安心・安全な子育て・学習環境が魅力/江東区立東陽小学校 藤田賀子 先生
「東陽町」駅から徒歩3分、近隣には「江東区役所」や図書館などの公共施設の他、公園や植物園等の自然とふれ合えるスポットもあり、恵まれた子育て環境下にある「江東区立東陽小学校」。100年以上の歴史を持ち、江東区の中でも伝統ある学校として地域に親しまれて続けている。そんな小学校の教育方針や取り組み、そして地域との関わりについて、藤田校長先生にお話をうかがった。
2019年で開校119周年、地域で子どもを見守り続ける伝統校
――学校の沿革について教えてください
藤田校長先生:本校は1900(明治33)年に開校し2019年で119周年を迎える、地域の発展とともに歩んできた伝統ある学校です。過去には大震災、空襲などの様々な苦難を東陽の町、そして江東区とともに乗り越えてきました。校章には東からのぼる朝日がデザインされていますが、太陽のようにすべてに積極的であれという願いを込めて作られたようです。
4月からは通常学級が19クラス、特別支援学級「なかよし」が3クラスとなり、600人を超える学校になります。私自身は就任してまだ1年ですが、子どもたちがとても素直で明るく、また保護者の方々もとても協力的で何よりも地域がしっかりしている学校だと思います。
子どもとのコミュニケーションを大切にした、夢と笑顔を生み出す学校づくり
――教育目標とそれに向けた取り組みとして、どのようなことを行っているのでしょうか。
藤田校長先生:本校の教育目標は、「よく考え進んで実行する子」「豊かな心をもち、仲よく助け合う子」「健康でねばり強い子」の3つです。それらの目標を『笑顔と夢があふれる東陽っ子』として、学ぶ楽しさ、教える喜び、安心して通わせられる信頼のある学校づくりを推進できるよう教育活動を実践しています。特に30年度は「豊かな心をもち、仲よく助け合う子」に重点を置いて、心の教育に特化して指導をしています。本校には特別支援学級がありますので、どの子も認められ、一人ひとりの個性を尊重した関わりができるようにということで、いろいろな交流活動を中心に行っています。具体的な活動としては、例えば1年生と6年生が兄弟班のように活動する「ペア学年交流」、通常学級・他校の特別支援学級・特別支援学校との交流、それから「あいさつ運動」などです。あいさつ運動は、毎朝6年生が校門に立って私と一緒にあいさつをする活動です。3月からはバトンタッチして5年生の担当になりましたが、元気にあいさつをすることが心の交流や関わり合いの第一歩ということで、頑張ってやってくれています。
それから、今年度から小学校では道徳が教科化されました。そこで校内での教員の研究も道徳に設定し、子どもの道徳的心情など心の育成についても研究に取り組んでいます。いい答えを求めるのではなく、子どもが今まで考えなかったことに気づくことによって、その気づきを基点に自分の考えを友達と議論することが大事という観点から研究をしています。
こうした取り組みを実施する上で、指導する側として大切にしていることは「子どもと先生がよく話す」ことです。子どもとの人間関係を築くために、接する時間を作ったり声掛けを積極的に行うようにしています。
――現在特に力を入れているのは、どういった取り組みでしょうか。
藤田校長先生:2020年にオリンピック・パラリンピックが東京で開催されますので、東京都の学校は様々な取り組みを行っています。本校は特に東京都オリンピック・パラリンピック教育アワード校(顕彰校)に指定され、率先して各教科・総合的な活動と関連付けながらオリパラ教育を実施しています。
これまでに、オリンピアン・パラリンピアンの方々に来ていただき、実際にその競技を体験したり、夢をもつことの大切さについてお話を伺ったりしました。30年度は、ボッチャ体験(1~3年生)、車椅子バスケット体験(全学年)、Jリーガーによるサッカー教室(3・4年)、トライアスロン選手による講演(6年生)を行いました。また、障害者理解を中心に進めているので、3年生は毎年視覚障がい者の郡司ななえさんに盲導犬のことや共に生きることの大切さについて講演していただいています。その他にも、外国の大使館の方からその国のことを聞く機会も作っています。こうした体験を通して、子どもたちは改めて、今まで知らなかった競技のこと、外国のこと、選手たちの努力・苦労などがわかり、粘り強く取り組むこと、夢をもつことの大切さや互いに助け合い、支え合うことなどを学習することができました。
