吉祥寺・大正通りの脇に“日本初進出”したパリ発のパティスリー&ブーランジェリー/リベルテ東京本店(吉祥寺店)
2018(平成30)年3月、吉祥寺東急百貨店の裏手に、新たなパティスリー(フランス語で菓子工房)&ブーランジェリー(同・パン工房)が誕生した。フランスはパリ10区で、味にうるさいパリっ子に圧倒的な支持を受ける「リベルテ・パティスリー・ブーランジェリー」。その日本進出1号店となったのが、この吉祥寺店である。
2018(平成30)年10月には京都にも支店を構え、現在は世界4店舗の展開となっているが、なぜ、日本1号店を東京都心ではなく吉祥寺にしたのだろうか。今回はリベルテ日本法人の広報の方に、吉祥寺店の特徴と、吉祥寺に出店することになった経緯などをうかがった。
――リベルテ東京本店(吉祥寺店)の概要について教えてください。
まず、「リベルテ」というブランド自体のことですが、パリには「10区」といわれている地区があります。そこはサンマルタ運河という美しい運河があったり、歴史的な町並みがあったり、一方では、新しい感覚をもって起業したりする方が多かったり、という地区なのですが、その10区に2013(平成25)年にオープンしたのが「リベルテ」というブランドになります。オーナーはフランス人でして、「100年間そこにあり続けているかのような存在」をポリシーにしている、パティスリーでありブーランジェリーです。
その後、縁があり東京に出店することが決まった際には我々も様々な土地を候補としましたが、最終的にこの吉祥寺に落ち着くこととなりました。
その最大の理由としては、吉祥寺が私たちの愛するパリ10区にとても似ている、というところにあります。井の頭公園はサンマルタ運河のように憩いの水辺として市民に愛されていますし、歴史のある閑静な住宅街や美しい町並みのなかに、新しい感性をもったお店がある点など、本当にパリの10区と似ているんですね。これほど似ている街は東京の都心にも無くて、もちろんオーナーも吉祥寺に来て、非常に気に入ってくださったということで、ここが日本初出店となり、日本本店となりました。
オーナーはもともとシェフやパティシエではなく、経営学を学んでいた方ですので、パリの店も日本の店も、「職人たちがお互いに切磋琢磨しながら、店を大きく成長させていく」ということを重視していまして、そのうえで、「長く街の人々に愛される店」であることを重視しています。ですからこのブランドでは誰一人の職人をフューチャーするわけではなく、「みんなでひとつのブランドを作り上げていく」という考え方のもとで、お客様の意見も大切にしながら、地域に密着した店作りを心がけている、という点が特徴になっています。
――お店のおすすめ商品を教えてください。
うちのシグネチャー(看板商品)としましては、「タルト シトロン」というお菓子があります。このお菓子はレモンを皮ごとぎゅっとクリームの中に詰めてタルトの上に絞ったものでして、日本ではフルーツを「乗せる」という使い方が多いですが、フランスは「クリームをどうアレンジして美味しく食べるか」ということを考える文化がありますので、フランスの食文化を体験していただけるという意味でも、初めての方にまずお薦めしております。
一つの「タルト シトロン」に2分の1個分のレモンが使われておりまして、比較的甘みも抑えられていますので、甘いものが苦手という方にもご好評をいただいています。品のいい酸味と甘みが絶妙に組み合わされた、マリアージュを感じていただけるお菓子になっているかと思います。
パンについてはいくつかお薦めしたいものがありまして、ひとつは「パン リベルテ」という、ブランドネームが付いているパンですね。見るからに巨大なパンですが、実は本店ではこの2倍のサイズで焼いています。硬そうに見えますが、クラストはかりっと、中はもっちりとしているセミハード系のパンでして、自家製のルヴァンを使用していて、朝食でジャムと一緒に召し上がっても、ディナーでシチューなどと一緒に召し上がっていただいても美味しいですよ。
もうひとつ、人気があるのはクロワッサンです。こちらにはEU(欧州連合)の厳格な基準をクリアした「AOPバター」というものを使っていまして、非常に軽やかな食感ということで、皆さんに大変好評をいただいています。私もこれをはじめて食べた時にはすごく感激しましたし、いくつでも食べたくなるような軽やかさがありつつ、食べごたえもあってという、不思議なクロワッサンです。
このほかにも、季節ごとの新商品や、京都店、パリ本店とも連動した限定商品なども登場していきますので、こちらも楽しみにしていただきたいと思います。
――店内の雰囲気やインテリアも素敵ですね
すべてのパンやお菓子と同じく、インテリアにも「パリを感じさせる何か」を取り入れるようにしています。2階にあるカフェの、椅子やテーブルはフランスのカフェテリアで実際に使われているメーカーのものですし、窓側にはパリのテラスの空間を体験していただこうとカフェテラス風の席も設置しているのも特徴です。
このカフェは朝9時からスタートしていまして、遅めの朝食をとられたり、なかにはそのままお友達とおしゃべりされてお昼を召し上がって帰られる方もいらっしゃいます。11時までは1階で買ったパンを持ち込んで召し上がっていただくこともできます。午後はお子様連れのお母さん方が多くなってきます。エレベーターもあるので、ベビーカーでも気軽にご来店いただいているようです。吉祥寺にはこれだけの席数があるカフェも稀少なのか、グループの方もすごく多いですね。
どの世代の方にも気軽に足を運んでいただき、食からも、空間からも、パリを感じていただければ嬉しいです。
――カフェではランチもいただけるそうですね。詳しく教えてください。
11時からはランチの時間帯で、ワンディッシュのお料理を頼むと、そこにパンの食べ放題が付いてきます。これにプラスでドリンクをオーダーされる方が多いですね。特に「3種のデリプレート」は人気が高いメニューでして、旬の野菜をたっぷり使ったデリ3種と、グリーンサラダを盛り合わせています。
一皿でだいたい300グラムくらいのお野菜がとれてしまうというもので、見た目も華やかですから、皆さんけっこう驚かれています。そこに季節に合わせたディップも付いていまして、こちらもご好評をいただいています。「見てたのしい、食べてうれしい」というのがうちのカフェメニューコンセプトですので、見た目にもこだわっています。
――吉祥寺の街について、どのような点が魅力だと感じられていますか?
この店を展開するにあたってのコンセプトが、「パリの空気感をそのままに、パリのおいしい日常をお届けする」ということでしたので、そのイメージに合った街を探した時に、まず行き当たったのが吉祥寺だったんですね。最初にも申しあげたのですが、吉祥寺には井の頭公園という憩いの場所があって、緑や水もあって、新しいカルチャーもあって、若い方もお年を召した方もたくさん暮らしている。そういった特徴が、すごくパリの10区と似ていますし、皆さんがいきいきと日常を楽しんでいる、という素敵な街だと思います。
私どもとしましても、今後もこの吉祥寺の地に根づいて、皆さんと一緒に、「100年前からここにあり続けている」ようなお店づくりを目指していきたいと思っていますので、ぜひ気軽にご来店いただければと思います。
今回お話を聞いた方
株式会社 LIBERTE JAPON 広報担当
リベルテ東京本店(吉祥寺店)
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-3
URL:https://libertejapon.com/
※この情報は2019(平成31)年2月時点のものです。
吉祥寺・大正通りの脇に“日本初進出”したパリ発のパティスリー&ブーランジェリー/リベルテ東京本店(吉祥寺店)
所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-3
https://libertejapon.com/