校長 加藤聖紀先生インタビュー

この地域で50年の伝統と、時代の変化に対応したカリキュラムで子どもを育む/武蔵野市立関前南小学校(東京都)


東京都武蔵野市関前は、JR中央・総武線「三鷹」駅やJR中央線・西武多摩川線「武蔵境」駅からも好アクセスな住宅地。暮らしやすさはもちろんのこと、周囲には武蔵野の緑豊かな原風景も大切に受け継がれ、自然豊かな公園も多く、落ち着いた子育て・教育環境が広がります。今回は、1971(昭和46)年に開校以来この地域の通学校として歩む「武蔵野市立関前南小学校」を訪れ、加藤聖紀校長先生(※2021(令和3)年4月に本校から異動されました)に学校の取り組みや地域との関わりなどについてお話を伺いました。

緑豊かな武蔵野の街で地域とともに育まれた伝統校。

「武蔵野市立関前南小学校」正門
「武蔵野市立関前南小学校」正門

――まずはこれまでの歩みや、現在の学校概要を教えてください。

加藤校長:本校は2021(令和3)年度に創立50周年を迎える、12学級337人の児童が通う武蔵野市内の公立校では一番規模の小さな学校になります。校章には武蔵野市の市樹である“けやき”と、「関前南小学校」の「関」の文字を中心にして描かれていて、この葉の緑は、“けやき”のように、豊かで素直な心をもつ子どもたちであってほしいという願いもこめられています。また、1年1年大きく成長し、四方に豊かな枝や葉をしげらせるけやきの樹ように、本校の子どもたちも大きく成長していこう、という意味もこめられたものです。

市内一広い校庭の様子(学校HPより)
市内一広い校庭の様子(学校HPより)

本校の校庭は武蔵野市にある学校では一番広く、ここを使って子どもたちは毎日のびのびと楽しそうに遊び学んでいます。関前エリアは閑静で落ち着いた環境があり、地域の人たちは学校に通う子どもたちを育てるために率先して協力してくれているのもこの地域の魅力です。子どもたちが安心・安全に学べる環境が身近にあると言えるでしょう。

バラエティに富んだ教育活動が目白押しの学校生活。

――特色ある教育活動についてお聞きします。

加藤校長:本校には都内でも2つしかない土俵があります。本校が創立された当時の相撲人気によって、子どもたちが自由に遊べる場所を作りたいとの考えで土俵が作られたそうです。本校では毎年秋に「関前場所」を行います。1年生から6年生まで児童全員が力士となり、東西2チームに分かれて土俵の上で対戦します。「拓殖大学」の相撲部の学生さんも応援や審判に来てくれて、大変盛り上がります。

お話をいただいた加藤聖紀校長先生
お話をいただいた加藤聖紀校長先生

また本校には「吹奏楽クラブ」があり、毎日7時30分から8時15分の朝練習や、放課後、土曜日、夏休み等の練習を積み重ねています。演奏している自分たちにも音楽をする喜びが味わえますし、聴く人にも楽しく元気を出してもらえたり、音楽の喜びを味わってもらえたりするような演奏を目指してがんばっています。

校内の土俵を使った「関前場所」の様子(学校HPより)
校内の土俵を使った「関前場所」の様子(学校HPより)

その他の活動としましては、毎週火曜日と木曜日には、「朝読書」を15分間行い、火曜日には1〜3年生対象に保護者がボランティアで読み聞かせを行っています。子どもたちは、「朝読書」をとても楽しみにしていて、静かな教室の中で毎朝本の世界にひたっています。「ふれあいタイム」では、1年生から6年生まで縦割り班活動を行い、2週間に1回のたてわり班集会では、いろいろな遊びを通して異学年交流を行っています。

