クラシカルさと新しさを併せ持ち、地域にも愛される老舗ホテル――「東京プリンスホテル」マーケティング戦略/スーパーバイザー 野原茉美さん


「東京タワー」のすぐそば、「増上寺」の隣に、上品な佇まいで建つ老舗のハイクラスホテル「東京プリンスホテル」。このホテルは1964(昭和39)年にこの地に開業して以来、日本の近代シティホテルの先駆のひとつとして、時代によって変化する“東京”の姿を映し出してきた。
同じ時期に創業した他のホテルが軒並み建て直しを決断する中で、往時の姿を留めながら、中身をブラッシュアップして時代の要望に応えていく姿は、昔からの顧客を大切にしている証。一方でSNSなどを使って積極的に情報発信も行っており、若い世代からも「レトロなのに新しい、東京のおもしろさを再発見できる場所」として人気のスポットだ。
今回はその「東京プリンスホテル」の見どころや思い、地域との関わりなどについて、広報担当の野原茉美さんにお話を聞いた。

お話を聞いた野原さん
お話を聞いた野原さん

長年多くの人々に愛されてきた老舗ホテル

――まず「東京プリンスホテル」の概要、特徴について教えてください。

野原さん:1964(昭和39)年、前回の東京オリンピックに合わせてできたホテルでして、2019(令和元)年9月1日で55周年を迎える長い歴史を持ったホテルです。外観はほぼ当時のままになっておりまして、開業当時から愛してくださっているお客様も多くいらっしゃいます。クラシカルな部分は残しつつも、時代に沿って新しいことにも取り組んでいるという点が当ホテルの特徴になっております。最近では2016(平成28)年に約1年をかけて大規模な改装工事を行いました。この改装ではクラシカルな中にも華やかさをプラスするよう、ロビーやお部屋に赤を基調にしたデザインを取り入れました。館内の随所に、改装前のクラシカルさもほどよく残っていますので、おうちに帰ってきたような落ち着きを感じつつ、都会的で華やかな雰囲気も感じていただけると思います。

「東京プリンスホテル」。「東京タワー」のすぐ横に位置する。
「東京プリンスホテル」。「東京タワー」のすぐ横に位置する。

宿泊だけに留まらない幅広いサービスを用意

――近隣に住まわれている方に向けて、おすすめの使い方などありますでしょうか。

野原さん:改装の際に新しくできたホテル3階のレストラン「カフェ&バー タワービューテラス」をおすすめしたいですね。名前の通り、屋外のテラス席がメインになったレストランでして、「東京タワー」を目の前に見上げていただけるようなロケーションになっています。近隣にお住まいの方でしたら「お天気がいいからちょっと出かけてみようかしら」という感じで、気軽にご利用いただけるかと思います。 軽食はもちろん、アフタヌーンティーなども提供していますので、東京ならではの絶景を楽しみながら、ゆっくりとくつろいでいただければと思います。

「カフェ&バー タワービューテラス」からの眺め
「カフェ&バー タワービューテラス」からの眺め

6~9月にかけてはビアガーデンも営業しています。都心にありながら緑に囲まれた空間で、近隣で働いているお客様がお仕事帰りに寄ってくださることも多いですし、屋外の席ではバーベキューもできますので、ビールを飲みながら、手ぶらでバーベキューを楽しみに来るという方も多いですね。

――その他にも人気のサービスがあればぜひ教えてください。

野原さん:夏期に営業している「GARDENPOOL」です。プールはもちろんご宿泊の方も利用されているのですが、近隣の方も多く利用されています。単日から利用いただけますが、特にお得な「シーズンパスポート」を購入される方が多いです。パスポートの特典として、通常のオープンよりも早く、朝9時から入場いただけるという特典もございまして、中には1日中ずっとプールで過ごされるという方もいらっしゃいます。

夏に人気のビアガーデン
夏に人気のビアガーデン

東京のシンボルや寺社仏閣に囲まれるホテルとして

――「東京タワー」の迫力が本当に近く感じられるホテルだと思います。「東京プリンスホテル」にとってタワーはどのような存在でしょうか?

