世界一のプラネタリウムも!/「多摩六都科学館」 春口さん
新青梅街道から住宅地の中へ少し入っていくと、ひょっこりと現れるたまご型の建物。「多摩六都科学館」は、こんなにも閑静なロケーションにありながら、実はギネスにも認定されている世界一のプラネタリウムを備えている科学館。同館は週末になると多くの親子連れでにぎわう人気スポットだが、平日はとても落ちついた雰囲気があり、大人でもゆったりと楽しむことができる。今回はこの「多摩六都科学館」の魅力について、広報担当の春口芽生さんにお話を伺った。
――「多摩六都科学館」の開館の歴史について教えてください。
春口さん:この「多摩六都科学館」は1994(平成6)年に開館して、間もなく25年を迎えます。この北多摩5市(小平市、東村山市、清瀬市、東久留米市、西東京市)がもともと「多摩六都」と呼ばれている地域で、この5市で「子ども向けの科学館、またはスポーツ施設か公園を作ろう」という気運が高まったそうなんです。そこで、5市で組合を作り、話し合いをした結果、最終的に「子どもだけでなく、生涯学習の拠点となる科学館」を作るという結論に至り、開館が決まりました。今は年間25万人程のお客さんが来館されています。
科学に関する幅広い展示を行っていますが、一番の特徴はやはり、プラネタリウムですね。25年前の開館当時は世界一の大きいプラネタリウムだったそうなんです。今は大きさは世界で4番目ですが、2012(平成24)年にプラネタリウムのリニューアルを行い、1億4000万個以上の星を映せる設備に変わったことで「星の数」で世界一に認定されました。
――「多摩六都科学館」にはどんな方が来られていますか?
春口さん:ほとんどが小学生の子どもを連れたファミリーの方ですね。中でも、近隣にお住まいの方の利用が大半を占めています。そういった意味では、科学館としてはかなり身近で気軽に利用していただけている施設なのかなと思っています。
また、プラネタリウムのリニューアルをしてからは若い方やシニアの方の利用も増えてきています。平日の落ち着いた時間帯などは、シニアの方がお友達同士でいらっしゃったり、大学生がカップルで来たりといった姿もよく見かけます。平日の午前中は学校向けの「学習投影」をやっていますので、地域の小学校の利用もとても多いですね。
――各展示室について、特徴的な部分を教えてください。
春口さん:館内には「チャレンジの部屋」「からだの部屋」「しくみの部屋」「自然の部屋」「地球の部屋」という5つの展示室があります。まずは科学の入口として「チャレンジの部屋」があり、「ものは何からできているのか」や物理など科学の基礎になるような部分を体験しながら学べるようになっています。実物大のスペースシャトルの模型もありますよ!
「からだの部屋」では、「香りあてクイズ」やもぐらたたきのようなゲームを通して反射速度を調べられるような展示もあり、五感を使って楽しんでいただけます。また、「からだの部屋」の一角には、「からだラボ」というコーナーがあり、知恵の輪やパズルなどの簡単な遊びをすることもできます。コーナーを担当するボランティアの方の投げかけがとても上手なので、楽しくコミュニケーションを取りながら、ちょっとした頭の体操としてもおすすめですよ。
また、「しくみの部屋」は、電気や水道などの街のライフラインや、ものが動く仕組みなどを主に紹介している部屋で、一角には同様に「ラボ」があり、簡単な実験や工作ができるようになっています。さらにこれはかなり貴重なものですが、大阪万博で活躍した「相澤ロボット」の展示があり、今でも実際に動かすことができるんですよ。(※イベント時のみ)
その他にも生き物の展示がある「自然の部屋」や化石や地質の展示を行う「地球の部屋」など、全てとても充実度が高いものになっており、さらにどの部屋にもスタッフが常駐しているので、わからないことがあれば、オレンジ色のジャンパーを着たスタッフに気軽に話しかけてみてください!
――それぞれの展示室の「ラボ」では具体的にどんなことを体験できるのでしょうか。また、ラボ以外でも人気の企画があれば教えてください。
春口さん: 「しくみラボ」では「わくわく実験タイム」を行ったり、「しぜんラボ・ちきゅうラボ」では「観察ひろば」というイベントを行うこともあります。内容はその日によって変わりますが、ラボでは参加申し込みが不要のイベントも多いので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。
また、ラボ以外で人気が高いのは、夏休みに毎年恒例で開いている「昆虫標本教室」ですね。これは専門の先生が来て、一人ひとつ配られる昆虫の個体に針をさして、ポージングをつけながら、オリジナルの標本を作るというもので、毎回すごく人気ですね。
――プラネタリウムでは、どのようなプログラムが人気なのでしょうか?
