名古屋市立名東小学校/名古屋市立名東小学校 校長 愛敬俊幸先生 教頭 川野祐二先生
名古屋の山の手にある豊かな心と言葉を育てる小学校
名古屋市営地下鉄「一社」駅から歩くことおおよそ15分。緑豊かな丘陵地に広がる住宅街の中に「名古屋市立名東小学校」はある。在籍児童数1060名と、名古屋市内でトップクラスの規模を誇る小学校だ。今回は同校の特徴や地域とのつながり、一社エリアの魅力などについて校長の愛敬俊幸先生と教頭の川野祐二先生のお二人からお話を聞いた。
名古屋市立名東小学校
校長 愛敬俊幸先生
教頭 川野祐二先生
――学校の沿革と概要についてお話ください。
愛敬先生:本校は1970(昭和45)年の創立で開校して今年で46年目を迎えます。私は今年度赴任したばかりですが、とにかく児童の多さに驚きました。現在1060名の児童が在籍しており、34の学級があります。隣学区に「名古屋市立西山小学校」がありますが、本校はその分校として始まったそうです。当初の児童数は138人と聞いています。地下鉄の開通や公団への入居が始まったことで学区周辺に住宅が増えていき、以降どんどん児童数も増えていったようです。名東小学校として独立開校したのは、1973(昭和48)年です。
川野先生:独立開校の際、校名をみんなで話し合って決めたそうです。名古屋の東だから名東小学校。それが校名の由来ですが、当時はまだ名東区はなくて、この地域は千種区でした。名東区になったのは1975(昭和50)年ことなので、時代を先取りした校名だったんですね。「メイトくん」という学校のキャラクターもありまして、これも私たちは気に入っています。小学校がある「亀の井」という地名から亀がモチーフになっていますが、創立40周年の際に現在中学1年生の生徒が原案を作り、それを教員がよりかわいらしいキャラクターに仕上げました。教員の名札にもこのキャラクターが付いています。
教育目標について教えてください。
愛敬先生:まず本校のグランドデザインは「子どもが楽しんで登校する、保護者・地域から信頼される学校」です。そして校訓は「強い子 やさしい子 地球の子」。「強い子」とは健やかな身体と、なにものにも屈指ない意志の強さを発揮できる子。「やさしい子」とは思いやりの心、やさしさ、親切心など、豊かな心を持つ子、「地球の子」とは自ら学び、よく考え、広い視野と英知を育む子、というのが具体的な目標です。
川野先生:名古屋市では学校努力点というものがあり、取り組むテーマを大体3年の期間で設けていて、全職員が共通理解して学校全体で取り組んでいきます。今本校が掲げているテーマは「学ぶよろこびを求めて~生き生きと主体的に学ぶ児童の育成~」です。主に言語活動に力を入れています。
目標を達成するためにどんな取り組みをされていますか。
川野先生:全教員が一度は研究授業に取り組むことにしています。校長をはじめ、他教員が授業を見学し、次の授業に活かせるよう、意見を出し合いながら振り返りを行います。
愛敬先生:これは小学校全体に言えることですが、実践的な授業が増えていて本校もその時流を受けています。子どもたちが意見を交換しながら協同的に学ぶ、そんな取り組みを行っています。
川野先生:6年生の授業の一例ですが、温暖化の影響でやがて沈んでしまう小さな島をテーマに移住するか、その場所にとどまるべきか、ディスカッションを行いました。最後はオープンエンドですが、子どもが自分で考えて意見を出したり、人の考えを聞くことで「なるほどね」と幅を広げたり、そんな授業が本校の特徴と言えますね。
地域の方々との関わりについて教えてください。
愛敬先生:比較的新しい街ですが、地域がしっかりつながっているという感想を持ちました。学校行事には地域の方が大勢お見えになります。お年寄りの方も孫がいる、いないに関わらずいらっしゃいます。また「ふれあい給食会」といって地域のお年寄りを招いて子どもたちと一緒に給食を食べていただく行事もあります。
川野先生:お年寄りの皆さんに一つの部屋に集まっていただき、クラス代表者が部屋まで迎えにいって手をつないで教室へお連れします。子どもたちがいろいろな趣向を凝らして教室でお迎えするんです。黒板にウェルカムメッセージを書いたり、出し物もいろいろあったり。学級ごとの色があるんですね。
愛敬先生:ふれあい給食会は毎年1回。修学旅行翌日の6年が家庭学習日でお休みのときに行います。そうしないと子どもたちの数が多いので食器も足りないし、皆さんが入る余裕がないんです。
川野先生:名古屋市では放課後の学校施設を活用し、子どもたちが安心して遊べる「トワイライトスクール」というシステムがありますが、本校も設置校です。北館の1階のプレイルームで実施されていますが、習字や手芸などいろいろな体験活動が行われていて、地域のボランティアの方々が対応をしてくださっています。保護者のボランティア活動も盛んで、読み聞かせや図書館の環境整備など、お母さんたちが積極的に取り組んでくださっています
今年の夏に増築を予定されていると聞きました。
愛敬先生:児童数の増加に伴い、現在教室に余裕がなくなっています。それでこの夏休みから増築工事が行われることになりました。南館の隣にプールがありますが、ここに校舎を新しく設置します。校舎の2階部分に屋外プールを設置する予定です。
地域の子どもたちと関わる先生方からみて一社エリアの魅力とは何でしょうか。
愛敬先生:環境がとても良い地域だと思います。学区の近くに「東山動植物園」がありますが、この地域はもともとそこからの森続きでした。だから都心へのアクセスが良いにも関わらず、自然が多く残っています。公共交通機関だけではなく、東名高速道路のインターチェンジが近く、名古屋をぐるっと取り巻く名古屋第二環状自動車道も開通して車でのアクセスもいい。保護者は教育熱心の方が多く、文教地区です。それと街並もセンスがあって、品があると思います。名古屋の山の手ですね。
川野先生:「東山動植物園」は、遠足でも出かけます。子どもの足で歩いても30〜40分ほどで到着します。また違う方向に「牧野ヶ池緑地」があり、ここも遠足で出かけます。「ペア学年」というのがありまして、今年度も6年生と1年生が手をつないで「牧野ヶ池緑地」へ遠足に出かけました。豊かな自然があり、「イオンメイトピア」をはじめ、商業施設もそこそこあって不便さは感じません。転勤者が多い街でもあり、子どもたちにとってある意味転校生はおなじみの風景。だから転校してきたお子さんもすっとなじめる環境なのも特徴ですね。
愛敬先生:先ほど学校努力点の部分でもお話をしましたが、名東小学校はこれまで言語活動に力を入れてきました。子どもたちが自分で考え、自分の言葉でお友だちとコミュニケーションを取りながら学んでいく、そういった教育に今後も取り組んでいきたいと思っています。
今回お話を聞いた人
名古屋市立名東小学校
校長 愛敬俊幸先生
教頭 川野祐二先生
※本記事の内容は、2016(平成28)年5月時点のものです。
名古屋市立名東小学校/名古屋市立名東小学校 校長 愛敬俊幸先生 教頭 川野祐二先生
所在地:愛知県名古屋市名東区亀の井3-134
電話番号:052-702-1166
http://www.meito-e.nagoya-c.ed.jp/