流山市立向小金小学校 仁井山久夫 校長先生

流山市立向小金小学校
仁井山久夫 校長先生

地域と学校が一心同体で子どもを育てる
「夢と感動あふれる学校」

緑豊かな住宅地のなかにある、広々とした校庭の向小金小学校は、地域・学校・PTAが一体となって子どもたちを育てる温かな教育環境が整っている。「毎日の1時間ごとの授業の積み重ねこそが大切」と語る仁井山校長先生が目指すのは「夢と感動あふれる学校」。知識だけに頼らない「考える授業」を展開し、近隣の大学の留学生との国際交流にも積極的な向小金小学校の特色ある教育活動についてお聞きした。

向小金小学校の概要について教えてください。

流山市立向小金小学校インタビュー
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本校は「流山市立東小学校」の分離校として1977(昭和52)年4月に開校いたしました。今年度は1年生から5年生までが各3クラスずつ、6年生が2クラス、たんぽぽ学級1クラスの計18学級、全521名の児童が毎日元気に通っております。今年は新校舎の工事も終了しましたので、新しい校舎を活用しながら教育活動に取り組むことができます。

本校では、魅力のある教育(学力・気力・体力)を柱に「生きる力」を育成し、「夢と感動があふれる学校」を目指しています。

目標達成のために、具体的にはどのような教育を実施されているのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー
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「夢や感動」は、基礎となる学力が身についていなければ感じることはできません。本校は3分の1が50歳以上のベテラン教師が揃っていますので、学年ごとに日常的に話し合い、分かりやすい授業をするための情報共有や教材研究を通して、ベテランが若手にアドバイスをしたり、実際に子どもたちを指導している場面を見せたりしながら指導力の向上を図っています。

流山市立向小金小学校インタビュー
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中学年以上になると塾に通う子どもたちが増え、どうしても知識量の多い子どもたちが活躍する授業になりがち。でも大切なのは「なんで?」「どうして?」と子どもたちが好奇心を抱き、結果「分かった!」「納得した」と思えるような授業ができること。それこそが学校が提案できる授業であり、夢と感動につながる教育活動だと思います。時にはグループで、2人組で、学習の形態を工夫しながら、毎日1時間ごとの「分かる授業」を丁寧にコツコツと積み上げていくことを大切にしています。

地域の方々との関わりが深いとお聞きしました。

流山市立向小金小学校インタビュー
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正門前の坂(通学路)

はい。この地域は流山市のなかでも少し飛び出したような地形になっていて、そのせいかもしれませんが非常に結束が強く、地域愛があるように思いますね。駅から歩いてくると、住宅街にもゴミひとつ落ちていない整った印象の街で、これは地域の方々の意識の高さと愛情の表れだと感じています。

流山市立向小金小学校インタビュー
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毎日、子どもの登下校の見守りに多くのボランティアの方々が立って下さいますし、犬の散歩を兼ねた見守り「ワンワンパトロール隊」も結成されています。以前柏駅で通り魔事件が起きたときも、この地区の方々はすぐに動いてくださり子どもたちの見守りを買って出て下さったと聞いています。

また、毎週金曜日に、保護者や地域の方々がボランティアとして、子どもたちに読み聞かせを通して、本の魅力や語りの工夫について紹介していただいています。ボランティアの方々からは「子どもたちから元気をもらっていて逆に感謝です」と言っていただき、ほんとうに有り難いことだと思っています。

流山市立向小金小学校インタビュー
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毎年、2学期の始めに防災訓練と引き渡し訓練を行っていますが、以前、学校だけでなく近隣の方も学校に集合して一緒に訓練を行いました。学校が避難場所になっているからでもありますが、そのときに町内の方々も点呼や避難経路などの確認を行い、地域全体の訓練にもなりました。また、行政と地域と学校が一体となって、防災のための会議を定期的に開き、いざという時のために備える体制を整えています。
学校と地域が分離せず、子どもたちには「いつも見守ってくれている」という感謝の気持ちがありますし、地域の方々も「地域の子どもを守りたい」「皆で育てよう」という気持ちがあります。学校としては本当に有難く感じています。

実際にはどのような交流があるのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー
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まず向小金地区社会福祉協議会主催の敬老会や公民館の文化祭、自治会の納涼祭などの地域行事に、本校の吹奏楽部が参加して演奏を行っています。本校の運動会には近隣のお年寄りたちをお呼びして、1年生と一緒に競技をしていただくのですが、これは子どもたちのおじいちゃん・おばあちゃんという訳ではなく、純粋に地域の方々をお呼びしています。

流山市立向小金小学校インタビュー
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毎年11月に開かれる学校主催の「ふれあいフェスティバル」では、1部で各クラスの成果発表が行われ、2部で子どもたちが歌を発表するのですが、そこに近隣の方々をご招待しています。また2月には「感謝の集い」を開き、学年ごとに「招待状係」や「プレゼント係」を決めて見守りボランティアや読み聞かせボランティアの方々をお招きし、日頃の感謝の気持ちを伝えます。毎年20~30人の方々にご参加いただき、なかには感動して涙を流している方などもいらして、とても気持ちのよい温かい交流が続いています。

「向っこオリンピック」とはどのような取り組みなのでしょうか?