春口さん:やはり生解説のプログラムですかね。これは約45分間の上映時間中、解説員が生解説を行うというプログラムで、平日は1日1回、水曜日と土日は1日に2回上映しています。(※12月と1月は水曜以外の平日も2回上映)全体のテーマは2か月ごとに変わりますが、話す内容は客層や担当の解説員によって変わりますので、本当に毎回内容が違ってくるんですよ。同じテーマの期間中に、何度も足を運ぶ方もいらっしゃるくらいです。やはり一般的な録画のプログラムだとその時々に見える星の話題や、最新の天文のニュースというタイムリーな情報を届けられないので、そういった話題をリアルタイムにお届けできるという点も、生解説の魅力かなと思っています。
――大人気のプラネタリウムですが、予約や行列の状況はどうなのでしょうか?
春口さん:予約はできず、当日券を上映当日の9時半から先着で販売しています。平日は満席になることは少ないのですが、特に連休の時などは午後の生解説付きの上映が10時台には満席になってしまうということもあります。当館は何度でも再入場できるので、朝に来てまずチケットを買って、上映時間になってまた来るという方もいらっしゃいます。
――生解説以外に、特徴的な上映があれば教えてください。
春口さん:毎月1回、第3木曜日に「思いやりプラネタリウム」という催しをやっています。この時には「子どもが騒いでも大きな心で見守ってくださいね」ということをアナウンスしていますので、乳幼児連れの方や障害をもった方でも、気兼ねなく入れるような上映回になっています。また、毎月やっている「天体観望会」という企画も人気ですね。これは夜に当館の屋上を使って、星を見ていただく会ですが、事前にプラネタリウムで「今日の星空」を勉強してから、外に出るような流れになっています。屋上には望遠鏡をいくつか置いて、月のクレーターを見たり、火星を見たり、土星のリングを見たりといった体験ができるようになっています。
――5市の方に、特にお得なサービスなどはあるのでしょうか?
春口さん:間もなく25周年を迎えるということで「5市感謝ウイーク」というプレ企画をやっています。この企画は2018(平成30)年11月には清瀬市に在住・在勤の方向けに、そして2019(平成31)年の1月には西東京市の方向けに、入館料半額で入っていただけるというものになっています。この時には地域の特産品を販売したり、地域から見える星空をプラネタリウムに映すので、その地域以外の方にも楽しんでいただけると思います。
また、3月には毎年恒例のイベントとして「市民感謝デー」があり、5市に在住・在勤の方は入館料が無料という日になっています。この日は特産物のお店がずらっと並び、1年で一番盛り上がる日となりますので、ぜひお越しください!
――地域の方々との交流について教えてください。
春口さん:実は、当館は地域のボランティア活動に支えられている館で、現在は大人110名、ジュニアボランティア58名が登録しています。ジュニアボランティアは、小学5年生から高校生までの子どもたちです。そういったことも含めて、地域の方の支えあっての科学館なのだなと日々感じています。
――地域の方にこういう使い方をしていただきたいなという思いはありますか?
春口さん:今は少子化ということもあって、「子どものためだけの科学館」ではなくなってきているという背景があります。ですから私達としても、意識的にプログラムに多様性を持たせるようにしていますし、カフェのメニューに関しても、子ども向けのものではなくて、地域の特産物を使ったものをご提供するなど、大人も楽しめる作りに変えてきています。
また、年間フリーパスポートもありますので、ぜひ気軽に足を運んでいただければ嬉しいです。
多摩六都科学館
多摩六都科学館 パブリックリレーションズグループ
春口芽生さん
所在地 :東京都西東京市芝久保町5-10-64
電話番号:042-469-6100
URL:https://www.tamarokuto.or.jp/
※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。
世界一のプラネタリウムも!/「多摩六都科学館」 春口さん
所在地:東京都西東京市芝久保町5-10-64
電話番号:042-469-6100
開館時間:9:30~17:00(最終入館16:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日 ※春、夏、冬休み期間中の月曜日は開館)、祝日の翌日、年末年始 ※保守点検等、臨時休館あり
https://www.tamarokuto.or.jp/