「生涯ずっと本を読み続けてほしい。」 図書館の枠を超えた取り組みで想いを伝える図書館/鎌ケ谷市立図書館 館長 髙橋さん、主査 米井さん、株式会社すばる 図書館事業室 椎名さん


鎌ケ谷市立図書館
館長 髙橋さん
主査 米井さん
株式会社すばる 図書館事業室 椎名さん

「生涯ずっと本を読み続けてほしい。」
図書館の枠を超えた取り組みで想いを伝える「鎌ケ谷市立図書館」

新京成線「初富」駅を降りた先にある「鎌ケ谷市立図書館」。30万冊を超える蔵書があり、児童書にも力を入れ、充実した図書館として利用者も増加している。民間の「すばる書店」が運営に携わっており、選書やディスプレイなど様々な所に趣向を凝らす「鎌ケ谷市立図書館」。近くには「鎌ケ谷市郷土資料館」もあり地域の事を学ぶには最適なエリアだ。そんな「鎌ケ谷市立図書館」について館長の髙橋さん、主査の米井さん、株式会社すばる 図書館事業室の椎名さんにお話を伺った。

まず始めに、「鎌ケ谷市立図書館」の概要について教えてください。

施設内
施設内

髙橋館長:「鎌ケ谷市立図書館」は、1987(昭和62)年にオープンしました。当時は、1・2階が図書館、3階が公民館としてスタートしました。その後公民館が移転しましたので、全ての階を図書館が管理するようになり、現在3階は学習室と集会室として使用しています。1階が主に一般書、2階には児童書や参考資料室、読み聞かせなどをする部屋を完備しています。開館時間は、午前9時から午後8時までで、日曜・祝日は午後5時に閉館です。蔵書数は2015(平成27)年の4月1日現在で30万1319冊あり、その中で児童書は9万815冊あります。

椎名さん:公共図書館では限られたジャンルではなく、幅広いジャンルの本を手に取って頂けるように、全ての分野において万遍無く揃えることを意識しています。

自習室
自習室

髙橋館長:選定の基準はずっと読み継がれてきたものや、話題性のある本は必ず内容を理解し、スタッフと検討してから購入しています。児童書は特に、長く親しまれているものを買い揃えていますね。リクエストも受付けているので、なるべく要望に応えていきたいと思っています。

ジャンル別本
ジャンル別本

利用者に関しては幅広い世代の方々に、お使い頂いています。2階が児童書中心になっているので、両親やおじいちゃんおばあちゃんと来館されるお子さんが多く、ご家族でご利用して頂いていると思いますね。1階の新聞等を見られている方はご高齢の方が多いですが、昼頃になると主婦の方々が買い物のついでに寄られたり、5時以降になるとお仕事帰りの方や、お子さんを保育園や学童に迎えに行った帰りに寄られる方もいます。

利用方法は利用者カードがあり、登録が必要になります。登録するにあたり、鎌ケ谷市に在住、在勤、在学の方、もしくは隣接している柏市、松戸市、船橋市、白井市、市川市の方も登録が可能です。

「鎌ケ谷市立図書館」の特徴について教えてください。

児童書
児童書

髙橋館長:数年来、児童書に力を入れています。また選書はじっくりと考えていいものを提供したいと考えており、何かに突出してもいないので、割と手軽にいろんなものが読めるという点も特色だと思います。

平成生まれの作家
平成生まれの作家

米井主査:図書館によっては複本を揃えているところもあるかと思いますが、鎌ケ谷市は全体的に、柔軟に幅広い選書にしています。分館があり、取り寄せも可能ですので、同じものを5冊置くよりはいろんな分野のものを置くという配本の仕方を取り入れています。一館にまとめてというよりも、市内全部に行き渡るように配置しています。

ホームページには、こども向け、ヤングアダルト向け、ベイビーアンドママ向けのページがあり、展示やイベントなども、それぞれの世代に向けて行なっているようですね。

バーバパパ
バーバパパ

髙橋館長:ホームページではなるべく詳しくイベント等を紹介させて頂いています。展示にも力を入れており、話題性のある物や、作者を限定して本を展示したり、その年の干支の作家さんを選定して特集を組んだり、亡くなった方の遺作を展示することもあります。

お知らせボード
お知らせボード

児童書はクリスマスやハロウィンなど季節に合ったものをボードで特集して、「こんな本があるから読んでね」と紹介しています。スタッフさんがとても頑張ってくれているので掲示板も見応えのあるものになっています。選書も本を紹介するのも、お子さんが読みたいと思えるような展示をしたり、スペースがない所でも壁に絵を描いたりと工夫しています。先月はバーバパパのぬいぐるみを置いたりと、バリエーションも豊かです。

