肢も含め、現在企画しているイベントなどはありますか。

中村さん:イベントを開催しても、そのときだけ盛り上がるというのでは意味がありません。それにイベントが多いことで、それが当たり前になってしまうのもよくありません。イベントそのものが目的となるのではなく、商店街全体が盛り上がるためにはやはり各店舗が成長することに尽きるのではないでしょうか。それがなければ、商店街の発展もないでしょう。

迫力満点の和太鼓の演奏
迫力満点の和太鼓の演奏

――では、“各店舗の成長”に欠かせないものとはなんでしょうか。

中村さん:成功と失敗の共有ですね。商店街の中には、大手チェーンのようにノウハウがあるお店ばかりではありません。業態ごとに「この時間帯ならこうした方がいい」、「この季節ならこれを売る方がいい」といったヒントを求めているお店も多いと思います。マクロ的な見方は大切ですが、ミクロ的な視野に基づいた分析と行動も重要ですね。

各店舗の成功・失敗事例の共有
各店舗の成功・失敗事例の共有

これからが楽しみな未来風景

――「厚木一番街商店街」や本厚木について、どのような未来を思い描いていらっしゃいますか。

中村さん:「海老名」駅周辺の開発が進んでいますが、ショッピングの時などに、飲食店の数が圧倒的に多い本厚木にも立ち寄ってもらえるよう、さらに魅力を高めていきたいですね。勝ち負けだけではなく、相乗効果で互いに発展できるはずだと考えています。また、厚木市には世界的な大企業があり、海外からのビジネスパーソンが大勢やってきます。そのような方々などに対しても、純粋な観光客とは異なるアプローチができたらと検討しています。

これからの厚木一番街商店街
これからの厚木一番街商店街

――「厚木一番街商店街」のお店や、周辺の好きなスポットについて教えてください。

中村さん:宮ヶ瀬湖や丹沢山地をはじめとした豊かな自然が残っているだけでなく、ゴルフ場や温泉など気軽に行けるスポットもあります。また、厚木市全体は“車社会”ですが、一方で本厚木は街の中心部までは車乗り入れることができ、買い物がとてもしやすいという特徴があります。また、現在「本厚木」駅南口では再開発が進んでおり、一連の工事が終わればさらに活気が出てくることでしょう。また、「厚木一番街商店街」で個人的に好きなのは、「波多野商店」の「とん漬」です。手土産に持っていけば、きっと喜ばれると思いますよ。

中村さん
中村さん

厚木一番街商店街振興組合

理事長 中村 茂樹さん
所在地:神奈川県 厚木市中町2
電話番号:046-224-4261
URL:http://www.atsugi01.com/
※この情報は2018(平成30)年9月時点のものです。

2019年に50周年を迎える歩行者にむけて/厚木一番街商店街 中村さん
所在地:神奈川県厚木市中町2 
http://www.atsugi01.com/