海と山の豊かな自然と子ども達の笑顔が溢れる /富津市立青堀小学校
近場には海と山が織りなす自然が溢れ、また複数の古墳が発掘されるなど、歴史的遺跡も多く残る千葉県富津市大堀エリア。エリアの中でも、特に児童数の多さに定評がある青堀小学校は、開校100年以上の歴史を持つ地元に長く親しまれ続けている小学校のひとつ。地域住民と連携した教育活動にも積極的に取り組んでいる青堀小学校の川名校長に、目指す学校運営についてお話をうかがった。
25学級600名以上の児童が通う、市内で一番大きい小学校
――まずは、学校の沿革・概要について教えてください。
川名校長先生:本校は、1873(明治6)年に大堀小学校、その翌年に青木小学校と西川小学校が開設され、その後分離統合を繰り返して、1906(明治3)年7月に開校された学校です。明治、大正、昭和といった各時代の教育制度の改革、地域の合併分離の変遷を経て、2004(平成16)年には創立100周年を迎えました。街の発展と共に他地域からの転居者が増加している地域にある学校ですが、現在651名の児童が通っています。
――学校の特徴は、どういった所でしょうか。
川名校長先生:市内で一番大きい、ということがひとつの特徴です。それと他の学校にはないものとして、マスコットキャラクターの「アオリー君」がいることでしょうか。子ども達のアイデアで誕生したキャラクターで、学校の行事やイベント時に活躍してくれています。
それから子ども達は、本当に明るくて素直ですね。そして海の気質というのでしょうか、やんちゃで人懐こい子が多いと思います。
勇気は仲間のために。常に笑顔でいることを大切に
――学校の教育目標について教えてください。
川名校長先生:本校の教育目標は、「自ら、進んで、やり抜く子」です。そして、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」ということを合言葉にして、児童の主体性、自主性、継続性を高める教育を行っています。
また、これらの目標を掲げた上で、本校には実際に目指す児童像というのがあります。それが、「互いを認め合い、進んで助け合う豊かな心を持った“くばりの子”」、「あきらめず問題に取り組み、進んで学習する確かな学力を身につける“学びの子”」、そして「継続する大切さを知り、進んで心と体を鍛える健やかな体を持つ“うえき(運栄休)の子”」の3者です。子ども達に具体的にイメージさせるために、「学校はアンパンマンの世界のようだよ。それは、青堀小の合い言葉『一人はみんなのために、みんなは一人のために』が、アンパンマンが困っている仲間を助ける「勇気は仲間のために使う」と同じだよね。」と話しています。そして、これを『アンパンマンの志』とよんでいます。
我々教職員の仕事は、子ども達に『夢や希望』を持たせることです。青堀小のみんなが夢や希望を持てるように、日々頑張っています。子ども達一人一人が、夢や希望を持って卒業してほしいです。夢や希望は一人一人違い個人のものです。青堀小学校には残りません。そこで、青堀小学校の合い言葉『一人はみんなのために、みんなは一人のために、勇気は仲間ために使う』を志として、いつまでも、子ども達の心の中に、青堀小学校に、地域に残していくことを呼びかけています。
――教育目標の下、指導にあたり大切にしていることは何でしょうか。
川名校長先生:先生方も何かを計画する時には、教育目標を基にいろいろな企画を提案しています。例えば、運動会については「健やかな体づくりを目指す“うえきの子”」を目指して、具体的にこういったことを行いますといったように、職員は常に教育目標の視点から物事を考えて実行しています。それから日頃私が直接職員に伝えているのは、常に笑顔で接していくということです。越塚勇人さんの講演を聴いたのですが、その中で越塚さんが『常笑』という言葉を使っていらっしゃいました。『常笑 即ちこれ感謝なり』笑顔をつくることにより、ポジティブになれるということです。ですから職員室に『常笑』と掲げています。さらに、言葉を借りて、常笑青堀とは、『船にたとえるなら、全員が一緒の船に乗り、舵を取る人、艪をこぐ人、一人一人がそれぞれの持ち場で、精一杯の力を発揮し、和気あいあいと一つの目的を目指して進むこと』としています。