流山市立向小金小学校インタビュー
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「向っこオリンピック」は千葉県が子どもの体力向上のために行っている取り組みで、例えば「長縄連続8の字飛び」や「連続馬跳び」「ボールパスラリー」などの競技を、学期毎にで2種目決めて記録会を行います。クラスごとのチーム編成で、朝時間や休み時間を使って練習し、楽しみながら体を動かす取り組みになっています。

このほかにも水曜日は掃除を短くし、ロング昼休みとして長い時間まとめて遊ぶ時間を確保したり、月曜日は1時間目の前の20分間を外遊びの時間にして、子どもたちに外で遊ぶ機会をつくっています。6年生くらいになると女子は教室で過ごしたり、あまり身体を動かさなくなるのですが、1年生との交流を通してつながりができると誘われて一緒に外に遊びに出たりしています。6年生にとっては、1年生から頼られることで、最高学年としての自覚が生まれ、全体の手本となるよい変化がたくさん得られるようになります。

ほかにも「夢ミュージアム」などの特徴のある教育活動がありますね?

流山市立向小金小学校インタビュー
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「夢ミュージアム」は上野にある「国立科学博物館」に協力をいただいて実現した学習プログラムで、博物館内の展示物を教材として4年生の子どもが自ら学習を深められるような取り組みです。

流山市立向小金小学校インタビュー
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まず博物館内をグループで見学し、自分で取り組みたい研究テーマをひとり1つ選びます。そして2学期にもう一度科学博物館を訪れ、テーマに沿った本物の展示物を見て、関連資料も確認し、ボランティアの方に質問などをして研究を進めます。もちろん学校の図書室やパソコンなども使用して、さらに学習を深めます。これを11月のふれあいフェスティバルの成果発表のときに全員が発表します。

現在は科学博物館に足を運べるのは全2回なのですが、4年生のときに、この「夢ミュージアム」で自分で決めた研究テーマを掘り下げて調べる学びを経験することで、以降の5~6年生での調べ学習へ意欲が高められ、よい影響があると感じます。

近くにある「麗澤大学」との連携や交流はありますか?

流山市立向小金小学校インタビュー
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毎年「麗澤大学」の留学生との交流会を開いています。主に5年生が留学生の出身国について事前に調べて、各国の文化や風習についてなどプレゼンを行っています。また同時に日本の文化、食生活や祭、遊びやマンガなどサブカルチャーの紹介なども行い、子どもたちにとっては自分の国を改めて見直すよい機会になっているようです。
留学生の皆さんは日本語を勉強されてはいるものの、コミュニケーションは英語が主流なので、「なかなか英語が通じない」などの経験が「どうしたら伝えられるだろうか」といったプレゼンの工夫や英語活動の意欲化につながっていると思います。

流山市立向小金小学校インタビュー
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また今年は流山市の国際交流協会からの依頼があって、カルフォルニア州のレッドランズ大学の大学生やスタッフあわせて18名ほど本校を訪れました。当日、全校児童との交流会を開き、児童会の子どもたちが英語で、原稿を読むのではなく暗記をして学校紹介のスピーチをしたのです。これには向こうの学生や大学教授、私たちも感動しました。

南柏エリアの子育て・教育環境の魅力は?

流山市立向小金小学校インタビュー
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まずとても静かで緑が多く、子どもを育てる環境としては非常に恵まれているという点。さきほども言いましたが、街も住宅地もよく整理され、整った環境で子育てができると思います。また地域の方々が子どもをとても大切にしてくださいますので、孤独感や孤立を感じずに子育てができるのではないでしょうか。

通っている子どもたち、親御さんたちの様子はいかがですか?

流山市立向小金小学校インタビュー
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とにかく子どもたちが「素直」で「明るい」。これは子どもたちの素養ももちろんあるでしょうが、各家庭がしっかりしているからだと感じますね。また親御さんたちも、「学校に迷惑をかけられない」という気持ちの方々が多いので、だからこそ教師たちも「頑張ろう」「しっかり教育活動をしなければ」と気持ちが引き締ってよい相乗効果があるように感じます。
転入生が来ても、子どもも大人もみんな温かく迎える雰囲気があります。この春は中国からの転校生がありましたが、一生懸命日本語を習いながらすぐに馴染んでいました。PTAの方々も非常に協力的なので、助かっています。

流山市立向小金小学校インタビュー
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今回、話を聞いた人

流山市立向小金小学校

仁井山久夫 校長先生

所在地:千葉県流山市向小金3-149-1
電話番号:04-7174-1320
URL:http://www.nagareyama.ed.jp/mukaisyou/

※2015(平成27)年9月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

流山市立向小金小学校 仁井山久夫 校長先生
所在地:千葉県流山市向小金3-149-1 
電話番号:04-7174-1320
http://www.nagareyama.ed.jp/mukaisyou/