代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生


柏市立柏第一小学校
校長 浮谷 満 先生

柏市立柏第一小学校インタビュー
柏市立柏第一小学校インタビュー

代々受け継がれる規律と
学校を見守る地域の温かさ

柏市の中心部にある「柏市立柏第一小学校」は、柏市でも有数の長い歴史を持つ小学校。地域の人々からの信頼も厚く、子どもを入学させるなら「柏市立柏第一小学校」がいいという声もあると聞きます。校長を務める浮谷満先生に、学校の特徴や地域とのつながりについてお話を伺いました。

まずは「柏市立柏第一小学校」の歴史について教えてください。

柏市立柏第一小学校
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本校は1908(明治41)年「千代田尋常小学校」として開校し、今年は106年目になります。これだけの歴史がありますから、親子4代本校に通っているという家庭もあります。校庭にある遊具も歴史があるものが多く、すべり山という遊具は50年以上前に造られたものだそうです。校庭の大いちょうも本校の歴史を示すシンボルですね。本校では5年毎に周年行事を行っていますが、こうした機会に子どもたちに学校の歴史を学んでもらっています。

「さわやかタイム」という時間があるそうですが、どんなことをしているのでしょうか。

始業前の20分間を基礎・基本の習熟のために使う取り組みを「さわやかタイム」と呼んでいます。火曜日と木曜日、金曜日は「大いちょうタイム」として、個別学習など担任がクラスに必要な学習を行います。水曜日はドリル学習として、学習係を中心に子どもたち自ら学習します。本校は学習規律がきちんと守られていて、子どもたちだけで学習していても遊ぶ子はほとんどいません。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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月曜日は読書活動の日で、PTAの方に読み聞かせをしていただくこともあります。11月になると「さわやかタイム」を利用して持久走を行い、体力づくりに努めています。

「なかよしグループ活動」という取り組みもあるそうですね。

「なかよしグループ活動」は異学年の交流を狙いとした活動です。月に1回、1年生から6年生まで30人単位のグループを作り、6年生がリーダーになって昼休みにレクリエーションを行います。年に1回ですが、グループごとで給食を食べる交歓給食も実施しています。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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6年生は下級生の面倒をとてもよく見てくれます。1年生が入学したばかりの頃は、6年生が昇降口で待っていて、1年生が下駄箱を間違えないように、迷わないで教室に行けるようにと見守ってくれます。1年生や2年生は、6年生の子どもたちをお兄さん、お姉さんと慕っています。

柏市立柏第一小学校
柏市立柏第一小学校

本校では学習規律もしっかりしていますが、あいさつなどの礼儀も身に付いています。これは一朝一夕にできることではありません。「なかよしグループ活動」などで上級生の姿を見た下級生が、自然に学習する姿勢やあいさつの習慣を身に付けるのです。代々受け継がれてきた本校の誇りだと思っています。

特設クラブがあり、活動も盛んと伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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本校では特設クラブが4つあり、運動部として陸上部とミニバスケットボール部、それに吹奏楽部と歌唱部があります。歌唱部がある小学校は珍しいのではないでしょうか。4年生から6年生が希望するクラブに入れます。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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陸上部は市内の陸上大会や柏市の駅伝大会に参加しますし、ミニバスケットボール部はミニバス教室やスマイルカップに参加します。吹奏楽部は県の吹奏楽コンクールをはじめ、東関東大会や全国大会で活躍した実績があります。歌唱部も「柏タカシマヤ」でミニコンサートを行い、地域の方々に聞いていただています。こうした活躍の場を用意していることもあり、子どもたちは熱心に活動しています。

「確かな学びを支える言語力の育成」という研究主題を掲げていらっしゃいますが、どのように教育に取り入れているのでしょうか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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本校では、他人の考えをよく聞き、自分の考えとの違いや共通点を見つけ、発表する技術を身に付けてもらいたいと思っています。そこで、ノートに自分の考えをまとめてから発表するという機会を授業の中で設定しています。