野原さん:当館の開業当時には、既に「東京タワー」が建っていましたので、一緒に歴史を歩んできたパートナーといいますか、なくてはならない存在かな、と思っています。2017(平成29)年のリニューアルオープンのイベントでは、プロジェクションマッピングの映像に合わせてタワーを点灯してくださいました。また、「東京タワー」が見えるお部屋と東京タワー展望台へのチケットをセットにした宿泊プランは、通年で販売しています。 普段のお客様についても、東京タワー側のお部屋を希望される方は非常に多くいらっしゃいます。

野原さん
野原さん

――東京タワー以外にも、近隣施設や企業とのコラボレーションはなさっていますか?

野原さん:「増上寺」さんや「芝大神宮」さんなど、歴史的な寺社仏閣が多い地域でもありますので、一緒にプランを提供させていただくことがあります。例えば、「芝大神宮」さんとは「縁結びプラン」ということで、縁結びのお守りやご祈祷をセットにした宿泊プランを販売したことがあります。「芝大神宮」の宮司さんは新しいことにも積極的な方なので、いろいろと協力しながら、この地域を盛り上げるようなプランを考えて、ご提供しています。

ホテルロビー
ホテルロビー

地域にオープンでありたい。様々な入口を用意し、新しいことにも挑戦し続ける

――地域に住まわれている方や、地域に根ざした企業との関わりも深いかと思います。具体的にどういった利用形態が多いでしょうか。また、地域の方に向けたイベントなども実施されていたりすればご紹介ください。

野原さん:レストランやご宴席など、普段から地域の方には多くご利用いただいています。先ほどお話したように、プールやビアガーデンのご利用も、地域の方に多くご利用いただいている印象です。2019(令和元)年のゴールデンウイークには、「PARK DAY」というピクニックイベントを開催しました。この際には、隣の「ザ・プリンス パークタワー東京」の庭園「プリンス芝公園」をメイン会場として開催し、地域の方々を含め沢山の方にご来場いただきました。 この庭園は普段から開放していますので、「芝公園」などと合わせて、犬の散歩にいらっしゃったり、ジョギングのコースにされている方もいらっしゃるようです。せっかく緑の豊かなロケーションにあるホテルですので、こういったオープンスペースも活用しながら、地域の方にも「開かれた場所」として気軽にご来場いただける、港区を一緒に盛り上げていけるようなホテルを目指していきたいと思っています。

――どのような時にこの街の魅力を感じますか?

野原さん:この周辺は開発が盛んで、便利な街になっているんですけれども、そんな街の中に歴史を感じられるポイントが点在しているところが、おもしろいと思います。ちょっと足を伸ばして愛宕の方面にも、そういった昔ながらのスポットが多く残っていて、「昔のから愛されてきた場所なんだな」と感じています。また、都心にも関わらず緑が沢山あって、リフレッシュできる場所が多いところですね。空が広いので、仕事でちょっと疲れたり、息詰まったりした時でも、外に出て空を眺めると、開放的な気分になれるので、そういうところも大好きです。

――今後のホテルとしてビジョンを教えてください。

野原さん:「地域の皆様にも愛されるホテル」でありたいと思っていますので、昔から愛していただいている方々にとっても、若い世代の方にとっても、「いつもおもしろいことしているホテルだね」と思われるホテルでありたいですね。特に来年は東京オリンピックが開催される年ですので、2度目の東京オリンピックをこの地で迎えるということで、一緒に盛り上げていくことができればと思っています。

野原さん
野原さん

東京プリンスホテル

マーケティング戦略 スーパーバイザー 野原茉美さん
所在地 :港区芝公園3-3-1
TEL :03-3432-1111
URL:https://www.princehotels.co.jp/tokyo/
※この情報は2019(令和元)年6月時点のものです。

クラシカルさと新しさを併せ持ち、地域にも愛される老舗ホテル――「東京プリンスホテル」マーケティング戦略/スーパーバイザー 野原茉美さん
所在地:東京都港区芝公園3-3-1 
電話番号:03-3432-1111
https://www.princehotels.co.jp/tokyo/