モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー

モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー /モンテッソーリ はままつこどものいえ服部暁彦さん


イギリス王室でも取り入れられるなど、世界で多くの支持を受けるモンテッソーリ教育。「モンテッソーリ はままつこどものいえ」は浜松初の1歳児から受け入れ可能なモンテッソーリ教育専門の幼児教室として2015(平成27)年5月にスタートしました。おもちゃ屋のようにずらりと教具が並ぶ教室では子どもたちが自由にのびのび、そして一生懸命「お仕事」に取り組んでいます。カリキュラムが一切ない一風変わった方針の教室は今保護者からも注目を集めています。今回は代表の服部暁彦さんにモンテッソーリ教育と教室について伺いました。

子どもの「自立」を目指すモンテッソーリ教育

モンテッソーリ はままつこどものいえの外観
モンテッソーリ はままつこどものいえの外観

―開業の経緯を教えてください。

服部さん:「モンテッソーリ はままつこどものいえ」を始める前は教育系出版社で幼児用から社会人用の教材の編集を担当していました。編集の仕事は企画や構成、ディレクションなど制作に関する様々なことに関わりますが、経験を積むにつれマネジメントをする立場になっていきます。そんな中でほかの業務では力を発揮できるのに、マネジメントになるとうまく力を発揮できない例を多く見るようになったんです。「なぜだろう?」と疑問に思っていたときにモンテッソーリの教材を担当することになったんですね。すると自分の求めていた答えが「ここにあるじゃないか!」と。それが始まりでした。

教室内には100種類以上の教具を用意
教室内には100種類以上の教具を用意

―モンテッソーリ教育の魅力とは何ですか?

服部さん:この教育の目指すところとは「自立」です。「自立」とは自分のことが自分でできるようになること。その中で育つ子どもには「段取りが良い」「計画を立てて着実に実行できる」「臨機応変に対処できる」などの姿があります。決して勉強ができるようになることが目的ではありません。自分でたくましく生きていく力を身につけることなんですね。前職で「なぜマネジメントがうまくできないのか」を考えたときに根本の原因だと感じたのは、「あきらめてしまう」ということ。あきらめなければ知恵や工夫が生まれ、やり遂げることができます。モンテッソーリ教育が目指す「自立」とは将来社会人としての人間力につながっていくと思っています。

自分で興味のある教具を選び、とことん遊ぶ
自分で興味のある教具を選び、とことん遊ぶ

―なぜ佐鳴台を教室の場所に選んだのですか?

服部さん:佐鳴台は浜松市の中でも文教地区として知られています。周辺には幼稚園や小学校、高校などの教育機関も多く、レベルも高いと言われます。教育に熱心なご家庭も多いエリアだと思います。そういったことが理由としては大きいでしょうか。

人間力を育むためにやりたいことをとことんやる

1クラス4名で90分。週1回から通える
1クラス4名で90分。週1回から通える

―教室の対象年齢を教えてください。

服部さん:よちよち歩きの1歳から幼稚園年長までが対象年齢です。基本的に1クラス定員は4名で時間は90分。現在25人の子どもたちが通っています。1歳児・2歳児クラスと3歳~6歳児クラスがあり、スペースも分かれています。カリキュラムはなく、教室にある教具の中から子どもたちが自分でやりたいことを選んで「お仕事」と呼ばれる活動に入ります。
1歳から3歳頃までは自分が思った通りに動かすことができる器用な手を作るために、手や指先を使った活動が豊富に準備されています。3歳頃からは文字や数はもちろんですが、身のまわりのものにいろいろと興味が出てくる時期になります。ひらがなや数字に関する活動はもちろん、宇宙や地球、世界に関すること、男の子なら乗り物や生き物、恐竜に関するもの、女の子ならお店やさんやお母さんのお手伝いに関するものなど、子どもの興味を広げるような活動が豊富に準備されています。
自分のやりたいものを気の済むまでやることが「できた」という実感につながり、我慢や忍耐力、集中力を司る前頭葉を育てることにもなるんです。