先ほどお話しした学習規律が身に付いていること、このように授業で表現力を養っていること、そして家庭学習を推進していることが、本校の子どもたちの学力向上につながっていると思います。

保護者の方々や地域の方々の支援も盛んだそうですね。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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本校では、家庭ごとに何か一つ学校のためにお手伝いをしていただく「1ボラ」という取り組みが行われています。ベルマークの整理や発送、校内の環境整備、行事のお手伝いなどできる範囲でご協力していただいて、子どもたちにとってより良い環境を作ろうという趣旨です。

地域の方々にも多大なご協力をいただいています。歴史のある学校ですから、地域の方々も愛着があるのでしょう。通学時にはパトロールをしていただいていますし、子どもたちをいつもあたたかく見守ってくださっています。

小中連携も積極的に進めていらっしゃると伺いました。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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最近、小学校から中学校へ進学するときのいわゆる中1ギャップが注目されています。そこで、子どもが中学校に行っても不安にならないように、中学校の先生に来ていただいて、小学校の授業をお願いするなど、さまざまな交流を行っています。 そのほか、小学校の児童会が中学校の生徒会に見学に行くこともありますし、中学校で行われる講演会などの行事に小学校の子どもたちを参加させることもあります。小学校の子どもたちの中学校の部活動への参加や、小学校で中学生の職場体験の受け入れも行っています。

本校では、家庭学習の手引きを作り、家庭学習を推進しているのですが、これも小中合同で作りました。このように、小中で学習指導や生徒指導をできるだけ同じ方針で行い、ギャップを少なくする工夫をしています。

ユニークな学内行事はありますか。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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行事の内容としては、どこの学校でも行われているものが多いと思いますが、ユニークな行事としては「手賀東小学校」、「手賀西小学校」との交流があります。これは1、2年生対象で、「手賀東小学校」、「手賀西小学校」の子どもたちが本校に来て、大規模校の雰囲気を体験してもらったり、逆に本校の子どもたちが出かけていったりします。

また、柏市の中心部にあるという地の利から、柏市の平和集会や国際交流協会が行うイベントの会場が本校になることもあり、それらの行事にも子どもたちが参加しています。

柏エリアの魅力を教えてください。

手賀沼
手賀沼

「柏」駅周辺はおしゃれなお店が集まっていますからショッピングが楽しめますし、飲食店も多くて、おいしいものも食べられます。昔から住んでいらっしゃる方に加えて、最近は再開発などで新しく来られた方も増えてきまして、活気にあふれた街です。 子育てという面では、地域全体で子どもを見守ってくださるという機運が高い街ということが魅力だと思います。「柏」駅周辺でも地域ごとにお祭りがありますが、そういったお祭りに子どもたちを呼んでいただくなど、いつも子どもたちを楽しませてくれることを企画していただいています。

「柏公園」から手賀沼方面に歩けば、自然を満喫できます。柏には音楽の街、スポーツの街といろいろな魅力があり、若い方もよいイメージを持っていらっしゃるようですし、お年寄りの方もそれぞれの人生を楽しんでいらっしゃいます。あらゆる世代の方が住みやすい街ということが、柏の魅力だと思います。

柏市立柏第一小学校 インタビュー
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今回、話を聞いた人

柏市立柏第一小学校

校長 浮谷 満 先生

登下校時に校門に立ち、子どもたち全員の顔と名前を覚えるように心がけているとおっしゃる子ども思いの校長先生でした。

柏市立柏第一小学校
住所:千葉県柏市あけぼの1-7- 6
電話番号:04-7143-0138
URL:http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/

※2014(平成26)年5月時点のインタビュー記事です。

代々受け継がれる規律と学校を見守る地域の温かさ/柏市立柏第一小学校 浮谷 満 校長先生
所在地:千葉県柏市あけぼの1-7-6 
電話番号:04-7143-0138・0139
http://www.dai1-e.kashiwa.ed.jp/