「武蔵野市立第五中学校」との連携も積極的に行っていて、6年生対象に中学校の授業体験や、中学生のお兄さんお姉さんが本校に来校しての交流なども行っています。地域との交流も盛んで、関前エリアは農家が多く、自然環境も豊富。農業について体験したい時は気軽に畑に出かけられますし、地元の農家さんも収穫体験などに協力してくれています。芋や人参の収穫体験の他、子供たちと地元農家さん、武蔵野市役所の職員の方をお招きして都市型農業の活性化についてディスカッションを行ったこともありました。

時代の変化に対応したカリキュラムで子どもたちの成長をサポートする教育。

――教育目標について教えてください。

加藤校長:本校では人間尊重の教育を基盤とし、心身ともにたくましく、情操豊かで創造力に富み、生涯にわたって自己陶冶をめざす児童を育成。“しっかり考える子どもの育成”を重点目標として、“すなおでやさしい子どもの育成”、“元気な子どもの育成”を掲げています。しかしながら、このような言葉を掲げるだけでは抽象的過ぎて意味がないと私は考えます。言語活動やICT教育の充実、コミュニケーション能力も含めた「表現する力」の育成、情報モラル教育の推進など、 低学年から計画的に指導していき20年、30年先にも活躍ができる人材を育成するのが重要ではないでしょうか。

「武蔵野市立関前南小学校」校舎
「武蔵野市立関前南小学校」校舎

ICT教育ではタブレット端末を使い、情報の収集・選択・表現等の情報活用の実践力を育てるとともに、各教科等においてプログラミング的思考の育成を図っています。具体的には、教育支援ソフト「コラボノート」を使ってノートをネット上で共有。感覚がモバイルメッセンジャーアプリケーションの「LINE」に近いのが特徴で、その為子どもたちでも簡単に操作ができ、他の人の意見や活動がすぐにわかるので、楽しみながら相互学習ができています。

プログラミング授業の様子(学校HPより)
プログラミング授業の様子(学校HPより)

このコロナ渦では、非接触型の新しいコミュニケーションツールとしても活用されています。その他にもプログラミングの授業ではロボットやドローンを取り入れていますが、子どもたちは何の抵抗もなくあっという間に理解をして学んでいる様子です。今後も状況や時代に沿った教育を行い、子どもの資質や能力を向上させて、教育目標の達成を目指したいと思います。子どもたちの成長や将来がとても楽しみです。

現在は新型コロナウィルス感染拡大防止の為に今後の予想が難しい状況ではありますが、本校の強みを生かし、検温システムの導入や消毒・換気を徹底しながら、子どもたちをしっかりとサポートしていきたいと思います。

都心近くの利便性と、地域の“人の温かさ”が魅力の関町エリア。

――加藤校長先生が思う、地域の魅力を教えてください。

加藤校長:武蔵野市関前エリアは各方面へのアクセス性や買い物環境も充実していて生活利便性に優れていますが、緑が多くあり、高層の建物もなく都心近くとは思えない程の閑静な街並みが広がっています。地域の人たちは昔から武蔵野の地に住んでいる方も多く、皆明るく親切で、良い意味でおせっかいな人たちばかり。子どもたちはこのような温かな人たちに愛されながらすくすくと育っています。周囲には公園など癒しのスポット・遊び場も多く、子育て環境は抜群だと思いますよ。

「玉川上水緑道(桜橋付近)」
「玉川上水緑道(桜橋付近)」

加藤聖紀校長先生
加藤聖紀校長先生

武蔵野市立関前南小学校

加藤聖紀校長先生
所在地 :東京都武蔵野市関前3-37-26
電話番号:0422-53-7655
URL:http://sekimaeminami-e.musashino-city.ed.jp/
※この情報は2021(令和3)年3月時点のものです。

この地域で50年の伝統と、時代の変化に対応したカリキュラムで子どもを育む/武蔵野市立関前南小学校(東京都)
所在地:東京都武蔵野市関前3-37-26 
電話番号:0422-53-7655
http://sekimaeminami-e.musashino-city.ed..