紙で作ったカップケーキにビーズをあしらうお仕事
紙で作ったカップケーキにビーズをあしらうお仕事

―教具で遊ぶことを「お仕事」と呼ぶのはどんな意味でしょう。

服部さん:大人にとって仕事とは生きていくために労働して対価を得ることですが、子どもにとってのお仕事とは、これから生きていくための力を付ける活動のことを言います。具体的には、自分の思い通りに動く手や指先を作るために、はさみで紙を切ったり、のりで貼ったり、色を塗ったり、針と糸で縫ったりという手作業です。
手作業はとても集中力を必要とするので、子どもにとってはとても疲れる作業です。しかし、作業をやり終えた子どもたちは達成感と自信に満ち溢れた表情を見せてくれます。だから遊びとは全く異なるものなのです。大人も自分がやりたい仕事に取り組み、やり終えた時は達成感や自信、自己成長につながりますよね。その点は大人も子どもも一緒ですね。

できたときには充実感も満足感たっぷり!
できたときには充実感も満足感たっぷり!

―親御さんに向けた講座も開催していますが、今後も開催の予定はありますか?

服部さん:保護者向け講座では、子どもたちの行動には意味があるというお話をさせてもらいました。例えば子どもたちが走り回っちゃうのも走る練習をしているんだと。そう考えると少し見方が変わりますよね。参加して頂いた保護者の方にとても喜んでいただけたので、今後は定期的に開催していく予定です。また、今年年長で通っている子どもたちが今後もモンテッソーリ教育の経験を積めるように、2016(平成28)年の4月から小学生クラスを開講する予定です。

定位置までコップに水を注ぐお仕事
定位置までコップに水を注ぐお仕事

―通われているご家族の反応はいかがでしょう。

服部さん:「いくつか通っている習い事の中で、子どもがここだけは行きたいと言っている」「こどもの家の活動が終わった後は満足げで落ち着いています」「週1回でも変わってきました」という声をいただいています。おかげさまで紹介も少しずつ増えています。私たち自身も子どもの成長に驚かされることがいっぱいあります。前はできなかったことが次はできるようになっている。そんな姿を見ると幸せな気分になりますね。今の目標は幼稚園のような形式で、子ども達が毎日やりたいお仕事に集中することで、たくましく世の中の役に立つような人材が巣立っていく、そんな教室にすることです。モンテッソーリの教室は長く続くところが多いのですが「はままつこどものいえ」もそんな風に10年後も20年後も子どもたちの成長をサポートしていけたらと思っています。

子育て環境が揃う浜松屈指の文教地区

1歳児・2歳児用スペース。手先を使う教具が揃う
1歳児・2歳児用スペース。手先を使う教具が揃う

―佐鳴台エリアの子育て環境や教育風土はいかがでしょう。

服部さん:佐鳴台は浜松を代表する文教地区です。学習塾や習い事も充実していて教育に熱心なご家庭が多いと思います。子どもに関連することでいえば子ども服のショップや写真スタジオなど、子どもに関連するサービスがたくさんあります。しかもそれぞれがオシャレで個性のあるお店が多いですね。 自然もたくさんあり、私の息子が通う保育園では近くにある佐鳴湖へ毎日散歩にいくそうです。そう考えると子育てには良い環境だと思います。
また、浜松の高級住宅街の一つですから住んでいる方たちも上品な雰囲気があります。私自身何度も経験があるのですが信号がない場所でも立っていると車が止まってくれる、そんな風に優しさと余裕を感じる街ですね。

モンテッソーリ はままつこどものいえ
モンテッソーリ はままつこどものいえ

モンテッソーリ はままつこどものいえ

代表 服部暁彦さん
所在地 :静岡県浜松市中区佐鳴台2-20-8
TEL:053-570-3958
URL:http://www.monte-happy.jp/
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。

モンテッソーリ はままつこどものいえインタビュー /モンテッソーリ はままつこどものいえ服部暁彦さん
所在地:静岡県浜松市中央区佐鳴台2-20-8 
電話番号:053-570-3958
営業時間:9:00~17:00
定休日:月曜日、日曜・祝日
http://www.monte-happy.jp/