縁を辿って出会った総曲輪の街で、垣根のない空間を目指す/SIXTH OR THIRD COFFEE STAND 井上佳乃子さん
近年、個性的なお店が増えている総曲輪エリア。本願寺富山別院の長屋の一角に、2018(平成30)年2月にオープンしたカフェ「SIXTH OR THIRD COFFEE STAND」がある。富山城下町に新たな憩いのスペースを提供する同店のオーナー・井上佳乃子さんを訪ね、開店の経緯やこの街の魅力についてお話を伺った。
縁とタイミングでお店を開くことを決意
――「SIXTH OR THIRD COFFEE STAND」を開くきっかけを教えて頂けますか?
井上さん:この場所を選んだのはある縁からです。この長屋で民芸品や手仕事の雑貨を扱う「林ショップ」というお店を経営している友人がいるので、ここには過去に何度も遊びにきていました。その友人に数軒隣りのお店が空くということを教えてもらい、もともと海外でカフェやベーカリーで働いた経験があり「いつか自分のカフェをオープンできたらいいな」とずっと思っていた夢が、ふと実現できるのではないかと思ったのです。息子も大きくなって手がかからなくなってきていたので、そろそろ次の段階に進むタイミングかもしれないな、と思いました。
店名については、お客様にもよく聞かれますが、お店が入居する長屋の“端から数えて3軒目、反対側からは6軒目”という意味です(笑)。最近は地元の若い方だけでなく、中高年の方、また海外から富山に観光でいらっしゃている方なども立ち寄ってくれますね。
――人気のメニューを教えてください。
井上さん:季節によって違いはありますが、人気があるのは「ジブラルタル」というエスプレッソ感の強いカフェラテです。リビー社のジブラルタルグラスを使っていることから、このネーミングにしました。また、「オーツクッキー」や「クリームビスケット」など4種類ほど用意している焼菓子は、母がつくる自家製のものです。ぜひ、気軽にサクッと食べていただきたいですね。
誰もがほっとできるような、ボーダレスな空間を目指して
井上さん:ペットを連れている方、近くを散歩している方、また近所の子どもたち――。状況・背景はそれぞれ違っても、誰にとっても垣根のないお店でありたいと考えています。内側と外側の境界線を引かないように心がけながら、ここで一杯のコーヒーを飲むことで気持ちが楽になったり、気分転換になったりする特別な時間を提供できる空間が理想です。
――カウンターに立たれていて感じることなどはありますか?
井上さん:ついつい声を掛けたくなってしまう性格なので、ここでは色々な会話が交わされます。同じ空間の同じ時間でも、そこにいる人によってお店の雰囲気が大きく変わります。この仕事をしていていつも感じる不思議であり、面白さですね。
変わりゆく街とともに
――「SIXTH OR THIRD COFFEE STAND」がある総曲輪エリアについても聞かせていただけますか?
井上さん:ここから歩いて10分ほどの場所に住んでいるのですが、日常で車を運転することはほとんどありません。たまに市内電車を利用するくらいで、自転車で生活できるのが良いですね。また、お店を出してからまだ2年も経っていませんが、それでも周りには色々なお店がオープンしました。個人経営のお店が多く、それぞれ個性があるので街歩きがさらに楽しくなりましたね。特にこの周辺はお店同士の交流もあって、その延長に街としての団結力があるのかなと感じます。
――最後になりますが、総曲輪エリアでの生活を検討している方にメッセージをお願いします。
井上さん:お店を経営するということは、人と人との繋がりがとても大切になってきます。それが欠けていれば、なかなか上手くいかないでしょう。カフェの経営を通じてこの街の温かさ、そして人情味を改めて感じました。住めば実感できる街の良さだと思います。
SIXTH OR THIRD COFFEE STAND(シックス オア サード コーヒー スタンド)
店長 井上佳乃子さん
所在地:富山県富山市総曲輪2-7
URL:https://www.facebook.com/SIXTH-OR-THIRD-541696516202085/
※この情報は2019(令和元)年8月時点のものです。
縁を辿って出会った総曲輪の街で、垣根のない空間を目指す/SIXTH OR THIRD COFFEE STAND 井上佳乃子さん
所在地:富山県富山市総曲輪2-7
営業時間:10:00~17:00
定休日:水曜日、第2・4火曜日
https://www.facebook.com/SIXTH-OR-THIRD-..