「地域ぐるみで子どもを育てる」という意識が根づいた環境での地域連携
――続いて、「ウィークエンドスクール」について教えてください。
藤田校長先生:2003年度から週休2日制になり、子どもの土曜日の過ごし方が変わりました。保護者の方々は土曜日とはいえ仕事の方も多く時間的余裕が少ないのが現状でした。そこで、2004年度「東陽小学校」では行政からの要望もあり、日頃から熱心に青少年の育成に応援をいただいている東陽地区連合町会、青少年対策東陽地区委員会(地区対)、青少年委員会、ジュニアーリーダースクラブ、東陽小PTAと教育委員会生涯学習課(現在は放課後支援課)が集まり、子どもたちの健やかな成長を支援する事業(ウィークエンドスクール)を立ち上げました。簡単に言うと地域住民のボランティアの方々が講師及び運営の主体となって、学校が休みの土曜日に「東陽小の教室や体育館」を有効活用し、普段学校の授業発足から今年で16年も続いている取り組みです。
30年度は、スポーツチャンバラ、ヒップホップ、剣道などのスポーツの他、水彩画や将棋、お話会、英会話など10種類の教室を実施しました。参加者からは、「また参加したい」「地域の方と仲良くなれてよかった」といった好反応をいただいています。
――地域・保護者の方と一緒に取り組まれていることはありますか。
藤田校長先生:学校支援地域本部ができ、「SUNSUN東陽応援団」という名称で学校・家庭・地域が一体となって学校の活動を支える活動を行ってくれています。現在、図書室環境づくり、登下校の安全見守り、花いっぱい活動、学校行事での支援などボランティア活動が始まったところです。
また、本校には課外活動として金管バンドクラブがあり、PTAの支援部が中心となって活動を後押ししてくれています。銀座柳祭り、江東こどもまつり・区民まつりパレード、バンドフェアなどに参加したり、地域のクリスマスイベントに招待されて演奏したり、3月末には定期演奏会も行いました。
それから江少連野球では、4年生以上の学級がチームを作り、本校と南陽小学校のクラス対抗の野球大会を一年を通して行っています。2月には、決勝大会、卒業記念大会も行われました。その他にも、歩け歩け大会、消防団とPTAの連携で、どじょうつかみ大会などいろいろな取り組みを実施しています。
――児童が地域に出て行って活動をするようなこともあるのでしょうか。
藤田校長先生:3月10日の東京大空襲で犠牲になった方々の慰霊のために建てられた「親子地蔵」のお参りに3年生が毎年出かけたり、町会長さん方から戦争や疎開の話などを伺い、二度と戦争が起こらない世の中について考えるきっかけとしています。その他にも、「木場公園」の観察や下水道工事の見学、地域にある工場に行って学習をしたりもしています。2019年度は、ボランティア活動を増やそうと考えており、学校周りの地域清掃活動を全学年で実施する予定です。
――最後に、小学校周辺の子育て環境の魅力を教えてください。
藤田校長先生:東西線の「東陽町」駅から徒歩1分、「江東区役所」にも一番近い学校です。公園や緑道などの自然も周りにはたくさんあるので、住むのにも学習環境としても便利なところに学校はあります。また各町会をはじめ、地域の住民の方々がとても学校に協力的で学校を大切にしてくださっていて、地域とともに子どもを育てる環境がある、そんな安心・安全な地域だと思います。
江東区立東陽小学校
校長 藤田賀子 先生
所在地:東京都江東区東陽3-27-12
電話番号:03-3644-0406
URL:http://toyo-sho.koto.andteacher.jp/
※この情報は2019(平成31)年3月時点のものです。
安心・安全な子育て・学習環境が魅力/江東区立東陽小学校 藤田賀子 先生
所在地:東京都江東区東陽3-27-12
電話番号:03-3644-0406
http://toyo-sho.koto.andteacher.jp/