米井主査:このような工夫は、民間の力だと思いますね。ホームページの華やかさや展示のレイアウトの工夫など、選書に一般企業ならではのエッセンスを盛り込んで頂く中で、特色がよく出ていると思います。

イベントは、おはなし会をはじめ、クリスマス会のような季節のもの、創作教室、図書館で映画を見ようなど、幅広く行われているようですね。

年賀状関連の本
年賀状関連の本

髙橋館長:2016(平成28)年に初めてお正月に向けて福袋を用意する予定です。中に3冊入れて何が入っているかお見せしないで貸出しをします。みなさんに楽しんで頂けるといいですね。

椎名:イベントのおはなし会については4種類あり、小学生向けが第1日曜日、乳幼児向けが第2第4水曜日、東部分館で第2日曜日開催しているイベントが図書館主催のもので、第3土曜日にボランティアの方々が開催しているものもあります。

クリスマスの飾りもの
クリスマスの飾りもの

髙橋館長:第3土曜日に「ザ・チャレンジ」という創作教室を開催しています。対象は小学生ですが、保護者同伴であれば幼児も参加可能です。日本レクリエーション協会の方が講師をして下さっています。2015(平成27)年はハロウィンでかぼちゃの大きな被り物やクリスマスの飾り物、万華鏡やコマ、絵ローソクなどを作りました。最初から全部作るものもありますし、基本の物を作っておいてそこに手を加えるというものもあります。毎月開催しているので、継続的に参加している子どもがお友達を連れてきたり、イベントを通して仲良くなったりと、みんな楽しく取り組んでいます。

マンガ
マンガ

映画は東部学習センターで年に10回ほど上映しています。DVD資料も東部分館に所蔵しており、映画にまつわるお話や本の紹介をしてから上映しています。2015(平成27)年に上映した「ローマの休日」は特に好評だったので、初めて2回目を上映します。子ども向けのものでは「おさるのジョージ」などを上映しています。

おはなしひろば
おはなしひろば

1つのテーマに沿って何冊かの本を順に紹介し、子どもたちに本絵への興味を持ってもらい、読書の楽しさを知って、もっといろいろな本を読んでみようと思ってもらう「ブックトーク」を学校を訪れ行っています。私たちは生涯本を読み続けてほしいという思いがあり、健康増進課と一緒に「ブックスタート」という事業も行っています。4か月健診の時にボランティアさんが読み聞かせを行ってくださり、そこで本も2冊プレゼントしています。

この街の魅力やおすすめスポットについて教えてください。

親子
親子

鎌ケ谷市は駅が多く、その周辺を中心に発達した住宅都市なのでとても静かですね。緑が多く畑や梨畑やあってのどかな環境が住むにはピッタリの場所だと思います。ゆったりと住むということに特化した街だと思います。市役所の上の階からは富士山やスカイツリーが見られるんです!よく写真を撮っている方もいらっしゃいますよ。

貝柄山公園
貝柄山公園

大きな公園では「貝柄山公園」や「鎌ケ谷市市制記念公園」があり、そこにはテニスコートがあったり野球場があったりするので、小さなお子さんから大人までのびのび遊べると思いますね。

これから街に住まわれる方にメッセージをお願いします。

レファレンスサービス
レファレンスサービス

鎌ケ谷市は治安の面でも良く、子育て支援にも力を入れている市なので安心してお住まい頂けると思います。「鎌ケ谷市立図書館」も本の相談窓口、コンシェルジュが充実してきています。隣接して、「鎌ケ谷市郷土資料館」もあるので図書館に立ち寄って頂けたらと思います。ぜひ一度住んでほしい街ですね。

職員
職員

今回、話を聞いた人

鎌ケ谷市立図書館

館長 髙橋さん(写真:真ん中)
主査 米井さん(写真:右)
株式会社すばる 図書館事業室 椎名さん(写真:左)

※記事の内容は2015(平成27)年12月に実施した取材をもとに作成しており、今後変わる場合がございます。

「生涯ずっと本を読み続けてほしい。」 図書館の枠を超えた取り組みで想いを伝える図書館/鎌ケ谷市立図書館 館長 髙橋さん、主査 米井さん、株式会社すばる 図書館事業室 椎名さん
所在地:千葉県鎌ケ谷市中央1-8-35 
電話番号:047-443-4946
開館時間:本館・東部分館 平日(火曜~土曜)9時~20時/日曜日、祝日9時~17時
分館(北部・南部・西部・東初富)9時~16時45分

休館日:月曜日(月曜が祝日の場合は、翌日)、年末年始、館内整理日(月末、月末が土・日・月の場合はその前の金曜日)、特別整理期間
https://www.library-kamagaya-chiba.jp/