やはり、子ども達に“学校は楽しい”と感じてもらうためには、教職員が、笑顔でいないとだめですね。
地域特性を生かした、地域と連携した教育活動も積極的に実施
――学校運営における地域や保護者の関わりについて教えてください。
川名校長先生:どの学校もそうだと思いますが、まず一つにPTA組織があります。PTAに関しては、本校は全員加入ということになっていますので、基本的に全員がPTAです。PTA内でいろいろ組織があり、様々な活動を行っています。全体では、奉仕活動や資源回収、交通安全の立ち番等もPTAが担ってくれています。それから、お願いしてやっていただいているのは、水泳の時の監視や学区見学のボランティアです。
PTA以外の所では、自然豊かな地域の特色をいかした活動に地域の方々に協力していただいています。近くに海があり昔から海苔の生産が盛んな地域なので、海苔づくりをされている方が5年生に海苔づくりを教えてくれています。それから山側になると水田が多いので、農家の方々の協力で田植え・稲作の体験をさせていただいています。
また、地域団体との連携という所で言いますと、読み聞かせボランティア活動をされている「お話レストラン」という組織があります。青堀小学校の保護者や卒業生の親御さん達が読み聞かせサークルを作って、2カ月に1回位の頻度で学校に来てくれています。それから、図書室やホールに飾り付けをするなど読書環境を整備してくれるボランティアさんもいらっしゃいます。皆さんとても協力的で、快く対応してくださるので、とても助かっています。
――子ども達が、地域とふれ合うイベントや行事はありますか。
川名校長先生:8月のお盆時期に地域で「ふるさと祭り」があるのですが、5・6年生が運動会でやっているソーラン節を披露しに行っています。また、市が開催する元旦マラソンや体育の日に開催されるスポーツフェスタ等、そういった地域イベントに子ども達が参加する機会は多いです。陸上競技場や総合体育館といったイベント開催地に近く気軽に行きやすい環境にある点も、本校の特徴ではありますね。
児童一人ひとりが、自分に自信の持てる取り組みを
――今後の取り組みについてお聞かせください。
川名校長先生:学期ごとに子ども達に学校生活について自己評価をしてもらっているのですが、1年生から6年生まで自己評価が低い子が多くいます。
自己評価、いわいる自己肯定感を高めるために、結果よりも過程を褒めて自信をつけるようにしています。さらに、自己有用感を高めていきたいと考えています。「自分は友達の役に立っている。」「○○すると喜んでもらえる。」など、友達や親、大人からに褒められることで自信をつけたいです。今後も、児童集会、ミュージックランド(音楽発表会)などの行事を有効に活用していきます。
――最後に、これから富津市に暮らしたいという方へ向けて、メッセージをお願いします。
川名校長先生:海が近く、潮干狩りといった観光もできますし、陸上競技場や体育館を有するふれあい公園等がある等、スポーツや散策を楽しめる施設が整っています。また3月には県民マラソンも開催されますし、健康的に自己管理がしやすい場所ですね。
学校周辺でも夏になるとカブトムシがとれる場所があるなど自然も豊かで、子ども達がのびのびと育つことができる環境が魅力のエリアだと思います。
千葉県富津市立青堀小学校
校長 川名 賢先生
所在地:千葉県富津市大堀2042-4
電話番号:0439-87-0063
URL:http://www.futtu.jp/syo-aohori/
※この情報は2019(平成31)年3月時点のものです。
海と山の豊かな自然と子ども達の笑顔が溢れる /富津市立青堀小学校
所在地:千葉県富津市大堀2042-4
電話番号:0439-87-0063
http://www.futtu.jp/syo-aohori/