葛飾区都市整備部 金町街づくり担当 課長 原田さん、龍味さんインタビュー

開発によって新旧さまざまな個性が共存する街へと変化を遂げる葛飾区金町エリアの現状と今後の展望とは?/葛飾区役所(東京都)


エリアマネジメントによるまちづくりが動き出す

「ベルトーレ金町」前の歩道に設置されたデザインベンチ
「ベルトーレ金町」前の歩道に設置されたデザインベンチ

――金町駅周辺地区のまちづくりにおけるソフト面の課題また取組みとは?

龍味さん:今年の7月に「ベルトーレ金町」が竣工して、南口の再開発事業が節目を迎えたこともありまして、今後金町を盛り上げていくために、金町駅周辺地区のエリアマネジメントをどのように行なっていこうかといった動きが出始めています。

エリアマネジメントというのは、「地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取り組み」と定義されるもので、金町では現在、地域の団体や関係者の方々が主体となるようなまちづくり組織を作ったり、連携を促進させて行くための検討が進められているところです。

「金町駅周辺地区まちづくりプラン」にも、日常的な交流を通して地域コミュニティを形成したり、持続可能なまちづくりといったものも今後考えていかなければいけない課題として挙げられておりますが、葛飾区らしい取組方というのも模索しているところです。

原田さん:例えば、「ベルトーレ金町」前の歩道に新しいベンチが設置されたのですが、金町浄水場の取水塔をモチーフにしたデザインになっているのが特徴です。もともとはシンボルツリーを植える予定だった場所ですが、「駅前にひと休みできる場所が無い」といった地域の方のご意見や「金町らしさってなんだろう」といったことを考えたときに、「男はつらいよ」のオープニングに必ず出てくる金町浄水場の取水塔はどうかというアイデアが寄せられ、再開発組合で検討をしていただき、このデザインベンチを整備してもらうことになりました。

ベンチとしてただ座るだけではなくて待ち合わせ場所にもなるでしょうし、金町の魅力を発信するきっかけのひとつとしても期待されています。とんがり帽子の屋根は昼間でも目を引きますが、夜になると照明がついてライトアップされるので、どちらも見ていただきたいですね。

再開発によって新旧さまざまな個性が共存する街へと

 

昔ながらの商店街も残るまちなみ
昔ながらの商店街も残るまちなみ

――再開発によって金町駅周辺地区は今後どうなっていくか、期待されることやお考えをお聞かせください。

原田さん:まず私たちとしてはハード、ソフト両面で地域の課題を解決していくことによって、金町をより良い街、住みやすい街にしていきたいと考えています。

龍味さん:再開発によって今後期待されることとしては、北口と南口でそれぞれ状況は少し異なるのですが、北口はこれから東金町一丁目西地区の再開発事業が本格的に始まる予定で、新たな商業施設も誕生します。この地域には古くからやっている個人の商店も多くありまして、新旧さまざまな個性が共存する街になるのかなと思います。

原田さん:東金町一丁目西地区の再開発事業で整備する商業施設には、具体的にどんなお店が入るかはまだ決まっていないのですが、これまでこの地域に無かったような特徴・特色のある店舗を整備して行きたいと再開発組合から聞いています。

龍味さん:一方、南口については再開発組合の組合員の中には古くから金町に住んでいる方が多く、地域の商業を盛り上げていくべきだといった意識の中で若い人や新しい人たちの活力に期待している面もあります。先ほど触れたエリアマネジメントにもつながる話ですが、いろんな個性が共存する中でみんなで街を良くしていこうといった流れができはじめているのを感じます。

街の移り変わりを実際に見ながら自身のライフスタイルを築いて行けるのも魅力

東金町一丁目西地区市街地再開発事業完成イメージ(出典:東金町一丁目西地区市街地再開発組合)
東金町一丁目西地区市街地再開発事業完成イメージ(出典:東金町一丁目西地区市街地再開発組合)

――最後に、これから新しく金町に住まわれる方に向けてメッセージまた金町駅周辺の魅力についてお聞かせください。

原田さん:金町駅周辺地区は大規模な再開発によって街が大きく変わっている時期で、それに追いつくように区としても基盤整備を進めて、安全で快適な街づくりを推進しているところです。

将来的には新小岩と金町とを結ぶ新金(しんきん)貨物線という貨物専用の線路を旅客化しようという検討も始まっておりまして、まだ具体的な計画やスケジュールはこれからですが、南北の移動もしやすくなりますし、ますます利便性が高まる金町に今後も注目が集まると思います。

またハード面だけではなくエリアマネジメント等を活用したソフト面についてもまちづくりを支援していくことによって、より住みやすい街になっていくと思います。コロナ禍になる前は「金町駅北口周辺地区まちづくり協議会」が主催するイベントもありまして、昔ながらの盆踊りのような地域のお祭りとはまた違って、新旧の方が一緒になって楽しめるイベントだったので、コロナが収束したらまたみんなでやりたいですね。

龍味さん:私が思う金町の魅力はまだ途上にあるという点です。すでに整備が終わっている地域だとすでにコミュニティが出来上がっていて入りづらいというのもあるでしょうが、今のタイミングであれば街の移り変わりを実際に見ることもでき、ご自身でライフスタイルを築いて行けるというのも魅力だと思います。

住環境については23区で最も規模の大きい「水元公園」が生活圏にあり、防災を意識した「防災ショールーム」があることでも知られています。金町駅周辺地区の再開発においても防災に関する検討が進められておりまして、災害を想定した安全・安心のまちづくりがハード・ソフト両面で進められている点にも注目していただければと思います。

葛飾区役所

葛飾区都市整備部 金町街づくり担当 課長 原田さん
葛飾区都市整備部 金町街づくり担当 龍味さん
所在地 :東京都葛飾区立石5-13-1
電話番号:03-3695-1111
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※この情報は2021(令和3)年8月時点のものです。

開発によって新旧さまざまな個性が共存する街へと変化を遂げる葛飾区金町エリアの現状と今後の展望とは?/葛飾区役所(東京都)
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